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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
次の日の放課後、すべての部活を断り、理事長室へ向かった。そこにはもちろん田中学院理事長、田中玲治がデスクに着いている。 「君が、中等部2年、中野冬季くんだね」 「はいっ」 そう尋ねられて、返事することしかできなかった。 「田中学院の『シンクタンク』のことは知っているね」 「組織があること、だけは」 冬季は正直に言った。その組織があることしか知らない。 「それで十分です。君の任務は野田晴仁の護衛だけ。それ以上は知る必要はありません。理由は『シンクタンク』の窓口を務めるというだけで、敵がいるんだよ。だから君が野田君を護衛するだけ」 「俺に、そんなことが出来るんですか?」 「謙遜することはないよ。遠慮はいらないから、野田晴仁を狙う者がいたならば好きなようにやりなさい」 「……わかりました」 本当のところ、よくわかってない。しかしそんな危険なことを何故一介の生徒である晴仁がやることになったのだろうか、なら自分はそんな晴仁を守ろうと思った。 「ただし、君がシンクタンクであることは君と私と君のご両親だけ。君がシンクタンクであることは、兄弟にも誰にも、特に野田君には言ってはいけない」 「……わかりました」 「よろしい。他に質問は?」 「なんで、晴仁が窓口なんですか?」 「……なるほど、中等部の野田君が何故窓口なのか気になるかね? 彼は窓口にすぎないのだよ。だが、彼の頭脳は田中学院のすべてを網羅出来る。ゆえに彼が一番適任というだけなんだ。これでいいかね?」 「はい、ありがとうございます」 「こちらこそ、承諾してくれて助かるよ。では、さがりなさい」 理事長は終始落ち着いていて、にこやかな対応だった。冬季は緊張していて結局よくわからないままだった。それでも、役目は一つ、晴仁を守ること。
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