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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
野田晴仁は小学部1年から一緒のクラスだった。そのころは何も違和感を覚えたことはなかった。二人ともとても気が合い仲良く遊び、時にはけんかもした。それが中等部に入ってから変わった。冬季はメキメキと身体能力が上がり、晴仁はどんどん成績が伸びた。 「お前って、ガリベンだったっけ?」 「そうでもないよ」 「そうだよな」 「冬季はさ、中野家の血だよね。お姉さんやお兄さんもすごかったって聞いたよ」 「誰に?」 「うーん、噂」 冬季が最近になってわかったのは、晴仁が正式に『シンクタンク』の窓口になったことだった。田中学院のマル秘組織『シンクタンク』。学院内のあらゆることを網羅し、あらゆる問題を解決する組織。中には『シンクタンク』という組織すら知らずに卒業する生徒もいると言われるくらい知られることのない裏組織。その公になってよいというのが野田晴仁だった。 その数日後だった。冬季に封筒が渡った。それは保護者宛てで帰ってから母親に渡したら、一枚返された。 「ふゆちゃん宛てだよ」 「え?」 「さて今日はお赤飯ね。それから、それに書いてある通り、誰にも言っちゃだめよ」 手紙には『中野冬季 「シンクタンク」に属することを任命する 明日の放課後理事長室へ向かうこと』 と書かれていた。もう一枚は保護者への承諾書らしい。それも両親の署名が必要のようだ。 「かあちゃん、コレ……」 「書いてある通りだね。そのことは、はるちゃんにもなっちゃんにもあきちゃんにも言っちゃいけない。もちろん、はるくんにも言っちゃダメだからね」 中野四季(しき)、四兄弟の母にして、田中学院の卒業生である。
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