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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
猫耳が作りたい。そんな日。 田中学院 中等部 高山貴乃は、その夜小学部の校舎の前にいた。 「部長、高崎さんを助ける方法はまだわからないんですよね?」 「まあね。でも眠っている状態ではどうにもならないんだ。やっぱりあの姿の高崎さんに話しかけないと」 何度試みても、彼女の霊は笑いながら校舎を徘徊し倉庫へ消えるだけだった。それも年に一度、冬休み前日の夜だけだった。 「私は周りに何かいないか見て回ります」 と可奈。それに貴乃は同行した。 「何かあったら、俺に知らせて」 「わかりました」 その時、何かが貴乃に憑いた。彼女はわずかな違和感を覚える。 「貴乃、『魔』がついている」 「え?」 「部長に取り憑いている『魔』」 「どうして?」 「さあ? でもきっと今だけだと思う。手伝ってくれるのかもしれない」 「なんかやだなー」 思った通り、エゴの『魔』が語り始めた。部長から聞かされている通り、魔は貴乃のエゴを突いてきた。 「替わる?」 可奈が気をつかって尋ねる。しかしそれに関しては『魔』の方が断った。 「嫌がってる」 「そう。じゃあしばらく黙らせておきなさい」 不思議とその後は『魔』は黙っていた。 校内は静かだったが、時折笑い声が聞こえる。 「……可奈ちゃん、この声、高崎さんの」 「そうね。無邪気な女の子の笑い声。でも彼女は夢の中。彼女は夢を見ているだけだから」 ぼんやり浮かんだ麻代の姿は現れたかと思えば消え、また現れる。 「それよりも、彼女を夢にいざなった物を探す」 『ふん、あの嬢ちゃんもまだまだだな』 「何!?」 貴乃の声に可奈が振り返った。 「どうしたの?」 「『魔』が、倉庫に行けって、部長連れて」 「……そうしましょう」 麻代の姿はやはりあちこちを動きまわっていたが、二人は部長と合流し、麻代が閉じ込められたという倉庫へ向かった。
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