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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
11月に入りましたが、今は比較的温暖な気候です。この前の寒さとか雪とかなんだったんだろう。 その日の朝、バルクは手紙をしたためた。もちろん、兄であるビアソーイダ国王あてだが、身内ということで、その封筒は宿屋で分けてもらったシンプルなものだった。 「で、バルク。これどうやって送るの?」 ルイとアニムは朝食をとるためにバルクを訪ねたところだった。狭い部屋がますます狭い。 郵便物は船で運ぶことになるが、時間がかかる。鳩の足につけて飛ばす方法もあるが、この港町に伝書鳩はいなかった。 「ああ、そりゃあ大丈夫だ」 バルクは『もうすでに手を打っている』と言う。 「バルク様、およびでしょうか?」 アニムもルイも肝を抜かれた。 「ラナ、久しぶりだな」 「バルク様もたまにはお帰りくださいな。アニム様、リュレイミア様もお久しぶりでございます。おかわりありませんか?」 使用人の制服を着たラナと呼ばれる女性は、突然宿の一室に現れた。アニムもルイも以前ビアソーイダを訪れた時に世話になったメイドだった。 「これを兄貴に渡してくれ。急ぎなんで返事も頼む」 「承りました。それでは、私はこれで。バルク様がバンデン王国の王都に着いたらお届けします」 そう言ってラナはドアを開けて出て行った。 「い、今のは?」 「ラナって何?」 ラナが去った後、ルイはすぐにドアを開けて確認したが、彼女はもういなかった。 「お前らな、あんまり彼女のことを詮索するな。あれはウチの立派なメイドだ」
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