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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
しばらくお休みします。 ビアソーイダ王城にはラナというメイドがいる。いつからいるのかわからない。ショートカットの似合う二十代くらいで必要な時にはいつの間にか現れる。バルクが物心ついた時から変わらない姿で、皆もいることは知っていても詳しいことはわからない。彼女にはそれ相応の賃金を払っているが、それがいくらなのかは代々ビアソーイダ王にしかわからない。 「妖精か何かではないのか?」 「さあな。それを明かしたらきっとラナは不機嫌になる。追及しないでくれ」 アニムが思う通りラナはそういった類のものであるのは確かだ。いつまでも変わらない姿で記録では千年以上前からいるらしい。だからバルクは彼女の存在については怖くて追及できなかった。 「とにかく、あとはバンデンに向かえばいい」 一行は再びバンデン王都に着いた。今回は乗合馬車で行き、その間、やはり宝とドラゴンの話をちらほら聞いた。しかしあまり詳しい話は出てこないのですぐに話題は代わり、代わりに最近やたら強い女剣士がいるという話を聞いてバルクは背筋が寒くなった。 バンデン王都はまだ人であふれていた。仕方がないのではずれの人の少ない小さな下宿を借りた。事情を知っている下宿の女将は『宿代わりに使ってもいいが、女の子は相部屋だ』と言い、ルイだけ別の部屋に入れられた。幸い、借りている旅人は出かけて不在なのだという。 人通りの少ない王都のはずれは住宅街で、ほとんど店はなかったが、大通りがあまりにも混んでいるために臨時の露店が少しばかり並んでいた。
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