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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
やっぱり心でおめでとうって言っておく。 ようやく人の少ない通りに入り三人はほっとした。しかしこの王都内の宿屋はどうやら全て埋まっているようだった。 「どうしよう」 「どうしよもない。どうせここは通過点だ。王都を出るぞ」 「あーあ、やっぱりな」 「ええー、ここのパンケーキ美味しいのに!」 ルイが文句を言う。彼女が移動出来る範囲は美味しい物があるかどうかにかかっているようだ。 「せめてパンケーキだけでも」 「よせ、ルイ。その店は大通りだっただろ!」 「うう、パンケーキ」 「残念だが、今度にしてくれ、ルイ。用があるのはここではない」 入る者が圧倒的多い王都の門を逆流し、アニムたちは王都を出る。バンデンは広い国だが、王都以外の街のほとんどが小規模の街で後は小さな村がぽつぽつとあるくらい。そして国の大半は山脈と森に囲まれてドラゴンの住処となっている。 「それでアニム、どこへ行くの?」 「王城だ」 「王城!?」 「詳しく言えば、王城の森だ」 「お前、本気か?」 「本気、本気。お宝が目当ての振りなのだから」 アニムは結局あまり詳しい事を言わなかった。だからバルクもルイもアニムが次に何をするのか分からない。バンデン王国の王都は名ばかりで王城はだいぶ離れた森の中にあり、城は森に守られている。 「実は森の中から昔の王城の地下に入れる洞窟があるらしい」 「昔の王城って、災害で崩れた城の事か?」 アニムはニヤニヤとしながら頷いた。 「そうだ。宝は旧バンデン城の地下にある」
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