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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
ちょいどころでないかもしれない。 「俺に宿るのはやめといた方がいいよ」 「......あっ!」 妖魔が驚いた。ブロードが人差し指を立てて妖魔の口に当てる。これが妖精類いに通じるのかどうかわからないが、妖魔はそれ以上口にしなかった。 「じゃあ、何に宿ったらいいかしら? そのお嬢ちゃんの剣でもいいかな?」 「私の剣に?」 「そう、私が宿れば切れ味が良くなるわよ」 アプリが一瞬迷ったが、「この剣は十分切れ味がいいわ」と言った。 「そうしたら......」 「じゃあ、俺の剣に」 ブロードが腰に収めていた剣を差し出した。護身用のショートソードだった。 「まあ、ちょっと短いけれどいいわ。剣には変わりないし。さて、ご主人様、私に名前をくださいな」 妖魔がねだる。 「前のマスターから貰わなかったの?」 「そうなの。必要ないからとか言って」 「そうか、じゃあ......ジルクヴェス」 「ジルクヴェス.......ジルクヴェスね。ありがとう」 妖魔は満足げな顔で消えていった。
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