20時20分。
彼が、家に来てくれた。
さっむ〜!!と言って身体を震わせながら入ってくる彼に、泣きそうだったのに笑ってしまう。
部屋に入ると、まず、この間の結婚式の話から。
彼「ところどころ、ってか大分記憶ないんだよね…」
私「あの時と、この時と、その時は?」
彼「二次会行くまでの記憶は全然ない。二次会の記憶はところどころある。三次会の記憶は全くない。最後にラーメン食べたのは覚えてる」
やっぱり、と思う私。雰囲気や言動がいつもと違っていた時間帯と、彼の記憶のない時間帯が合致する。 さらっと、○○じゃない? と言う私。
彼「だって自分じゃ分からねえもん」
私「だよねー。けど多分そうだよ(笑) 私、あなたのお世話でイヤリング無くしたんだけど」
彼「イヤリングは買います!」
私「はって何。誕生日プレゼントのリクエストのピアスは?」
彼「お前ピアス開けてたっけ」←去年だか一昨年だか開けてますが。
私「開けてるよ! 普段はずっとファーストピアスだけど」
そんな会話で、誕生日プレゼントの話はけむに巻かれ。
それから私の離婚の話。
私「旦那が来月こっちにくるから、こっちに来てから離婚の話進めていい? って聞いたらうんって。4月中、って言ったら早! って言われた」
彼「旦那こっちにくるの!? そりゃー1回、いや3回ぐらいは一緒に飲まないとな」
私「でもAさん(彼のこと)は別れて欲しくないんだよね、前そう言ってたし」
彼「そりゃそーだよ、今でもお前の旦那と話が出来るなら止めてるよ、お前に言っても無駄だろ」
私「無駄だよ。っていうか、考えてみたらAさんにはうちらの離婚の話、関係ないじゃん」
彼「関係ないけど、ここまできたら関係あるようなもんだろ」←この台詞何気に嬉しかったです。
私「確かに。でも別に、Aさんの意見には関係なく離婚はするもん。夫婦じゃなくてもいいなって思うから。親友だし」
彼「お前、それどういうことなの。お前は親友って思ってても相手は違うかもだろ」
私「一応相手も親友でいいって言ってくれたし。相手に好きな人ができたら、身を引くことになってる。大体セックスって重要じゃん」
彼「あー、そりゃあな、重要だわ」
私「夫婦じゃなくてもいいなっていうのは、そこだよ。ほんとはもっと早くに決断できたのに、それをずるずるしなかったの、だからもういいの」
私「ちなみに、名字は変えないし、戸籍も独立させるから、バツは一見つかないよ♪」
彼「お前今の名字なんだっけ」
私「○○」
彼「元(旧姓)は?」
私「□□っていうの。珍しいし、親も好きじゃないから、こっちには戻さない」
彼「あー、まあいいんじゃね。俺も実家には連絡全然してないし、帰ってないしなー」
本当は、旦那の名字を名乗り続けることに抵抗を示されるかな、ってちょっとだけ心配していた。
だけど大丈夫そうだった。
彼「俺、△△(私の地元)に行きたいんだよね。行き残したとこがあるの。この間テレビでやってて、観光地になってるんだって」
私「何それ、地元民だけど知らないんだけど。行きたい行きたい」
そんな話をして。
結婚式の時、一緒に彼を解放してくれた仲間内の男性が超紳士だったって話をしたら、
彼「あー、俺の中でお前とあいつは5回ぐらいしてるわ」
私「誰がやねん!! 一度もそんなことないから! 超紳士だったんだから!! あなたと一緒にしないで」
彼「一緒にするわ」
私「しないで。そもそもそんなにお手軽な女じゃありませんー。ってか、寝たいじゃなく寝てもいいと思える男がいないんです。寝たいじゃないんだよ、寝てもいいレベルでいないんだよ」
彼「それはいたらやるってことだろ」
私「しません」
そんな下品な会話もしつつ。
もう私は大分酔っ払っていて。
くっつきたい衝動を随分抑えていたのだけど、がくん、と首が下がって、彼の腕の中に頭が落ちた。
あー、いかん、起き上がらねばと思ったけれど。
それに呼応するように、彼が自分の頭を寄せてきて。
髪にキス。
そこから少し、くっついて。
キスを、繰り返しながら。
「ねえ、じゃあ、既婚の私と、独身の私と、どっちが好き?」って聞いた。
「独身に戻った途端捨てますっていうなら、それでもいいけど」と本音半分強がり半分で、言って。
「独身じゃないだろ、バツイチだろ」って言われたけど、「バツはつかないし、独身は独身ですー。ねえ、どっち?」
って、聞いたら。私は、どんな答えを予想していたのか。自分でもわからない。
分からないから、聞いたのだと思う、けれど。
彼が、
「どっちも大好き」
って、私の表情を楽しむように、勝ち誇った顔で言った。
びっくりして我慢できなくて抱きつく。
顔が近付いたら、どちらからともなくキス。
その合間に、私も「大好き」と口にする。背中にまわされた彼の腕に、力がこもる。
たくさんたくさんキスをした。
それからのコトの記憶が、正直曖昧。
多分いつものように、触らされた。それからいつものご奉仕。
ひっくり返されて彼が入ってきて…なんか衣服で手とか縛られて、それをすぐ抜けたような気もするんだけど…とにかくキスを繰り返しながら動かれて、最後はどっちに欲しい、とか言われて必死で「なか、なかに欲しい」とか答えて、多分私、終わった瞬間寝落ちしたな(遠い目)
酔っ払って寝ると、こんなにも大事な記憶に弊害が(違)
結構ねちねち思い出して楽しむタイプなのに…
とにかく目が覚めたら、彼の裸の色とりどりの胸がアップになってすぐそこにあって、うわあと思ったら彼が私を抱きしめる形で寝ていて、いつの間にか布団がかけられていて、私は彼が寒くないかなってそれが心配で、冷えた肌に触って、さすって。また眠りにおちて。
もう一度目覚めて、彼も起きていたので、で、距離は凄く近かったので。
肌に触れる。胸にキス。キス、下降。そこにも触れる。キス。
今回のは、私も中々会心の腕前。←おい。
飽きて彼のところに戻ったら、もう一度ひっくり返されて、強引に入ってきた。
流石に果てるとこまではいかず、彼が適度なところで終わらせたけれど。
嬉しい。
彼といられることが、嬉しい。
そこから朝のニュース番組とかを一緒に見て、でも私は退屈だしちょっと眠くなってきて、
「こいついつまでいるんだろう」
ぐらいに思ってきたときに(ひどい)、彼が仕事へ行くと言い出した。
待って私肝心の話一つもしてない、と思って。
ホントは引き留めちゃいけないんだけど、服の裾をひっぱって、「ごめんね」と言った。
職場の部署が違う上の人にこういうことを言われてしんどくて、私、あからさまに感情ぶつけられるのがホント苦手で、でもこんなことでダメージくらって情けないって気持ちもあって、としどろもどろに伝えた。
「今回はまだ会う気力があったからいいけど、次回同じことがあったら、あなたに会う気力もないかも。仕事ももう無理かも…休職になっちゃうかも」
頑張れって言われる覚悟も、ちょっとだけはしていたけれど。
彼は私の頭を撫でて。
彼「そしたらちょっと休めばいい。無理なもんは無理、ダメなもんはダメだろ」
私「だって、周りからみたらたったの一回でって思われる…」
彼「そいつらには分からねえだろ。そいつはそいつ、お前はお前だろ」
私「うん」
彼「大丈夫。大丈夫だから」
そう言ってくれるから、やっぱり私はこの人の前で必ず一度は泣いてしまう。
安心して、やっぱり今回も、ずるずるせずに見送れた。
感謝を、どうやって伝えたらいいんだろう。
もう引き返せない。引き返さない。
どの彼も大好き。
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