セキセイインコ ゴン助の精巣腫瘍闘病記録

INDEXBACK NEXT


2002年10月31日(木) 27 羽が揃わない

少し羽が抜け変わるのが遅い。薄着の状態だ。
そろそろ、部屋に暖房を入れよう。
7年間、コタツ以外ゴン助の部屋では入れた事がなかった。
年を取ったのを実感する。
温度差が激しくならないように、エアコンは隣の部屋だけ。

あまりに暑い時は風呂場へ置いた。
外に吊るすのはカラスが襲って来るので出さない。
カラスは嫌いじゃないが、それとこれとは別。


獣医さんにも暖かくするよう指導された。
すぽり、と布で覆ってしまったのでいつも眠りがち。
暖かい昼間、布を開けると起きて盛り上がる。

唄う時間が減って行く。
投薬の悲鳴も時折声が擦れる。
覚悟しているがやはり、もう一度暴れまくってほしい。


時折音楽を流してやる。
まだまだ張り合って唄う体力がある。
水浴びもする。
静かな音楽では嫌らしい。
熱い燃えるような曲でなければ乗ってこない。


熱い曲をかけると踊って、餌もよく食べる。
飛ばせてはいけない、と獣医さんから言われている。
胸の筋肉が落ちて、飛ぶと寿命を縮めるからだ、と。
肩に乗せると飛びたがるので、投薬のみですぐケージに
戻す。ずっと寝ている。腫瘍もさわるたびごつい。


それでも2か月半、生きている。
早くて一月、長くて半年。
眠るだけで動かない日は、疑問も感じる。
飛べない遊べない鳥が幸せかどうか。

そんな疑問を吹き飛ばすのはゴン助の唄。
暖かくて気分が良い日は、水浴びをして唄う。
何も流れていなくても踊っている。
遊んでくれ、と呼ぶ。

今、ゴン助が最高にご機嫌な曲は。


『勇者王ガオガイガー』.......。


...いや、他にもいろんなジャンルの音楽を聴くが
これがかかるとブランコにパンチをかまして
唄い始める。....なんだかなあ。力尽きそうでこわい。


2002年10月19日(土) 26 明日はまた病院


ゴン助の羽が少しボサついている。羽が抜け変わっているのだが
時間がかかっているようだ。

投薬で外に出す。
体重は変わり無し。
おしりの糞を拭き取ってやる。原形のまま固まっていた。
プリプリ怒る。ティッシュでつまんでポロ、と取れる。

あまり大暴れこそしなくなったが、足の指に襲いかかって来る。
知らん顔をして寄って来てガブ!
...どうも咬まれた時人間が、叫び声をあげるのが面白くて
仕方ないらしい。けけけ、と笑う。

ブランコの傍に小さな餌入れを置いた。
眠りがちなので、動かなくても傍にあると、食べられる。
唄は途絶えてはいない。
まだまだご機嫌なデタラメな歌を唄っている。

明日は通院の日。
足の指などよく見てもらおう。
冬が近い。そろそろ水槽の検討でもしなければ。
今の所黒い布で覆って、ライトの熱を逃がさないように
している。欠点がひとつ。

覆ってしまっているので、覗かないと仕種が見えない。
まあ、起きると開けれ!とわめくので
眠ってるか起きてるかはわかる。

今日はおとなしいが機嫌はいい。
足をかぶりつかれた程度は、おとなしい部類にはいる。


2002年10月17日(木) 25 少し眠りがちではあるが....

仕事で静かにしているとゴン助がねむりっぱなし。
昼も夜も。話し声や音楽がかかると起き出してくる。

寒くなって来たせいか。
保温にいっそう気を配ることにする。
食欲は変わりない。

くちばしが伸びた気がする。イカの骨をかじらない。
そのかわりシャツをくわえて引っ張って遊んでいる。
遊ぶ気力はまだまだあるようだ。


先日,実家の犬の兄弟が死んだ。これで私の犬だけになってしまった。
その犬は癌だった。発病してあっという間に、痩せ衰えて亡くなった、と聞いた。
年令は14だったので天寿、とも言えるのだろうが、亡くした飼い主のおばさん
(親戚なのです)は寂しい事だろう。
同じように腫瘍を抱えていた。
ゴンと同じ。

生きている間は闘いだ。死ねばやるせないが、半分心中では『お疲れさま、
よくがんばったね』と言うべきなのかもと思う。
かつて不注意で犬を死なせたり、散々失敗してきた。
苦い思い出もたくさんある。
そんな中、お疲れさま、と送ってやれたとしたらそれが一番ベストな
一生なのかもしれない。出来れば、ごめんね、とは言いたくない。

死ぬ瞬間まで、楽しんだり、歌ったり、踊ったり。
お疲れさん、またいつかおいで、としか思いつかない。悲しいのは別として。
実際ゴンは数代目なのだ。似た雛を選んでは飼っている。

なんだか、ぐるりと回ってずっと同じ奴がいるような気がしている。
魂というものがあるのならば、心だけをゼロにしてまたやって来る。
そう思いたい。もちろん、ろくな飼い方をしなかったなら、『ちきしょお!
二度と来るかあ!!』なのだろうが。


...しかし。本当にいつもこいつは、歌っているとき楽しそうだ。
うけけけけけ!!!と首だけの鳥のおもちゃを蹴り倒して喜んでいる。
具合がそんなに良くない時でこうだ。
敬意を払って名前を追加してみた。


ストロングゴン助。

今日もまた生き延びた、なんて何かのフレーズにあったような。
ゴンを漫画にした事がある。変だが。

三度笠に鋼鉄の長楊枝。馬よりでかい。
油断するとデコに楊枝を突き刺してくるような凶悪インコ。
二刀流を使う。容赦無し。(HPのご案内ページに一枚だけ
アップしている。あまりにも阿呆なのでセリフは抜いた)


地獄のゴン助三度笠。ヘル・イエロー。
飼い主は大バカヤロウである。


2002年10月15日(火) 24 青菜

プランターで立派な青菜がとれた。大きな葉、きれいな色。
人間が八百屋で買うようなもの。
さっそく一枚ゴン助にやってみた。
これでしばらくつまみ菜を買わなくてもすむ。朝の薬のあと
目の前に置いてみた。

いつものように投薬で、ぐええ、ぐえ、とわめくゴン助。
ご機嫌は思いっきりななめだ。
ぶす、とブランコにふんぞりかえるゴン。

人間の掌大の立派な青菜。青菜と見れば突進して食べまくる
ゴンには満足の行くシロモノのはずだ。


........で。

ゴン助、飛びかかった!!
足をかける。むんずと掴んで雄叫びをあげる。
蹴りを入れたつもりが、足が葉を突き通してひっかかっている!
怒るゴン!なんじゃ、お前はー!!

怒り狂って足でかきまわす。
すっぽ抜ける足!
体勢を整えると、嘴での攻撃に切り替えた!
むきー!!!

そのまま頭ごと突っ込んだゴン助、葉っぱの穴にすぽり。
エリマキゴン助。そのまま抜けねえ、と暴れ回る。
なぜか、ぷるぷると羽を震わせて水浴びモードに入っていた。
葉を喰い破りながら、羽つくろいをしている。


いいからとっとと喰えー!!


投薬、胃薬、抗生物質、飲み水には肝臓の薬。
腫瘍は大きいが、元気なのは変わりない。
足も今のところ痛みだしている気配はないようだ。

昼間眠る事が多くなった。
そのぶん深夜起きて、騒ぐ。近くにいないとすぐ呼ぶ。
昼間寝るのは問題ないそうだ。もっとも夜間や寒い時は
ライトをつけて保温するのでかなり明るい。
これは寝れないだろう、と思っていたらちゃんと寝ていた。
人間が寝静まってあたりが暗いと寝るようだ。

頭を背中に突っ込んで眠っている。
保温方法は、今の所万全。
これから寒さがきびしくなってきたら、水槽で飼う事をすすめられた。
アクアリウムゴン助。
下にカイロを敷いてライト。
留守中ライトはこわいがカイロを敷いて、暖かいうちに布を水槽にかけて
空気の暖かさを維持させれば、良いそうだ。

当然あまり長時間は留守にできないが。
虫みたいで、なんだかなあ、とも思うが雛の時はペットショップなどでも
水槽(虫用のプラスチックタイプ)に入っていたっけ。
私はワラのフタつきの巣に入れていたが。

当時ゴンは閉めておいたフタを頭突きで、開けていた。
ゴン助、正式名称は「ゴジラの助」である。
怪獣みたいな奴だったので。頭突きで開けてぎゃあああ、ぎゃああと
鳴いていた。ガメラを観た後だったらイリスとかギャオスにしていただろう。
ぞんざいである。ごめん。ゴン助。


2002年10月06日(日) 23 いつもの病院へ

本日は病院の日。2週間置きの通院。
前行った日から全く問題がなかった。
羽は抜けているが、自然の事だ。ただし、体力が落ちがちなので
気をつけるように、とのこと。

腫瘍は、やはり増えていた。ただ、精巣なので腸や胃を圧迫するものの
肝臓や心臓よりはまだいい。
免疫力の低下による合併症などに、注意すれば、ぎりぎりまで
普通に自力で、生きていられる。

実際,今恐ろしく元気だ。
ただし、足の裏がすりむけていた。いずれ痛みだすかもしれない。


薬は、一部、水に溶かす物に切り替え。
つかんで投薬する度、大きくなる部分をさわるのが、こわいため。
鳥の扱いは慣れているものの、圧迫など用心したい。


毎日投薬の度、噛み付かれて痛い。朝っぱらから『あいたたたた!!』と
悲鳴をあげている毎日。
肩に乗せると首に噛み付いてくるのだ。おそるべし、ひとくいインコ。

とりあえず、大変元気だ。良い事だ。
毎回病院でゴン助一羽分のお金が、飛んで行くが。

行けるとこまで突っ走れ、ゴンやん。飼い主は腹をくくったから。


2002年10月02日(水) 22 腫瘍拡大

日増しにゴンの腫瘍が大きくなっていく。
手で触ると固い。親指2本分はあるだろう。
悲惨な光景だ。

それでも、毎日ずっと元気にしている。健康体と間違えそうだ。
もの凄い生命力に感動すらしてしまった。
毎日、歌って踊って生きている。
自分がもし、ガンだとわかって、あと半年の体になったなら
とてもじゃないが、こんな過ごし方は出来ないだろう。
告知されてないとしても、体調はどんどん落ちて行く。
多分、歌う気分になんかなれない。


ゴンは毎日外に出せー!とケージの入り口で暴れる。
人の傍にいたいのだ。顔を見せれば飛びついてくる。
咬み付きもするが、肩の上でくつろぐのが楽しいのだ。

バクダンを抱えた鳥、と獣医さんは呼ぶ。
その通りだ。
元気なある日突然、命が終わる。
多分、こいつはそんな終わりを迎えるのだろう。

ケージにシュレッダーで切った紙を敷き、落下に備える。
ライトは24時間ついている。
ブランコは低い位置に。おもちゃくらい最後まで置いておこう。
時折足がふらついて餌箱に足を突っ込んだり
すべったりしている。それでも飛ぶし、うろうろ動くし、眠っている時以外
音楽と一緒に歌ったりしている。

眠いときもぶつぶつ喋っている。話し掛ければまだ、覚えようと顔を
かしげる。歌ってやれば声を張り上げて張り合う。
眠る時間は増えたが。
肺炎や合併症さえ気をつければ投薬で、健康体に近いまま
寿命を迎えられる。三月に生まれたゴン助。
8歳まであと半年。


腫瘍以外は、体もすっきりとして(やせはしたが)眼も鼻も生き生きしている。
鳴く声も大きい。衰えていない。餌もよく食べる。理想的だ。
飼い主も鳥もある意味幸せなのかもしれない。
あとは、それこそ神のみぞ知る。宗教には一切関心はないが
こんな穏やかで、晴れた暖かい日は生き物の中にそういうものを感じる。
勧誘される度、ほっといてくれ、と追い返すような人間ではあるが。

............恐ろしい事に今横で水浴びをおっぱじめた。
頭から突っ込んで羽をぷるぷると震わせている。
顔しか濡れないのだが....溺死がこわいので青菜とわずかな水しか入ってない。
青菜をむんず、とくわえてぽいぽい放りだす。
しかも歌いながら頭を突っ込んでいる。そこはかとなくエコーがかかる。
ご機嫌のフルコース.........。凄すぎる。八畳敷並みの腫瘍を抱えて.....

生き物万歳。


blue |HomePage

My追加