雲間の朝日に想うこと


< 放っておけますか >


アイツから届く一通のカード。

放っておけと言った側から、
相変わらず支離滅裂の行動を取るアイツ。



俺の性分じゃないけれど・・・
俺の仁義に反するけれど・・・


無視するぞ。




もうアイツに振り回されるものか。

そうすれば、
きっとアイツも振り回されずに済むから。


2002年05月31日(金)


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< 何重にも掛けた鍵をこじ開けますか >


アイツの話をすると、
いつも貴女は不安そうに言うけれど・・・
アイツへの感情なんて、
もう一欠片ですら残っていない。


 「まだ心の奥底に小さくあるんじゃないの?」
 「今はもう違う物が詰まっているんだよ。」


貴女の問いに、
俺はそう答えたよね。



詰まっている物がどんな物か、
貴女にわかりますか?

封印している俺の気持ちが、
本当にわかりますか?







小さく閉じ込めたこの感情は、
もう絶対に開かない。

決意して閉じ込めた想いだから、
もう絶対に開かない。





一緒になろうよ・・・


2002年05月30日(木)


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< 実現しますか >


朝起きた時から、
肌で感じる温度が高かった。

遠く離れた貴女も、
同じ想いを感じていたんだね。


 「今日は暑いね〜!」


そんな貴女の言葉に嬉しさを覚え、
軽快に口が動いていく。


 「まだまだ甘いんじゃない?
  俺の実家に挨拶に来られないゾ!」


 「あなたこそ真冬に私の実家へ来れないよぉ!
  遭難しちゃう!」


ほんの他愛もない話だ。

けれども、
決して現実にならないだろう話。




暑かろうが寒かろうが、
俺はどっちでも構わない。

実現するなら我慢できる。


2002年05月29日(水)


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< 今更わざわざ言う事ですか >


呼びかけに全く答えなかったお前が、
何故今頃返事を書いてくるのだろうか。



「あたしの気持ちが迷惑だったら、何も言わずに放っておいて。」



アイツのまだ気持ちが残っていて、
友達を演じてまで話が出来ないのなら、
それはそれで構わない。

たった一言「元気?」と問いかける事が苦痛なら、
もう何も言わない。

けれども・・・





いつも物分かり良く、
アイツの望み通りに行動してるから、
余計にお前を苦しめているんだろうか?



友達で居てと言ったのもアイツ。

放っておいてと言ったのもアイツ。


2002年05月27日(月)


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< 無駄な抵抗は止めませんか >


何度も何度も震えて、
何度も何度も行き着いた後・・・

貴女は不意に声を上げ、
そしてすぐに身体を隠した。



 「手で身体を隠したでしょう?」

 「どうしてわかるの?」



不思議な事じゃない。

何度も何度も受話器越しに感じて、
何度も何度も受話器越しに触れたから。

どんな素振りを魅せても、
俺には貴女が手に取るようにわかってしまう。






どうして隠す?

何も隠さなくて良い。
恥ずかしがる事は無い。

離れていたって、
俺は貴女が見えるのだから。
いくら隠したって、
俺は貴女が見えるのだから。





貴女から溢れて飛び出した一筋の流れが、
初めて見えました。

今はただ、
言葉でなく直に触れたい。


2002年05月26日(日)


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< その言葉は最後にもらえませんか >


俺を想っているからこそ、
貴女がそんな言葉を吐くんだろうけれど。

俺の想いを確認したいからこそ、
貴女はそんな態度で甘えるんだろうけれど。




 「私が居なかったらいつも一緒に居られる人を捜すんだよねぇ?」

 「私は貴男の邪魔してるんだよねぇ?」




貴女への繋がりは捨てられない。
貴女への想いは否定できない。

ギリギリで踏み留まって、
必死に葛藤して、
自分に今の状況を無理矢理納得させたんだ。


パンドラの箱をこじ開ける様な言葉だけは、
貴女の口から聞きたくない。

俺の悩みの中枢をグチャグチャに踏み躙る言葉だけは、
貴女の口から聞きたくない。






本当にそう想っているなら、
早く斬れ。

一緒に居て欲しいのは貴女なんだ・・・


2002年05月21日(火)


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< 俺を見ていたのですか >


良いタイミングで入るメール。

偶然なのか?
見透かされているのか?

あの子はいつも、
こんな時に限って連絡を寄越す。

そして的確に俺を射る。






誰かに落ちれば、
少なくともその時だけは楽になれる。

誰かに甘えれば、
少なくとも活力だけは取り戻せる。

落ちたくない。
甘えたくない。


さっきまで葛藤を繰り返して、
意地と理性と性欲と征服欲とで混乱していた自分が、
何時の間にか落ち着いている。





「弱った人を落とすのはできません」
「食われたい時は普通の状態でよろしくね」





容赦なく厳しい言葉は、
あの子なりの激励。

さすがに人生経験が豊富な人だ。

欲していた答えが返る。
あれほど感じていた飢えや渇きが、
瞬時に癒される。




悔しい。


2002年05月18日(土)


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< 心の隙間を守れるか >


女は気紛れなんだ。
女は気分屋なんだ。



時には甘えん坊で、
時にはイバラの棘で、
時には聖母で、
時には一人で弾んで、
時には一人で沈んで、
時にはどこかに消えて行く。

俺の支えが必要で、
今にも倒れそうな時もあれば、
俺の言葉など迷惑で、
自由奔放に動き回る時もある。



貴女が俺の側から離れても、

 「いつもの事だ」
 「そのうち戻ってくるさ」

そう笑顔で待っていれば良いだけ・・・
それが自然で当然なんだ。






どうすれば良い?

今は貴女が離れているのに、
俺は支えが欲しい。



俺は耐えられるか?
俺は貴女の帰りを待てるのか?


2002年05月17日(金)


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< 二人きりは寂しくないですか >


お互いの過去。
お互いの現在。

自分の知らない相手の時間を、
その場にいない自分も共有できる物。

 「写真」

よほど言えない秘密の時間でない限り、
自然に見せ合う物。

二人を繋ぐ貴重な物。



こんな簡単な事なのに。

いや。
簡単な事だからこそか。

お互いが特殊な関係にある事を痛感する。






写真の交換なんて、
俺と貴女の間では自然な行為。

けれど貴女の大切な友人にとっては、
決して許せない背信行為。

貴女の友人の怒りは当然だ。

自分の知らない男が自分の写真を持っていれば、
不安感・不信感で堪らないはずだ。





秘密の尻尾の先を漏らしてしまった後、
浮かんでくる感情に押し潰されそうになる。

貴女へのお詫び・・・

自分の軽率さ・・・

そして俺と貴女の関係は、
他人には秘密の時間でしか存在し得ない事に。





貴女の友人でも、
俺の友人でも、
見せてあげる事ができない。

お互いの友人と一緒に過ごす時間は、
永遠に許されない。



二人が恋人として過ごす時、
世界には二人だけしか居ないんだ。


2002年05月16日(木)


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< イイ女になってくれますか >


アイツの姿が見えなくなって、
どのくらい経ったのだろう?

問いかけに答えないアイツに対して、
なんでこんなに不安になるのだろう?

もっと離れて欲しいなら、
姿を消して欲しいのなら、
そうしたって構わない。




俺はアイツにに何を残せたか?
良い影響をたくさん与えられたか?

当時見えなかった物を、
俺の指摘で気が付いたなら・・・

自分の欠点を素直に受け入れて、
大きく変わってくれるなら・・・



嫉妬しても良い。
勿体ないと思わせて欲しい。

何時か再会した時に、
もっと素敵な女性になっていてくれ。


2002年05月14日(火)


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< 想いの先は届いていましたか >


貴女の残した桃色の証拠は、
既に薄く消えている。

けれども、
俺が貴女に残した証拠は、
まだ貴女の身体の中に隠してある。





貴女の中に残して来た時限爆弾を、
言葉一つで起動する。


 「奥まで入ってた?」


逢瀬を想い出して、
勝手に官能の世界へ向かう貴女。





想い出せ・・・

俺の感触を想い出せ・・・



そう簡単に消されてしまわない様に、
貴女の奥底に残して来た感触だ。


そう簡単に消えてたまるか。
そう簡単に忘れられてたまるか。


2002年05月10日(金)


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< 想いを込めて付けましたか >


気がつくと首筋に吸い付いて、
縄張りを主張する貴女。

迷惑そうな言葉を返しつつも、
その心地良い痛みに身体を任せる。



 貴女に付ける事は出来ない「痕」

 貴女に記す事が叶わない「跡」



たった一時の事だけれど。
すぐに消えてしまう物だけれど。

俺の女だと言う印を、
少しでも長くその肌に宿して欲しい。


逢瀬はもっと刹那なのだから。


2002年05月07日(火)


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< 俺の方が大事だと言えますか >


いつもと雰囲気の違う声。
ワクワクしてどうしようもない声。
喜びを抑え切れない声。

ついさっきまで、
貴女の声は弾んでいて、
貴女は俺の愛しい人だった。


けれども一瞬にして、
現実が目の前に迫って来る。

貴女は母親。





 「子供の熱が下がらないの・・・」




明日になれば、
朝が来れば、
熱は絶対下がる。

きっといつもの様に、
元気に玄関を飛び出して行く。

そう強く願いながら、
物分かりの良い返事を返す。


 「絶対に無理はしちゃ駄目だ。」
 「ゆっくり看病してあげな。」
 「迎えに来られなくても良い。」
 「何処にでも行くよ。」






俺はそんなに大人じゃない。

貴女が嬉しさを全身で魅せるから、
子供が嫉妬して熱を出すんだ。

何とかして出て来い。

与えられた俺との時間が、
僅かで貴重な時間だと想わないのか?






俺がどう考えようと、
俺がどう想おうと、
そんな事は関係無い。

貴女に逢う為の解答は唯一であり、
他の方法はありえないのだから。




 「時間が遅くなっても良い?」



貴女の言葉は嬉しいけれど、
どうしようもなく憎い。


2002年05月06日(月)


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2001年05月06日(日) そんな束縛を通す気なのか





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