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2003年07月31日(木)
ゆとり

蒸し暑い空気は液体のような密度を持ち、
呼吸はしだいに苦しくなっていく。
暑い夏の始まりらしい。

昨日は仕事を休んだ。休める日だったからだ。
ごろごろと一日を過ごして眠りにつく。
生産性がなくとも、それでいい。

全体的にのんびりとした空気が仕事場にただよっている。
これがゆとり、というやつだろうか?
しばらくぶりにそんなことを思った。

無駄と思っていたことが、実は大事なことなんだなと
不意に割り込んできた思考は、本当に僕のものか?

まだ踏み込めない。



2003年07月28日(月)
締切が終わると

退屈は精神をじわじわと浸食していく毒。
忙殺は精神を直接破壊していく暴力。

忙しさが一転して退屈に変わる日。
締切(正確には入稿)が終わると、呆としてしまう。
そしてまた、じわりと憂鬱が鎌首をもたげ始める。

この時期が一番危険。
振り返ってしまうのは、いけない。
いまはまだ、先に進めるはずだ。

今月は、ほとんどレキソタンを飲まずに済んでいる。
つまり、耐えられないほどの負荷はかかっていない。
現状は、以前よりも悪くはなっていないのだ。

受け入れることへの抵抗と、不安とがあることを認める。
相反する二つの衝動が同時に存在するから、不安定になる。
だけど、それが私の本質なのだろうから、一つになんてなりようがない。

いや、違うな。
根元は一つ。そこから生まれる表現形が正反対を向いているだけだな。



2003年07月25日(金)
何を望む?

梅雨の終わりに向けて、蒸し暑さが自己主張を始める。
気が付けば7月も終わりに近い。
この一月、私はどれだけ自分の時間を過ごしただろう?

満員電車の汗の臭い。
子供の嬌声。
寡黙に揺られていく人の群れ。
そうして人生の大半の時間が過ぎていく。

昨日と今日にさしたる違いはなく。
同じように一日という時間を消費していく。
消しゴムがだんだん小さくなるように、
私の存在許容範囲が少しずつ刈り取られていく。

「存在する」ことの代償が、日々削られていく寿命なのか。

崩れていく自分をつなぎとめる。
手のひらからこぼれていく現実を、必死に拾い集める。
もうこれ以上、自分でいることができなくなっても、
残った欠片が機能してくれるだろう。

目を閉じて水底に沈むように、意識を沈めていく。



2003年07月23日(水)
調子、少し上向き

梅雨明け前の曇天を仰いで、湿り気を帯びた空気を肺に取り込む。
この時期にしては涼しい毎日。
すっきりと晴れ上がった空を見られないのは少々残念だけれど、
暑さに弱い身としては、感謝すべき天候だ。

寝付きが悪く、早朝に目覚めてしまうという状態は変わらないけど、
気分的な落ち込みはずいぶん軽くなった。
予想を裏切って、3連休を休めたことも大きい。

まだまだ、本調子ではないけれど、いい傾向だ。



2003年07月08日(火)
心が動かない

先週の木曜日は仕事を休んだ。
家で寝ている自分も、外で働いている自分も、
どちらも現実感がわかないまま。
その日は倒れているほうを選んだ。

金曜日は仕事に戻った。
いいかげんタイムリミットだった。
自分に動けと言い聞かせて家を出る。
そうすれば後は勝手に身体が動いてくれる。

ここのところ調子は6割程度というところか。
落ちきった木曜日が2割程度だったと思う。

金曜日は友人から誘われて飲みに行った。
けれど度を過ぎないようにしていたら、
あまり飲んだ気がしなかった。
楽しい気分をとどめてしまうのは損だと、後で感じた。

土曜日の夜は眠れなかった。
わけもわからずに暴力的な、自暴自棄な気分が襲ってきた。
大声で叫びたくなり、刃物を手に取りたくなる自分をこらえて、
レキソタンを3錠飲み込み眠りについた。

日曜日は半日以上、眠っていた。
最近の眠りはいつも不意にやってくる。

月曜日に仕事で東北へ行った。
いつもなら外を眺めて心を馳せるのに、
木々を見ても、青々とした田んぼを見ても、
単に過ぎ去る映像のようにしか見えなかった。

この現実感の薄さは何なのだろう。
一日の始まりと終わりに感じる「動かない日常」の感覚。
何にも期待しておらず、変わらないことに失望する毎日。
そして変わらないことに安堵する皮肉。

心を動かしてしまうと、歯止めがきかなくなりそうで怖い。
自分の心にフタをして、外からようやく守れるようになったのに。



2003年07月02日(水)
この先にあるものは何か教えて欲しい

「もし魔法が使えたら、どうしますか?」と先生は言った。
「時間を止めてしまうか、自分を消してしまいます」と僕は答えた。

昨日の診療のことは、それくらいしか思い出せない。
そのときの先生の表情や、ペンを走らせる姿は思い出せるのに、
何を話したかは、もうおぼろげになってしまっている。

不安や罪悪感がないまぜになり、レキソタンを飲み込む。
そしてがくりと眠りについてしまう。
今日は何にもできなかった。

上司と少し相談をした。
話を聞いてもらえるのは、助かる。
けれどうまく伝えられないのがもどかしい。
とりあえず、今月を乗り切ってから、身の振り方を相談しようと思う。

自分の存在を希薄に感じる。
気を抜けば、指先からくずれて消えてしまいそう。
希死願望は古傷のように、折りにつけ痛み出す。
もう何もかもがイヤになってきた。