ナナとワタシ
INDEX|前へ|次へ
| 2011年07月29日(金) |
円形ベッドという建前 |
先日、またナナが「パソコン作業手伝ってー」と我が家にやってまいりまして。
たいした作業ではなかったので、割とすぐに終わりましてね。 作業が終わるまでは、お互い「何か不機嫌?」と思うような態度でおったんですが(なぜなのかしら)、終わってからはだんだん普通に話すようになりまして。 ナナが 「そうだ。こないだ話してたアパート、一緒にネットで見てみない?」と。
そりゃ楽しそうだね、ってことで一緒にヤンヤンと物件検索いたしまして。 なんだか、世の中不景気なせいなんでしょうかね、安い物件がたっくさん。 一年くらい前は、3万円の物件を見つけるのも大変だったんですが、このとき見てみたら2万円台とかザラなんですよ奥様! 不動産業界の人に聞いたところでは、今ってアパートの部屋が空いちゃってしかたないらしいので、空けとくくらいならたとえ破格値でも埋めちゃった方がいいや、って感じなんでしょうかねえ。
まあとにかく。 ナナはけっこうノリノリで見てましてね。 ホントに借りたいらしい。 ワタシも一緒で良いらしい。 てか、「一緒」を前提に見ているらしい。 ワタシも「一緒にアジトを借りられたら楽しいだろうなー」なんてことは思うんですが、現実的ないろんなことを考えると、どうも 「じゃあ借りちゃうことにしようか!」 と言い切れない、煮え切らない自分がいるのは、前回のナナワタに書いたとおりでございまして。
それに、やっぱり安すぎないかぁ?と。 だって1万5千円とか、普通貸します? ネットで見てみたら、オンボロボンボンボン、てわけでは全然ないんですよ。 築年数はそれなりに経ってますが、フツーに小綺麗なアパート。中もきれい。 キッチンのシンクが少々古くさい雰囲気なのは否めませんでしたが、部屋は7.5畳とかあって、アパートの場所もいいんです。 日当たりも問題なさそう。 しかも、3階の良い位置。 リフォーム済み。
こうなってくると、「安いのには何か特別な理由があるのではないか」とね。 2ちゃんのオカルト板で怖い話を読むのが大好きなじょりぃとしては思わずにいられないわけですよ。 リフォーム済み、ってのが、かえって引っかかるわけですよ。 てことで、ついナナに言ってしまったわけですよ。
「リフォームしたのには理由があるのかもしれない。そしてそれがそのまま、この安さの理由なのではなかろうか」とな。
「えー! なにそれ。どういう理由?」 「殺人事件があったとかさ」 「根拠は?」 「こに現れているデータだ。それに、このアパートがある方で、痴情のもつれによる男女の殺傷事件が最近あったって、信用金庫の人が言っていた記憶があるぞ」 「そんなニュースあったかぁ?」 「ガセかしら(°▽°)」 「・・・事件はなくても、もしかしてオバケは出たりするんだろうか・・・」 「へ? 何、オバケ怖いの?」 「怖いよー」 「m9( ^ ∀ ^ )げらげらげらげら」 「なんだよー。怖くないの?」 「いないだろそんなもん(笑)」
まあ、ワタシもたまに「怖いー」って思うことはありますが。 イヤな感じですとかね。 そういうものに遭遇すると「怖いー」って感じますけど、オバケとか幽霊とかですね、いないだろっていうか
いないでほしい・・・(・_・)
「ワタシが怖いのはさ、オバケとか幽霊よりも、オカシナ人間の方だなあ」とワタシ。 「それも怖いよね」 「ほら、このアパートの外観の、ここんとこ、よく見てみなよ。この木の陰とかにさ」 「うん」 「白いワンピースを着た髪の長い、目を大きく見開いて笑ってる女、とか立ってたら、すげえ怖い」 「ちょっとやめてよーーー」 「あるいは、屈強なラガーマンのような体格の、性欲に満ちあふれた男が立っていても怖い」 「それも怖いね」 「このアパートはだからダメだ」 「なんで」 「なんか、そういう人が隠れやすそうな死角が、暗闇が、たくさんありそうじゃないか」 「・・・そお?」 「ワタシにはわかる」 「あなた隠れて立ってる側の人だもんね」
実際そういうことをしたことはないんですが、もうすっかりナナの中ではそういうキャラになっているじょりぃ。
それからしばらく、「怖いもの」の話をたんまりとしまして。ワタシが。一方的に。
「でもやっぱ、あたしとしてはオバケがいちばん怖いかも」とナナ。 「だから、あなたを怖がらせるようなオバケなんてこの世にいないって(笑)」 「だって怖いんだもーん」
そういえばホラー映画も嫌いって言ってたねあなた。
「でもさー、そんなでさー。 今さっきだって、ちょっと『みしっ』とか音がしただけでビビってたようなあなたでさー」とワタシ。 「うん」 「ひとりでこの部屋にいられるの?」
まーたですね、「あたしがいるときはじょりぃは来なくていいよ」とか、かわいげのないことを言いやがったもんですからね、ナナ。 安すぎて曰くのありそうなこの部屋に、おまえひとりでいられるのかよベイビー、とまあ、このようにおたずね申し上げてみたわけですよ。
「いられないかも。てか、もう無理」
脅しすぎたかしらワタシ。
「だろー? なんか『カタ』とか音がするたびに、『今なんか音がした!』とかさ、電話してくるんだろきっと」 ワタシも意地が悪い。 「するね(笑) すぐ来て!って言うと思う(笑)」 「『あたし今からあの部屋行くから、じょりぃ先に部屋に来ててよ』とかね」 「なら最初から部屋借りずにじょりぃんちに来いよ、って話だよね(笑)」 「デスネ」 「やっぱあたし無理だわ、ひとり暮らし」 「なんだよー。このアパートあきらめちゃうのぉ?」 <さんざん怖がらせる方向に煽っておいて、これ 「だって無理だもん。怖くなっちゃったから。それに勉強も今までより大変じゃなくなるしな、考えてみたら」 「つまんないの。 じゃあでも、また気が向くかもだから、そしたら一緒に考えよ? 楽しいしこういうの」 「そだね」
残念な気持ち半分。 ホッとした気持ち半分。 矛盾と書いてじょりぃと読む、としても良いような気持ちであります。
「あ、じゃあさ。アパートはもういいや」とナナ。 「うん?」 「ラブホ探そう。検索して」 「え?」 「ラブホ。行きたいんでしょ? 行かないの?」 とナナ。 「あ。 行きます。行きたいです」
イキたいんでしょ? イキたいです だと一気に淫靡な感じに。 とかアホなことを考えながら、ラブホ検索を始める素直なじょりぃ。
てか、「勉強手伝ったお礼なら、一緒にラブホに行ってほしい」ってワタシが言ったの、覚えていてくれてたのかー。 うれしいな。うれしいな。 覚えててくれて、ホントに行こうとしてくれてるだけでうれしいな。
今って、ホテルに行かなくても、ネットでどんな部屋があるのか見られて良いですね。
で、お部屋を見ながら、あーじゃないこーじゃない盛り上がりましてね。 ワタシの希望としては「すっごくラブホラブホしたところ。いっそ下品でも良い」てな感じだったんですが(せっかく行くんですからコッテコテにラブホテルっぽいところに行ってみたかったんです)、ナナの検索基準は
「勉強できるような机と椅子があるところ」 なにそれ。
「なによそれー(´д`) ラブホに勉強持ち込むなよ」 「だってさー、夢のアパート勉強部屋計画が頓挫したからさー、 なら、どうしても泊まり込みで勉強したいようなときに行けるラブホを、この際開拓しておくといいかなって」 「( ´_ゝ`)べんきょうすきだね。てか、ラブホってひとりじゃ泊まれないんじゃない?」 「大丈夫じゃない?」 「入室クリアしてもさ、ラブホもオバケ出るよ?」 「げ。 無理だ」 なんなのこの弱虫。
で、人気のあるホテルって、お部屋がこう、普通のホテルっぽいというか、あまりラブホラブホしてないところが多いんですよね。 なにしろ今って、ラブホとか言わずにファッションホテルとかレジャーホテルとか言うらしいじゃないですか。気取りやがってよう。 まあわかる気もしますけど。 ワタシも今までラブホに行きたくなかった理由のひとつとして、「セックスを目的として、いかにもなところで、もにょもにょいたす」というのが恥ずかしい、ということがありましたし。 ワタシ以外のみなさまも、こう、さりげなくなにげなく日常の中でもにょもにょしたいんでありましょう。知らんけど。
中にはほとんど「自分ち」みたいなのもありましてね。 わざわざ「彼の部屋」とか「彼女の部屋」みたいなカジュアルでナチュラルな雰囲気をつくっているらしいです。
「ワタシ、こーゆーのは今回パスね。せっかく行くんだしさー」 「あたしもこれじゃつまんないなー。・・・あ、ここすごそうじゃん。○○の部屋ってホテル」 「メルヘンぽいね! 見てみるか」
超メルヘンでした。 白とピンクとレースとフリルと天蓋の、お姫様仕様のお部屋ばかり、ずらーっと。 フリル酔いするかと思いました。
「すげーーー(笑)」とナナ。 「やはりこういうところでいたしたい女子もいるのだろうねえ」 「そりゃいるでしょうね」 「でもさー、ワタシが男だったら、ここでするの、いやあよ?」 「なんで?」 「なんか、我に返るとバカみたいじゃん。たぶん、勃たない」 「まあでも普通の男子は、ヤれればレースとフリルの中であろうと勃つと思うよ」 「それにさー、こんなフリフリの清純お姫様ーみたいなところで、行われることは生々しい体液交換なわけだ」 「・・・」 「あ、でもそれはそれでそそられるかも。ミスマッチ加減が逆にいいかもナ」 「・・・」
ナナ、この件に関してはだんだんどうでもよくなってきたようです。
そんなこんなで、いろいろ見てみたものの、なかなか「ここ!」というところが見つからなくてですね。 一カ所、クチコミ評価が高かったものの「ナナんちから近い」という理由でスルーしていた物件があったので、そこも見てみることにいたしましたら。
ここがよかった。
「ワタシここ気に入った!なんかワクワクする!」
決してエロエロしくてワクワクしたわけではないんですけども。 具体的にどんなところが気に入ったかを話したくてしょーがないんですが、それを書くと地元の人には「あ、あそこか」ってわかっちゃいそうなので書けなくてくやちい。 地元云々を抜きにしても、たぶん、ワタシがワクワクした要因やらナナが気に入った要因やらを検索ワードにぶちこめば、このホテルがきっちり出てきちゃうと思います。 と思って今やってみたら、いちばん上に挙がってきました。こりゃやっぱ詳しく書けない。ああ残念。 こんなにワクワクしてるのになワタシ!(ひとりでやってろと)
「あー、ここってあそこなのか。あたし、このホテルの前を通るたびに気になってたんだ。あたしもここがいいな」とナナ。
まずは外観が気に入って、ふたりして「ここがいいね」となって、お部屋やサービスをチェックすることにしたんですけど。 部屋が残念なことに、ワタシが期待しているようなエロエロラブラブした感じではなく、シックでオシャレな感じ。 ナナは「いいじゃん」と。 まあ確かに、ホントにこう、好きな人と始めてエッチしに行くならすごく良い雰囲気だと思うんですよ。 ちょっと良い感じのシティホテル、って感じですし。品良くオシャレだし。生々しくないし。 でもほらー。ワタシたち、たぶん、おそらく、てか絶対エッチしないし。 だからワタシとしては、人生における貴重な資料のひとつとして、「すっげえラブホっぽい!」と叫べるようなお部屋がいいんですがー。
しかし、ホント、その他の条件もここ、良くてですね。 エステとかもあるんですよ。そのほか、女子が喜びそうな、エロとは関係ないサービスがてんこ盛り。 てことで
「ここなら女ふたりで入っても、あんま不自然じゃないね」とワタシ。 「うん。女友だち同士とかでも普通に来そう」とナナ。
ということはまったくエロエロしくない、ということになってしまうわけですが、それだけに女ふたりでも入りやすそうで、ワタシたちには都合が良い、と。 とりあえず、ナナはすごく乗り気。
「部屋はどれがいい?」とワタシ。 「んー・・・正直どれも似たような感じだから、どこでもいいかなぁ」 「ならさ、ワタシはこの部屋がいい」 「なんでこれ?」 「この部屋だけ、ベッドが円形なんだ(・∀・)」
唯一、なんか、ラブホっぽい。回転してくれればもっと良いんですが、回っちゃーくれないみたいで残念。
「なに? 丸いベッドがいいの?(笑)」 「うん。丸いベッドで寝たことないから」
そう。ワタシは丸いベッドで寝たことがない。だから寝てみたい。 しかし。
その部屋を選んだ真の目的は、実はベッドの形ではなかったんです。
だって。
そのホテル、どーゆーわけか、ツインベッドの部屋が多いんですよ! やっぱりプラスαのサービス目的で来る女×女客が多いのかしら。 ナナが言うには「誰かさんみたいに、エッチするときは一緒のベッドでも、寝るときは別のベッドでぐっすり寝たい、って人が多いんじゃないの?」てことでしたが。 誰かさんとはワタシのことなんですけどね。
まあ、そりゃわかるんだけれども。いつものワタシならば。 しかし
たとえ数時間とはいえ。 たとえエッチの可能性がゼロとはいえ。 せっかくラブホに、ナナと行くんだから。
形だけでも、こう、一緒のベッドに寝たいんですよおおぉぉぉぉぉぉぉぉ(魂の叫び)
ということを強く思いつつも、その強い思いはナナには悟られたくないワタシなんですよ。 もうね、このラブホ検索中もですね、 「別に相手があなたでなくても、誰が一緒でもいいんだけどね、ただ一回行ってみたいだけ」的発言を頻発している、まったくもってかわいげのないじょりぃなんですよ。 なまじそんな、「特にキミと行きたいわけじゃないもんね」的態度を取ってしまったがために、 おまけに本当は「一緒に寝たい一緒に寝たい一緒に寝たい」という欲望が、リピートしちゃうくらい強いだけに、 今さら「どうせ行くならツインじゃヤだ。DVD見るにしても一緒のベッドで見たい」って言えなくなってしまったんですな!ワタシはアホか!
なもんで、円形ベッド作戦。 このベッドはですね、お部屋にひとつしかなかったんです。ツインじゃなかったんです。 他にも、普通の四角いベッドがひとつ、って部屋もあったんですが、それだと「じょりぃ、あたしと一緒に寝たいってことか?」って勘ぐられちゃうかもで、ワタシあわあわしなきゃならないじゃないですか。 そこで円形ベッド。 丸いベッドで寝たいだけ。それだけ。一緒に寝たいわけじゃないもんね。せっかくだから、丸ってだけ。という主張。
「寝ちゃえば丸でも四角でも同じだと思うけどー?」とナナ。 「寝てみなきゃわかんないしさ。すごいワクワクしちゃうかもじゃん」 「まあじゃあいいよ、その部屋で。あ、マッサージチェアもあるし!うん、この部屋にしよう!」
ありがとう、マッサージチェア(*´∀`*)
・・・ナナ、ずっとマッサージチェアから降りてこなかったりして・・・。 そしたらいいや。ワタシひとりで、円形ベッドの上で相撲でもとってます。まさにひとり相撲。
さて、仕上げのお願いをしなければ。
「キスくらいはしてもいいんでしょ?」 とワタシ。
が言えるはずはなく。
「ここって、フロントを通らなければならないシステムだよね?」とワタシ。 「そうだね」 「フロントでのやりとり、あなたに担当してほしいんだけど」<ふがいない 「えーーー(´д`)」 「ワタシ無理」 「あたしだって、地元だよ? フロントのおばさんが知り合いとかだったらどうしてくれる」 「ワタシ、たぶん、緊張していつも以上に挙動不審な行動をとると思うよ。それでもいいの?」
自分の挙動不審さをタテにナナを強迫するのもいかがなものかとは思いますが。
「それはとても困る」とナナ。
素直に困るほど、ワタシ挙動不審なのかよ。
結局、フロントをどうするかで、話し合いはフェードアウトいたしました。 フロントに知り合いがいなくても、来てるお客さんの中に知り合いがいたらどうしよう、とかな話になりましてね。 これ、ホントに行けるのかしら、ワタシたち。
意気地なしじょりぃは、いざナナとラブホに行くことが実現しそうになってきた途端、実は及び腰になっておりましてね。 ナナは一緒に行く姿勢を見せてくれたことだし、ラブホ検索のおしゃべりが楽しくて満足したこともあって、別にもう行かなくてもいいかな、って気持ちになってきてたりして。
行ったところで、DVD見て帰ってくるだけですしね( ´_ゝ`)ふ
でも、あそこ、楽しそうなんですよねー。 やっぱり行けたら行きたいかなぁ。 どうなのかなぁ。 ワタシに『木陰に隠れて立っているラガーマンのような性欲』があれば、余計なことを考えずに押し倒す勢いで行けるのになぁ。 性欲が薄い上に品行方正なじょりぃで、残念でたまりません、いやもうホント。
| 2011年07月22日(金) |
煮え切らないキリギリス |
ナナとよく連絡を取り合ったり会ったり遊んだりしていた頃。 つまり、ナナが子どものことでよく煮詰まっていた頃。
ナナはたまに言ったものでした。 「どっかにアパート借りて、あたしだけの空間がほしい」と。
当時はまだ、今より少しは羽振りのよかったじょりぃは
「じゃあワタシが借りてあげよう。その代わり、ワタシにもカギをちょうだいね」
なんつって浮かれていたものでした。 懐かしい。
そして現在。 ナナが准看護師としての仕事と正看護師になるための勉強のために大忙しとなった現在。
ナナもそんなこともめっきり言わなくなり。
と思ったら、最近また「部屋がほしいー。勉強部屋」とか、たまに言うようになりまして。
しかし、不況の煽りをくらって、今ではめっきり貧乏になってしまったじょりぃは、そういう言葉を聞いても
「だねー(´∀`)」
くらいしか言えなくなり。
つまり、「自分だけのアパートって借りたいよね」的な部分では同意しても、以前のように「ならそこをふたりの共有空間にしようよ」めいた返事はしなくなったのであります。 なぜ自分でお金を出せなくなるとそういう態度になるのかは、たぶんワタシの何かが間違えているんだろうと思うんですが。 でもまあ、いずれにせよ、ふたりとも家があって家族があるのに、秘密のアパート借りるなんてちょっと常識はずれだし、そんな余分なお金ないしね、ってことで、現実的になっちゃったってことなんだと思います。 夢と桃色だけ食べていたあの頃のじょりぃより、大人になってしまったのでありましょう。(遠い目)
そんな折。 ちょいとしばらくぶりにナナからメールが。
久しぶり。
○○市の××町に、1.5万円のアパートがあるよ。 △△町には2.5万円のもあるよ。
借りたいね。
また課題手伝ってー、なメールを予想していたじょりぃには、ずいぶん唐突な内容でありました。 借りたいね って、そりゃ借りたいけどさ。 なんてったって、目玉が飛び出るほど安いですし。 しかしそれを考えるとかえって借りたくなくなるような気もしますが。 屋根、あるのかな。とかね、考えちゃいます。
なんてことはさておき。
これ、ワタシと一緒に借りたい、ってことなのかな・・・
だけどここのところ、そんな話はまったくしてませんでしたし。 「安いから借りたーい。ね、こんだけ安ければ、じょりぃも借りてみたいと思わない?」という意味だろう、と判断。 要は「自分だけのアパートって借りたいよね、これなら安いし」というだけであって、「そこをふたりの共有空間にしようよ」という意味はない、と。
とりあえず
安っ。 借りたいねー。
トイレあんのかな?(笑)
あっさりと返信。
もうね、ナナにサービスめいて言葉を多くすることはやめたワタシなんでございますよ。 そういうの喜んでもらえないですし。 てか逆に「ふっ」みたいな態度とりますし。 ここひと月ほどのメールのやりとりって、ワタシの返信がナナのメールより文字が多くなったことは一度としてありません。 というくらい、この点については既に心が冷え冷えとしているじょりぃ。 まあ、案外ナナにはそのほうが好評だったりするかもしれませんが、それならあちらもワタシも万々歳です。ふん。
それから2日後。
台風マーゴンたんが近づいてきている、ということで、ナナのこともなんとなく心配になり、運転とか気をつけーや、と言いたくて電話をしてみることにしたじょりぃ。 や、正直に本当のところを言えば、「借りたいね」はどんな意味だったのかな、なんてことも気になっていたのでした。 話のついでに、そのあたりも聞けたらいいなーなんて。
しかしまあ、その電話のぎこちないことったら。ふたりとも。 会話がうまくかみ合わないんです。 黙るところと、何か話さなきゃって感じで話し出すところが常にシンクロしてしまうんですよね。 こういう経験、どなたにもあるかと思うんですが、会話のリズムが非常に悪くてどうしよう、って感じになりませぬか。 とりあえずワタシは、かけたはいいものの、早々に電話を切りたくなりました。 ワタシからかけるナナとの電話って、いつになっても上手にできるようになりません。はうー。
しかし何度目かの「黙りの間」のあと、ワタシは思いきってアパートの話を切りだしてみることにいたしまして。
「あのアパート、どこで見つけたの? 安かったね」と。 「安いでしょー(笑) 『ご自由にどうぞ』の住宅情報誌で見つけたんだよ」 「へー。 間取りとかも載ってた?」 「うん。載ってた」 「トイレ、ちゃんとあるの?(笑)」 「あるよ(笑) お風呂もキッチンもちゃんとあるよ」 「ひと間とか?」 「そうそう。あの値段だし、当然ひと間」
ひと間かー。 てことは、なおさら「一緒に借りようよ」のセンは薄いよなぁ。
と思いつつも、話を振ってみることに。
「借りたいよね」と。 「うん。借りたいよねー」 「ふたりで家賃を折半にすれば、すごく安く借りられるね」 「うん、ね」
こ、これは!
脈アリ・・・なのかしら・・・。
も、もう一押ししてみようそうしよう。
「でもさ、うちからは割と近いけど、あなたんちからは遠いんじゃない?」
ふたりで借りるには、中間地点とは呼びづらいよね、とカマをかけてみることに。
「そんなことないよ。あたしんちのが近いんじゃない?」とナナ。 「そうかぁ?」 「ちょっとちょっと。土地勘ちゃんとしてくださいよー(笑)」
こ、これは! 脈アリなのかな!
でも、これでは別に「だから一緒にひとつの部屋を借りるってことだよね」という決め手にはならないよね。 ということに気づいたじょりぃ。 お互いに、自分が、あるいは相手が借りることを想定して、それぞれの家からの距離をあーだこーだ言ってるだけ、とも取れます。
結局ナナがどうしたいのかはよくわかんないなー、なんて思いながら、せっかくなのでこの話題をもう少し続けてみることに。
「確かに安いけどさ。これ、駐車場代は含まれてないよね?」とな。 「あー、別でしょうね。 でももしかしたら、1台分は含まれてるかもよ?」 「あー。ありがちだね」 このへんの田舎では、たまにそういう物件もあるのです。 「だとしたらさ、2台目の分だけで済むでしょ、余分にかかるの」とナナ。
2台目の分!
ということは!
こりゃ、「一緒に部屋を借りたいね」ってことですよね!
まさか、ナナがひとりで2台分駐車場を確保しようって話じゃないでしょうし。
と、自信をつけながらも、「じゃあワタシと一緒に部屋を借りたいということ?」と、具体的に確認することはできませんでした。 なぜなら。
ホントにそうだったらどうしよう。 ホントにそうなっちゃったらどうしよう。
って思ったからです。
だって、そんなのもし、きょんにバレてしまったら。 とか。 それ抜きにしても、なんか
怖い。 し、 困る。
いったい何が怖いのかじょりぃよ。 困るのはなんかまあ、ちょっとわかる気がしますけど。<まるで他人事
ナナに関しては、ワタシ、いつもこのへん・・・「なんかの一歩手前」くらいをうろうろしているのが落ち着くようなんであります。 なんだかずるい。それはわかっているんですが。
まあ、ナナにしてみたら「気のおけない友人と隠れ家をシェアしたい」くらいの軽い気持ちなだけかもしれないんですけれども。 そして、もしそうならばワタシもこの企画にもっと前向きになれるんですけれども。
そうでなかったらどうしよう。
と思うと、この楽しい「隠れ家アパートシェア計画」も、なんとなくフェードアウトしながら電話を切ってしまうのでありました。
やはりどうも、ナナに対するワタシの「好き好き好きーーー」は、相当身勝手な感情であるように思えてまいりました。 ナナはたぶん、ずいぶん前からそれを知っているんだろうなぁ。 そしてそれは、ナナにもけっこう、都合の良いものなのかもしれません。 と、またもや身勝手な理屈でもって、そうだそうだと自分を納得させて、のびのび楽しく人生を謳歌する、煮え切らないキリギリス・じょりぃなのであります。
キリギリンー キリギリンー <キリギリスの鳴き声のつもり
| 2011年07月17日(日) |
少女マンガのワンシーン |
書き貯めてあったナナワタメモから更新させていただきます。
前々回の記事の翌朝のことです。
寝ずに仕事へ直行することになったナナ。 お疲れさまでございますね。 まあ、ワタシもおつきあいして、寝てないわけですが。
これがですね、
「一緒に寝たから、いわゆるひとつのそういう結果、眠れてない」
という色っぽいソレだったら、朝焼けすらふたりのホルモンで桃色に染まりそうなモンですが、 現実は、単に徹夜で一緒に勉強して寝てないという、ふたりしてビン底メガネかけて必勝ハチマキしてるような、色気のないソレ。
まあ、どんなに色気のないソレであろうとも、寝不足というのは人間からバランス感覚を奪うものであります。 それを証明するかのごとく、玄関でよろめいて転びそうになるナナ。
危ない!Σ(゚Д゚;)
ナナは両手に荷物を持っていますから、この状態で転んだら、顔面を打ちます。 と、咄嗟にアドレナリン全開となったワタシの脳はフル回転でワタシの全身に指示を送りまして、 ワタシは右腕だけで、必死にナナを受けとめました。
重かった。 <ひとこと多い けど、なんとか支えて、転倒はまぬがれました。
で、ちょっとちょっと。 そのシーン想像してみてくださいよ。
なんかワタシ、カッコ良くね?(・∀・*)
ナナはワタシの方を向いて倒れそうになったので、ちょっとね、こう、抱き合ってるような、そんなソレ。 右腕だけでナナを支えてる格好なので、体の密着度的にはイマイチ物足りなかったんですが。 おまけにワタシはチビっこく、そして非力ですから、はたから見ればたぶんけったいな絵になっているはずです。 それでもね、なんかワタシ、カッコ良くね?(・∀・*)
「・・・ありがと」 と、ワタシの右腕に抱かれた状態のナナが恥ずかしそうに。
なんかワタシたち、少女マンガのワンシーンみたいじゃね?(・∀・*) もしかして、ナナも今、ドキドキしてたりしてね!
「大丈夫?」
バカだなー、気をつけろよベイビー、めいて言ってみるワタシ。 ナナ、恥ずかしがりながらも、頬を染めてワタシを見上げ
るはずもなく、続いた言葉は
「うん。 これで拭いちゃえ。へへへ」
何のことだ?(・.・)
ナナ、手に持っていたテキスト類を入れる布製のバッグで床を拭いてます。
何してんだ?(・.・)
「びっくりして、よだれたらしちゃった」 とナナ。
よだれ拭いてたのか! しかもバッグで!
てか、少女マンガはそこでよだれ、垂らさない。 なんかワタシまでカッコ悪くね?( ´_ゝ`)
少女マンガなら、この後、背景にキラキラとかほわほわを飛ばしながら「ちゅー」なのになぁ。
よだれがナナワタのリアルか( ´_ゝ`)
|