愛なき浜辺に新しい波が打ち寄せる
DiaryINDEX|past|will
中二の夏休み。七月末。若菜家と真田家で海水浴に行こうってなる。若菜母と真田母が仲良しなんで、たまに二家族でどっか行ったりする。といってもそれは、若菜が小さい頃の話で、小学校中学年以降は、ほとんど機会がなかった。なので、久々の家族ぐるみ。真田父は多忙なので欠席。若菜姉も欠席。 「私、受験生だし、そんな面白くなさそうなイベントに参加してる暇とかないし」 「姉ちゃんの志望校、G女(高校名。偏差値低い)だろ。勉強しなくても行けるじゃん」 「うるさい。お前もバカなくせに」 「家族が留守だからって男連れ込んだりすんなよ」 「もう、また、あんた達は! やめなさい!」 若菜と姉は、昔は、基本仲良くてたまにケンカ、くらいだったんだけど、小学校高学年くらいからは、基本仲悪い。 「かいすいよく、かずまといく? かずま、けいととあそぶ?」 弟の圭人(6歳)は、なんか知らんが真田大好き。 「そうよ、一馬君、来るよ。よかったね、圭人」 「やったー!」 「圭人よ、一馬は俺の友達だから」 「けいとだって、ともだちだよ!」 当日、海水浴場で現地集合。 「ごめーん! なかなか駐車場の空きが見つからなくて!」 若菜一家は、約束時間にちょっと遅れて到着。真田母子は、そういう事態を避けるため、早めに来ていたよ。 「かずまー!」 圭人が真田に向かって走っていく。 「圭人、おっきくなったな」 真田は圭人を抱き止め、そのまま持ち上げた。 「あはははは! もっとたかくして! ぐるぐるまわしてー!」 「重い!」 (よーやるわ…。それにしても暑いな…) 若菜は、既に暑さにげんなりしてた。 海水浴場は賑やかだったが、広いので、ごみごみしている感じではなかった。 圭人は真田にべったりで、水かけあって遊んだり、浮き輪に入った圭人と砂浜から離れたとこまで行ってみたり。若菜は、ちょっと海に入ったらもう飽きてしまって、海の家でのんびりしてたいんだけど、母に、「一馬君にばかり圭人をみさせちゃ駄目。一緒に遊んでて」と注意され、仕方なく付き合ってる。あ、そういや、若菜父は一人で釣りしに行ってるよ。 「おれ、およげるよ! みて!」 圭人は本人の希望でスイミングに通ってるんだけど、どんどん上達していってる。 「すごいな。将来は水泳選手か?」 「ううん、ケーキやさん!」 「そっか。圭人は、甘いものが好きだもんな」 「お前らがそんな話するから、ケーキ食いたくなってきた」 「けいともー」 「あ、チーズケーキ持ってきたよ。母さんが昨夜作ってた」 「おー、今から食おうぜ」 「けいとも!」 「いやいや、昼ごはんの後で。バーベキューするだろ」 圭人がちょっと疲れてきたと言うので、海の家に戻ると、圭人はごろんと横になって、そのまま寝てしまった。 「たくさん遊んで、疲れたのね」 真田母が、微笑ましげに、眠る圭人を見た。 「俺も寝たい」 「結人、ちょっと磯に行ってみないか? やどかりとか蟹とか捕まえて、圭人に見せてやろう」 「えー。めんどくせー」 「もう、結人! ごめんね、一馬君。ありがとう。でも、圭人の相手で疲れたでしょ? ゆっくりしてね」 「いや、全然。俺もちょっと、岩場に行ってみたいし」 「しゃーねー。俺も行くわ」 「二人とも、気をつけてね」 「結人ー、バケツ持っていったら? 蟹とか取るんでしょ?」 「へーへー」 母から、真っ黄色の小さなバケツを受け取る。圭人が砂遊びをすると思って、砂場セットを持ってきていたが、ずっと海で遊んでいて、出番がなかった。 先を行く一馬について、岩場に向かう。 (あちーなー…) 「バケツ、持とうか」 真田が、若菜の方に手を伸ばした。 (えっ、何。その気遣い。バケツ、空っぽだし、めっちゃ軽いけど) 「いや、いい」 岩場には、何組かの家族連れがいた。屈んで海の生き物を観察していたり、網で生き物を捕まえようとしていたり。なんだか静かで、ビーチの喧騒が、遠くに聞こえるようだ。 「気をつけろよ」 真田が、若菜の足元を見ながら言った。真田はマリンシューズを履いていたが、若菜はビーチサンダルだ。 「分かって、…うわっ!」 言った側から、うっかり足を滑らせて転びそうになった。咄嗟に真田が、若菜の腕を掴んで支える。 「お前、危ないな…。言った途端に、」 「お前が余計なことを言うからー、って、いや、すんません。ありがとうございました」 「どういたしまして」 真田は、さっと若菜の手からバケツを取り、もうしばらく進んでから、 「あ、いた」 何か見つけたのか、真田が屈み込んだ。若菜もしゃがむ。 「ほら、蟹。かわいい」 真田は、捕まえた蟹を若菜の目の前に差し出した。真田の親指と人差し指に挟まれた、緑がかった茶色い小さな蟹が、足をゆっくりと動かしている。若菜は、少したじろいでしまった。小さい頃は、蟹取りをしたし、面白いと思っていたが、今、改めて間近で見ると、なんとなくグロテスクに感じる。 「それは、かわいいのか?」 「かわいいよ」 真田はそっと、バケツに蟹を入れた。 「蟹、いっぱいいるな。ウミウシとか、いないかな」 真田が、潮だまりを覗き込む。 「ウミウシ? あの、カラフルなナメクジみたいなやつか? きもちわる…」 「気持ち悪い? 神秘的で、綺麗じゃん。圭人に見せてやりたいなあ」 「お前と圭人、やたら仲良いな」 普通に思ったことを言っただけなのに、声色が冷たくなってしまった。 「圭人が俺に懐いてるのが気に入らないのか?」 言いながら、真田は、バケツの中で右に左に動いている蟹を掴み、外に出した。 「そんなんじゃないけど。…蟹、逃がすのか?」 「バケツの中の蟹を見るより、自分で捕まえる方がずっと面白いよな。また後で、圭人と来よう。 圭人は、結人のことをよく話してるよ。自慢の兄ちゃんなんだよ。いいなあ」 「弟がほしいのか? ひとりっ子なのが、寂しい?」 「ううん、そうじゃなくて。俺は、圭人が羨ましいんだ。結人と兄弟なのって、いいよな。結人の姉ちゃんも羨ましい」 (えっ。何それ…) 「俺は、結人が好きなんだ」 (な…) 「かずまーーー!」 「ちょっと、圭人! 待ちなさい!」 圭人と若菜の母親が現れた。 「けいとをおいていくなんて、ずるいよ!」 「圭人、すぐ起きちゃって。二人で岩場に行ったって言ったら、自分も行くってきかないのよ」 「ずるいよ!」 「ごめんな」 「寝てたんだから、しゃーねーだろ」 それから皆で、磯遊び。真田が、何もなかったように振る舞っているので、若菜も、普通にしている。でも、頭の中はグルグルしていた。 (どうしよう…。好きって言われたけど…) 真田をちらりと見やる。圭人と一緒に、蟹を取ってはバケツに入れている。 「結人も捕まえれば? それとも、触れないのか? 蟹が怖い?」 「にいちゃん、こわいの? おれはぜんぜんこわくない」 「怖くない。なんか気持ち悪いだけ」 「気持ち悪いかな」 「きもちわるくないよ」 (男に好きって言われたら、気持ち悪いよな、普通。それが幼なじみだったりしたら、気持ち悪いって以上に、ショックだよな。でも、そういうのはない。気持ち悪いとかはない。ショックというのでもない) 「怖いんだろ、ほんとは」 「こわいんだ、にいちゃん!」 (それは…、) 「…そうかも。怖いのかも…」 圭人は、何だか得意げだった。兄が怖いものが自分は怖くないのが嬉しいのだろう。真田は、不思議そうに若菜を見ていた。若菜母は、少し離れたところで、三人を見守っている。 「あ、そうだ!」 「どうした、圭人」 「かずま、けいともすき?」 「え?」 「かずま、にいちゃんのことすきっていってた。けいとは? すき?」 (聞こえてたんかい) 若菜は微妙に動揺するが、真田は少しも動じた様子なく、 「もちろん。好きだよ」 「よかった! ありがとう! けいとも、かずますき!」 「ありがとう。嬉しいよ」 (何だそりゃ。お前らが両想いとか) その後、バーベキューして、また海で遊んで、夕方に解散。 若菜家、帰りの車の中で。 「にいちゃん、かずまにすきっていってないな」 「…えええ、何…」 (おいおい、圭人。父さんも母さんも聞いてるじゃねーか) 「かずま、にいちゃんがすきっていった。すきっていわれたら、すきをかえすんだよ。ありがとう、なんだよ。にいちゃん、かずまがきらいなの?」 「嫌いわけないじゃない」 若菜が答える前に、母が返した。 「好きに決まってるよ。一馬君と結人はね、幼稚園のときからの仲良しなんだよ」 「幼なじみはいいぞー、結人」 母がきっぱりと言った後、父がのんびりした声で続けた。 「おかあさん、おとうさん、うるさいよ。けいとは、にいちゃんとはなしてるんだよ」 「はいはい、ごめんなさいね」 「はっはっはっ」 「今度会ったら言っとくわ。好きって」 「ありがとう、もね」 「ん」 (そうだよな、好きったって、傍から聞いたら、普通は、友達として、ってことだって、思うよな。でも、そういうんじゃなかったし。話の流れ的には、俺と兄弟になりたい、ってことで、それってどういう好きなんだよ、って感じで。分からん。でも、あれ、告白だったんだよな。俺、後から確認したし…)
若菜は、帰りに、「お茶が無くなったから買っていく」と自販機に向かう真田に、「俺も行く。水飲みたい」と言って、ついていった。「ジュース!」と言いながら圭人もついてこようとしたが、「お昼にも飲んだから駄目。お茶あるよ」と母親に止められた。 「一馬、あれ、まじで?」 「うん」 「友達としてとか人としてとかでなく? 告白ということですか?」 「そうです。友達としても人としても好きだけど」 「そうか…」 その先が続かず、買った水を開けて、一口飲む。 「結人、俺は、」 「考えとく」 「…うん」 という、やりとりが、帰る前にあったんだ。
圭人は、いつの間にか眠ってしまっていた。 (考えとく、って、言ったものの、何を考えとくんだ…)
結局、この後、何を考えどう答えればいいのか分からないまま、時が経ってしまう。若菜は真田を避けがちになり、真田はそれについて何もつっこまないし、考えてくれたか、なんて聞いてくることもなかった。避けるといっても、学校が違うから、そんな不自然ではないんだ。ただ、今までたまに家を行き来し合ったりしてたんだけど、それがなくなった、っていう。
「けんちゃんてさ、小中時代は、クラスの中で目立たないっていうか、なめられてるっていうか、そういう存在だったと思うんだよな。高校や大学でもそうだったかも。だって、見た目地味で、気が弱そうで、鈍くさそうだし。でも、勉強とか就活とか頑張ってさ、いい会社入って、真面目に働いて、相手はうちの姉ちゃんごときだけど結婚の予定もあるし、立派な大人の男じゃん。俺は、けんちゃんと対照的なんだよな。学校で適当にやってるだけで、周りに人が集まってきて、なんかよく分からんけど俺って人気者? とか勘違いしてた。ちょろかったんだよ。そんなもんなんだよな。中身なんかなくても、要領さえよければ、うまくいってた。でもそんなの上辺だけじゃん。社会に出たら、通用しない。通用するも何も、それ以前の問題っていうか、とりあえず高校出たものの、社会には出たくないっていうか。そんなこんなで20歳ですよ。若いって、バイト先では言われるけど、それだけなんだよな。今んとこはまあ若い、って。それだけ」 『ふーん』 「あー、英士に話してすっきりした。俺の話なんか真剣に聞いてないもんな。気楽ー」 若菜は、郭に電話で話してる。若菜と郭の関係性は、コンビニネタと同じです。同じマンションに住んでて、小中一緒。郭は大学生で、まあまあ遠方の大学に行ったので、今は実家を離れて一人暮らしだよ。普段はお互い連絡取り合ったりしないけど、たまに、しょーもないことで、若菜が郭に電話する。郭は適当に受け答えてる。 『話それだけ? もう切っていい?』 「あ、そうそう、彼女と別れました。まあまあショック受けてる」 『一応聞くけど、何で別れたの?』 「結婚しようって言われて、それはちょっと、って答えたら、じゃあもういい、ってなった」 『いいんじゃない、別に。じゃあもういい、って言われたら、はいそうですか、だよね』 「はー、ドライー」 『じゃあどうするの。結婚について前向きに考えるので別れるのは勘弁して下さい、って?』 「うーん…」 『なら、仕方ない。向こうは、早いとこ結婚したい、そうでなければ別れたい。こちらは、今のところ結婚は考えられない。だったら、別れ話になってもおかしくない』 「そうかもしれないけど、そんな簡単にさあ。付き合ってた三年間は何だったんだろうって」 『それは彼女だって思ってるだろうね。何だったんだろう、って。だからお互い様だよ』 「…うう」 『話終わった?』 「俺って何なんだろう…」 『知らない。けんちゃん、何かコネないの? 就職先を紹介してもらえないの?』 「いやだ。姉ちゃんにお願いするってことだろ。絶対嫌だ。それ以前に、就職が嫌だ。バイトも嫌だけど」 『はいはい。じゃあ切るから』 ほんとに切るし。 (こんな話、一馬には絶対できないよな)
こないだの夜、「パフェも食ったし、帰るか」ってなって、予定通り、長居せずに店を出た。会計のレジには牧がいて、 「非日常を楽しめた?」 だって。含みのない笑顔で。 「おかげさまでー」 「また来てね」 「もう充分!」 帰りの車の中では、ほとんど会話がなかった。真田は元々無口な方なので、自分からは色々話さない。若菜が話さなければ、しーんとなる、というのは、今に始まったことではないので、気詰まりではない。自然な沈黙だった。静かな時間が、夜の景色と共に流れていき、若菜のマンションに着く。 「おー、着いたー。ありがとな」 「どういたしまして。 結人、」 真田が、真っ直ぐに若菜を見る。 「ん?」 (どうしよう。何言われるんだろう。怖い) 「今日は、ありがとう」 「え。それは、こちらの台詞ですが? わざわざ迎えに来ていただきまして」 「そんなのは、全然。またどっか連れてって」 「……」 「あ、駄目?」 「いや、連れてって、てのは変だろ。連れてくのは、車出すのは、一馬じゃん」 「それはそうだけど。俺、店とか知らないし、行きたいとこも特にないし。でも、たまには結人とどこか一緒に行きたいっていうか。どこでもいいんだけど。お前、バイトあるし、彼女いるし、忙しいだろうけどさ」 「別に忙しいってほどでもないけど。まあ、また、どっか行こーぜ」 「うん」 (あー、声の調子が、めっちゃ嬉しそう。なんか、顔見れないけど) 「あ、じゃあ明日、8時半くらいに行くので間に合う?」 「や、それはいいわ。歩いて取り行くわ。晴れみたいだし」 「歩いたら結構かかるよな」 「たまには歩かねーと。パフェ食べたしな!」 「そっか」 (あーあ、残念げな声) 「じゃー、またな! 気をつけて帰れよー」 「うん。じゃあ、また」 (前は、一馬が俺の言動に一喜一憂するのが嬉しかったのに、今は素直に喜べないというか、重いというか) そういえば、帰り道も、雨は降っていなかった。でも、雨が降り続く日に、一人、家で何をするでもなく過ごすような気分になっていた。憂鬱で、気怠くて、でも安穏として、底の方でくすぶる焦燥が、怠惰に塗り潰されて、うやむやになる。 (本当は、多分、受け止めて、受け入れたい。でも、そんなの無理だって気持ちの方が大きい。もしも、あのとき、中学のとき、受け止めてたら、どうなってたんだろ) 彼女との三年間は何だったのか、という思いより、真田との、四歳からだから十六年間か、は、何だったのか、という思いが、胸に広がっていた。 (連れてってほしいのは俺の方だ。一馬に、っていうんじゃなく、神様的な何かに? でも、自分で何とかしない限り、ここから動けない。どこにも行けないのに、誰かを、一馬を、どこかに連れていけるわけがない)
コンビニネタでは、真田視点になったり郭視点になったり色々でしたが、このネタでは、若菜視点のみで進めます(今更)。そしてまあまあ長丁場になりそうな気がしてきた。細切れなので。ちゃんと終わらせられるかな…。以下続き。
そういや、乗せてもらったときは、コンビニで何か買って帰るのが習慣になってる。若菜のおごりです。車の中でコーヒー飲んだりね。 言った通り10分で、真田が迎えに来た。雨は一旦止んでいた。 「おー、ありがと」 「雨止んでる。迎え必要なかったな」 「でもまた降るかもだし。一馬、今からちょっと時間ある?」 「あるよ」 「今日はコンビニじゃなくて、どっか店行かね? 夜カフェ的な。まあまあ近くなんだけど」 「うん、行く」 若菜がナビして近くの店へ。コンクリート打ちっぱなしの四角い店で、なんか殺伐とした外観だな、って感じるんだけど、これがオシャレなのだろう、と思うことにする。狭い駐車場はいっぱいだったので、近くのコインパーキングに駐めて、店へ。 「こんなとこ、前からあったっけ」 「いや、結構新しいと思う」 「彼女と来たことあるのか?」 「いや、ない。牧がバイトしてる」 「そうなんだ。掛け持ち?」 「いや、うちの店は辞めたの」 牧は、若菜のバイト仲間だった人。牧はコンビニネタにも出てたけど、脇役の使い回しです。若菜は牧と、最初はコンビニのバイトで一緒だった。若菜が居酒屋でもバイトしてると言ったら、コンビニは辞めて、若菜のいる居酒屋に来た。でも、そこも辞めて、新しくできたカフェに行った。転々としてるな。牧は真田と同じ大学の同学年で、学部は違うが面識はある。友達ではない。 店に入ると、薄暗くて、殺風景で、よく分からんがオシャレげ。カップルや女子グループ向きっぽい。男二人じゃ入りづらい雰囲気が漂っていた。 「いらっしゃいませ。お、若菜! 真田と一緒に来てくれたんだ」 出てきた店員は牧だった。真田は軽く会釈する。 「よー、おつかれ。こんなとこだったとはな。男同士で来るとこじゃねーな」 「そんなことないよ。男子グループも来るよ。それでは二名様、ご案内いたします。カウンター以外は全て個室となっております」 「長居しないしカウンターでいいわ」 「今ちょうど一つ空きがあるから個室にしたら?」 「いや、」 「俺はカウンターより個室がいい。落ち着くし」 それまで黙っていた真田が言うと、牧は、そりゃそうだとばかりに頷く。 「だよね。じゃあ、こちらへ」 (まあいっか。どっちでも) 若菜と真田は、牧に付いていく。外観から想像するより、中は広かった。部屋番号が書かれた個室が並んでいて、カラオケボックスみたいな造りだ。でも、コンクリート打ちっぱなしなので、無機質で冷たい感じがする。 「うちは、何タイプか個室があって選んでもらえるんだけど、今は一部屋しか空いてないからそこで」 「何タイプかって、大部屋と小部屋っていうんでなく?」 「それもあるけど、内装を変えてるんだ。リゾート風とか和風とかヨーロピアンとか。シンプルな部屋もかわいい部屋もあるよ」 「ふーん、ラブホみたい」 牧が一つの部屋の前で立ち止まる。 「こちらです。どんなお部屋かは見てのお楽しみ」 (なんか…、なんか急に、個室が怖くなってきた。いや、怖いとか。なんで。車の中だって密室じゃん。何ともなかったぞ) 個室を前に、何故かたじろぐ若菜。 「それでは、ごゆっくり」 (いや、だから長居しないってば。あっ、牧が、行ってしまう) 「入んないの?」 「入るけど」 後ろにいる真田に言われ、若菜はやっとドアを開ける。ドアの向こうは、ガーリーな空間だった。淡いピンクの壁紙に、ピンクの花柄のソファー、カーペットもピンクで、アンティーク調の白いテーブル。それで、室内が店内よりさらに薄暗いもんだから、何か異様だった。部屋の外とのギャップが凄すぎる。 「何だこりゃ。姫に憧れる女子中高生の部屋か」 (ここしか空いてないからって通すか、普通。牧め…) 「まあ、いいんじゃないか。落ち着かないけど」 真田は驚いていたものの、すぐに諦めた様子で、ソファーに腰掛けて、メニューを手に取る。 「座んないの?」 「座るけど」 ソファーは一つなので、必然的に隣りに腰掛けることになる。不自然ではない程度に、でもなるべく間を空けて。 (こんな変な部屋でよかったかも。普通に雰囲気いい部屋だったりしたら、なんかドキドキするかも) 「はい」 真田にメニューを渡され、ペラペラとめくる。 「おー、色々あんなー。何食う?」 なんとなくもやもやする気持ちを振り払うように明るい声を出した。 「何か食べるのか? こんな時間に? 俺はコーヒーだけでいい」 「まじで? なんも食べないの? 俺、パフェ食べたい。あと、ポテトも」 「まじか。甘いもんと揚げもんとか。せめてどっちかにしろよ」 「じゃー、パフェのみ」 室内にあるインターホンでオーダーする。 「なんか、この異空間、慣れてきた」 若菜が言うと、真田は軽く首を傾げた。 「俺は慣れない。別にいいけど。ラブホにもこういう部屋あんの?」 「えっ」 「さっき牧に言ってただろ。ラブホみたいって」 「いや、俺もよく知らないけど、そういうホテルありそうじゃね? 色んな種類の部屋があるとこ。イメージだよ、イメージ」 「ふーん」 「あ、行ってみたい感じ? 一緒に行ってみる?」 もちろん冗談だし、何言ってんだよ、って呆れられるとばかり思っていたら。真顔で、 「男同士でも入れるもんなのか?」 と返してきた。 「そう言われてみると。どうだろ…」 「入れるとこと入れないとこがあるんじゃないかな」 「あー、うん、そーかも。ていうか」 「何?」 「何って。いや、何でもないけど」 コンコン、と部屋をノックする音に続き、「ご注文の品、お持ちしました」の声。持ってきたのが牧だったら、文句の一つでも言ってやろうと思っていたが、女の子だった。とにかく、若菜はホッとする。これで変な方向に行ってしまった話が中断される。変な話になったのは、自分のせいだけどね。 「パフェうまー」 ちなみにチョコレートパフェです。でかい。 「よく食うなあ」 「あ、そういや、姉ちゃん、結婚するんだ」 「えっ、そうなんだ。おめでとう」 「うん」 「相手の人、会ったことある?」 「昨夜、うち来た。姉ちゃんより4つ年上で、いい会社行ってて、真面目で優しそう」 「よかったじゃん」 「うん」 「式いつ?」 「さー。そこまでは」 「結人、スーツ着んのか。似合わなさそー」 「いやいや、そんなことねーだろ。何でも着こなしちゃうから」 「口の回りぐちゃぐちゃで言われてもな」 真田はおしぼりで、若菜の口の回りをゴシゴシ拭った。 「いて。お前はもっと優しく拭けねーのか。ていうか自分で拭けますので!」 (あー、いかん、無駄にドキドキする) 「あっそう」 「でも、ありがと」 照れ隠しでぶっきらぼうな言い方になってしまう。真田は驚いたように目を開き、その後、小さく声を出して笑った。 「なぜ笑う」 「結人、なんかちょっと、かわいいな」 「はーあ? なんかちょっと、とか、なめんなよ。めっちゃかわいいから俺!」 姉が結婚する予定については話すが、彼女と別れた話はしないよ。
翌朝。土曜日。若菜は今日は昼からコンビニ。夕方からは居酒屋のバイト。基本ギリギリまで寝てるが、早く寝たので10時に目が覚めた。11時半まで寝ても間に合うので二度寝しようかとも思ったが、全然眠くない。姉も弟も、出掛けた後だった。弟は友達と、姉は婚約者と。平日仕事の母は家にいる。父親も基本的には平日仕事だが、今日は出勤だ。 「あら、おはよう。今日は昼からじゃなかったっけ?」 「おはよー。うん、昼から」 「あんたにしては早起きじゃない」 若菜は遅い朝食。母親は、テレビを見ている。 「姉ちゃんは、ほんとに好きなのよ、今井さんのことが」 いやいや、条件がいいから結婚すんだろ。だって今までの男と全くタイプ違うじゃん。と若菜は思ったが、もう面倒になって、そうは言わず。 「そりゃ結構なことで」 「だって、結人、結婚って、生涯を共にするんだよ。どんなにお金があったって、それだけじゃ無理だよ。まあ、お金は必要だけどさ。でも、今はお金があったって、この先どうなるかは分かんないじゃない。今は健康でも、病気や事故をするかもしれないし。いいことも悪いことも、どうでもいいことも、いっぱい起こる。好きじゃなきゃ、好かれてなきゃ、一緒に居られないよ。真奈美は、今井さんとなら苦楽を共にして生きていける、生きていきたい、って思ったから、結婚を決めたんだよ」 (なんという一般論。けんちゃんとなら楽して生きてける、の間違いだろ。そんで、デキ婚の母さんが言っても説得力があんまりないし) 若菜、手厳しいです。 「そうなんだ。分かった」 「分かった、て、あんた…」 テレビで天気予報が流れていた。 「夜には雨になるって。カッパ持って行きなさいよ。一馬君を頼っちゃダメだよ」 「分かってる」 以前は、若菜から真田に「送迎よろしく」なんて頼んでいたのだが、母親に怒られたし、確かに悪いな、って気持ちになったので、自分からは「乗せてって」とは頼まなくなった。でも、真田からたまに、乗せていこうか、と言われることはある。そういうときは遠慮なく甘えてる。 「乗せてもらうなって言ってるわけじゃないよ。でも、頼むのは図々し過ぎるでしょ。あんたは免許ないから、今度はこっちが乗せてくとかできないんだし。それに、何かあったらどうすんの。ちゃんと運転してても、事故に巻き込まれることあるんだよ。それが結人の送迎中だったらどうするの。取り返しがつかないよ。だから、気軽に頼むもんじゃないんだよ。どうしてもってときは、私に言いなよ」 「分かってる」 あ、気が、虚ろになってく。ぼーっとする。母親の声が、どこか遠くで聞こえているような。 (今日もバイト。明日もバイト。明後日は、どうだっけ。まあどっちでもいいや。この先ずっとこうなのか。いつまで続けるんだろう。いつまで続けていけるんだろう。悲観してみても、楽観してみても、どうもピンとこなくて、他人事みたいだ) 「ほんとに分かってんの? ちゃんとお母さんの話聞いてる? なんか覇気ないなあ、結人」
コンビニのバイト行って、いつもなら一旦帰ってご飯食べてから居酒屋に行くが、なんか帰るのが面倒で、コンビニで適当に買って食べてから、居酒屋へ。予報通り、夜になって雨が降った。 バイト後、携帯を見ると、真田からLINEがきてた。 『今日バイト? 雨降ってるけど、迎えいる?』 若菜は真田に電話する。 「LINE見た。ありがと。原付きで来てるから乗って帰るわ。小雨だし。明日無いと困るし」 『明日コンビニ何時から?』 「9時」 『じゃあ朝、原付き取りに行けば。店まで乗せてくから』 「いや、そこまでしてもらうのも、なんか、」 『何それ。遠慮してんの? 珍しい。…あ、これから何か用があるのか?』 「いや、何もないけど」 『なら、いいだろ。今から出るから。10分で行く』 「わりーな」 『別にいい』
将来性が、ない…。 いや、それよか、 じゃ、いいよ。別れよ。 って、そんな、簡単に? 高二からだから、三年だぞ。三年も付き合ってそれかよ。まじか。まあまあショックだ。あっけねーことこの上なし。でもそんなもんなんか。男と女なんて。人と人なんて。変に揉めたりするよかマシか。しかしそれにしたってあっさり過ぎだろ。もう答えを準備してた感あった。もしかして、他に好きな男ができたとか。将来性のある男。…いや、いかん、そんなことを考えるな、俺。情けねー。 風呂の中で、色々考えちゃう若菜。 (…ん? なんか騒がしい? 姉ちゃん帰って来たんか) 年子の姉、真奈美(まなみ)は、短大を出て就職している。小さな会社の事務員だ。 姉の声が、途切れ途切れに聞こえてくる。母の声も微かに聞こえる。何だか家の中がざわざわしているようだ。どうせ大したことじゃないだろうと思いながら、風呂に浸かっていると、誰かが脱衣所のドアを開けて入ってくる気配がした。八つ年下の弟、圭人(けいと)だ。 「兄ちゃん、風呂長い」 「いーだろ別に。お前もう入ったじゃん。ていうか、何かあった? うるさくね?」 「姉ちゃんが婚約者連れてきた。その人が、L(ケーキ屋の店名)のでかいケーキとお菓子いっぱい持ってきてくれた。早く出て食べようよ」 「…は?」 どうせチャラ男とデキ婚だろうよ、と思いながら風呂を出て着替える。
(金目当て…) 姉の婚約者を見て、若菜は、すっかり冷めきった気持ちになる。 「こちら、P商事にお勤めの今井健三さん。25歳よ」 (25? 三十後半に見えるぞ。えらいフケてんな) 「はじめまして、結人君。急にお邪魔してすみません」 婚約者は、暑くもないのに額にうっすらと汗を浮かべ、ペコペコと頭を下げる。いかにも腰が低い。 「あ、いえいえ、どうもどうも」 P商事は大企業だ。姉は彼を合コンでゲットしました。 挨拶はまた今度日を改めて、って彼は言ってたのに、「ちょっとだけ寄ってって!」と、送ってもらったときに、無理矢理家に引っ張り込んだよ。さすがに手ぶらはまずいと彼が気にして、近くの美味しいケーキ屋に閉店間際に駆け込んで、手土産を買ってきた。 最近、姉が、ちゃんと就職しなさいよ、とか言ってきてた理由はこれか、と若菜は鼻白む。こないだまでは無関心だったのに。 (フリーターの弟がいるのが恥ずかしいってことかよ) 皆でケーキを食べながら、ぎこちなくも無難に歓談した後、婚約者は帰っていった。終始、恐縮している様子だった。 (かわいそーに。見た目は冴えないけど、いい人そうで、いいとこ勤めてて、家柄もいいらしいのに、姉ちゃんみたいなのに引っかかっちゃってさ) 「お前には勿体無いようないい人じゃないか! お父さんは安心したぞ」 「超いい人だよー」 「あんた、ほんとに妊娠してないんでしょうね?」 「だから、してないってば」 「まあ別にしててもいいけどさ。結婚するんなら」 こう言ってる母親もデキ婚だ。それにしても小6の子がいるのに堂々とこういう話するとか。オープンだな。弟は全く気にする様子なく。 「なあ、母さん、さっきの、お菓子、一個だけ食べていい?」 「だーめ! 圭人、いっぱいケーキ食べたじゃない。もう遅いし、歯を磨いて寝なさいよ」 「食べたいな、一個だけ。一番小さいのでいいから」 「いいよー。小さいの一個くらい、いいじゃん。あんだけケーキ食べたんだから、もう一緒だよ」 姉が笑いながら言い、母は呆れ、弟ははしゃぎ、父は穏やかな笑顔でお茶を飲んでいる。若菜は会話に加わらなかった。婚約者がいたときも、必要最低限の受け答えしかしなかった。 (居酒屋のバイト休みで、夜のんびりできると思ってたのに、これか。何か予定入れときゃよかった) 「早いけど、俺、もー寝るわ」 席を立って、洗面所に行く。手を洗っていると、背後に気配。鏡に写った姉の顔は、明らかに不満げだった。 「何だよ」 「こっちが言いたいよ。何なの、あんた。何が気に入らないのよ。ケーキだって手ぇ付けないで。甘いもん好きなくせにさ。ずっと無愛想で。感じ悪いんだよ」 「別にー。ていうか、顔だけが取り柄みたいな男とばっか付き合ってたくせに、結婚するとなると、ああいう男なんだ。女ってこえー」 (あ、鬼の形相。すぐキレる。婚約者の前では、こんな顔絶対しないんだろな) 「お前、そういうこと、けんちゃんの前で言ったら殺すから」 「怖っ。引くわ」 「黙れ。バイトやめて就職しろっ!」 姉は、若菜の尻を蹴る。 「暴力女! けんちゃんに言うぞ!」 「真奈美、結人、止めなさい! あ、こら、圭人、いつまで食べてんの! 一個だけって言ったでしょ!」 そんな感じの若菜家の夜でした。
若菜×真田妄想をしております。二人とも二十歳なんです。そして当然のようにパラレル。
ある日、若菜は、彼女に言われる。 「生理、遅れてる。妊娠したかも」 「……えっ」 「してたらどうする?」 「どうするって」 言われても。避妊してたぞ。 「結婚する? それとも堕ろせって?」 「ちょ、ちょっと待て。とりあえず、遅れてるだけなんだよな?」 「うそ」 「は!?」 「ちゃんときてるよ、生理。でも、そのうち妊娠しちゃうかもしれないよね? 考えたことある? ねえ、結人、結婚しない? 私、若いうちに子供産みたいんだけど」 「えええ…、結婚…子供…て。想像つかねーわ…。ていうか、そういう嘘つくなよ。心臓に悪い」 (俺達、まだ二十歳なんだけど。いやまあ、こないだ結婚した友達がいるけど) 「じゃ、いいよ。別れよ。結人のこと好きだし、一緒に居て楽しいけど、将来性、ないよね」 ガーン…。となる若菜様。
コンビニネタとは全く別の話になるけど、設定は引き継ぎます。若菜と真田は、同じ幼稚園で、小中は別で、高校でまた同じになった。若菜は、親戚のおっちゃんがオーナーやってるコンビニでバイトしてる。だるいし割に合わねーと思いつつ、なんとなく続けてる。若菜は、高校卒業して、フリーターになって、昼間はコンビニ、夜は居酒屋でバイトな生活。コンビニは時給が安いから、まあまあ辞めたいんだけど、どうにも言いづらい。母親には、ちゃんと就職しなさいよ、ってしょっちゅう言われてる。父親は、結人には結人の考えがある、と信じてるから、何も言わない。一方、真田は、地元の国立大に通ってる。あ、郭は出るかどうか分かりません。出たら話がややこしくなるから、出さないでおくかな(ひどい)
冒頭から時期は遡って、19歳の夏休み。 「なー、夏休み暇? コンビニでバイトしねー? 主婦が休みで人手不足」 「しない。暇じゃない。教習所通うから。あと、暇でもコンビニでバイトはしない。ストレス溜まりそう」 真田は、さくっと免許を取る。今後バイトしてお金貯めて、中古でいいから車買おうって思う。そしたら、家の車を買い換えるから、今の車乗っていいよってなる。父親が乗ってた車に乗るよ。白のセダンです。そんで、若菜にたまに足として使われますよ。雨の日のバイトの送迎とか。 「お前って、めっちゃ使えるな」 「俺はお前の運転手じゃない」 「今度なんかおごるわ」 「期待しないで待っとく」
まあ、そんな感じで、って、どんな感じか分かりませんが、話を前後させつつ、てきとーに続けます、というか、そんなに続かない気もするけど。
やっとまとまったわーコンビニネタ。トップからリンクはってます。そこにも書いてますが、ちょっと修正はしましたが、内容は変わってないです。続編の最後は多少加筆したよ。修正とか加筆とかしない方がよかったのかもしれないけど、直したくなるもんですね…。スマホで打ってたものを、PCでまとめてたんですが、スマホで打つのとPCとではテンションが違いすぎます。
そのうち私がバイトを辞めたとするだろう。そしたら、生涯もう二度と、コンビニではバイトしないと誓う。心から誓うぞ。でも不思議なことに、ほんと辞めたいんだけど、いざ辞めるとなったら寂しい気がするんですよね…。寂しいっていうか、不安なんですよね。大した稼ぎにならなくても、バイトをしてたいんですね…。バイトをしてるせいで、時間的にも精神的にも追い詰められがちなんですが、助けられてる部分もあり、心の支えになってると感じたりもしています。家事も育児も、思うようにはいかないし、幼稚園や習い事での人付き合いも、向いてないな、とよく思うし、地域の活動やら幼稚園の役割やらでアワアワし、私ってほんと何もできないな、って落ち込む時間帯が毎日あります。バイトをしてると、さらに、私って何もできない感がプラスされ、バイト先で失敗などすると、落ち込みに拍車がかかるどころか、絶望的な気持ちにすらなるのですが、それでもなお、家庭以外に居場所がある、所属があるということが、救いになっています。妄想をすることも、私にとっての大きな救いなんですが、実態がないというか…。我に返ると、私は何をしているのか、みたいになっちゃうときがあるんですよね。でも妄想しますけど。せずにはおれないし。救いというより私の一部だし。とか、なんやかんや考えつつも、子供の寝顔を見ていると、バイトや妄想をしていようがいまいが、何もできない駄目な人間だろうが、そんなことを悩んでる場合じゃない、何とか生きていかなくちゃ、という気持ちになります。
若菜ゆーとさまの誕生日を失念しておりましたよ! 今年に限ったことじゃないけど(素)虫さん、思い出させてくれてありがとう。とにかく、おめでとう! 私は若菜が大好きです。ちょっと思い付いた若真ネタがあり、日記に書こうと思ってたんだけど、どうも考えがまとまらず…。あと、今、コンビニネタをまとめてるんですが、ちょいちょい手直ししては、直さない方がよかった…? と考え直して戻したり、やっぱ修正したくなったりで、全然進まない。それもこれもバイトのせいなんですっ(違う)。まあいいか…。
バイト、辞めないことになった(笑)笑い事…。でも、シフトは減らします…。 一昨日の夜、コロッケのタネを作ってる途中で、寝てしまったんです…。目が覚めたら朝の四時でした。タネがカサカサになってたんです。でも、成形して衣付けて揚げました。普通に美味しかったです。でも、もっちゃんは、じゃがりこの方が美味しい、って言ってました。そうですか…。コロッケを作っていると、衣付けてるあたりで面倒になってきて、「誰がコロッケなんてものを考えたのか(怒)」という気持ちになってくるんです。
|