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死んでしまった空気 2007年07月18日(水)

消えてしまった空気を吸っておけばよかった
斜視で構えて
青い空を知る

憐みを
主よ
憐みを
垂れ流されていく慈雨を

死んでしまうこと
生きてしまうこと
僕がいること
君がいること
僕がいなくなること
あの人がいないこと

現実という罠
理想という果実

白い雲を突っ切っていく飛行機
人は空を飛ぶ
人は地に落ちてくる
ここが本当の居場所じゃないのか
主よ

死んでしまえたらいいのに

ママのスカートの裾を引く小さな手
揺るぎないか弱き強さ
柔らかい笑顔の光をもう忘れてしまったか

亡くしてしまった空気を吸っておけばよかった
後悔や日常や涙や傷めつけた体や

くそったれ
睨みつけるヤツなんて眼中にない

ここが生きられる場所なら
いつだってここの空気は新鮮だ
鮮やかに照るのだ




相合傘 2007年07月04日(水)

雨のしずくで
僕らの記憶はぼやけて
灰色に煙る明日にこんにちは

煙の色を 知らないんだ
忘れたんじゃなくて

夢の中で生きてんだ
ふわんと飛んでんだ
泣いてんじゃないんだ
笑えないんだ

指先で触れられない生
指先で触れられない死

僕ら 現実に戸惑っている

いつのまにかいなくなっちゃった
鳥も森も愛も
後ろ髪 誰も引かない

埋まっていく心
掘り返せない力のない僕らの手
自分を守るだけで精一杯なんだ

傘を持つこの手で
僕は誰かの冷える手をあたためられるかな
それって幸せって呼ぶのかな

生きていくから どうぞよろしくね
死んでしまうけど どうぞよろしくね





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熊野
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