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シンクオブシンギング 2005年12月28日(水)

埋もれてしまった言葉は
もう探していません
いえ
私の力では
もう見つけることができないんです
どうか
あなたの心に失くした言葉が現れますように
そう
願います
もしあなたが歌うときがきたならば
必然に泣くことになるでしょう
言葉は武器ですからね
言葉は防具ですからね
だから
あなたが迷わずに
その武器で人を傷つけることができるなら
その防具で人を蔑むことができるなら
あなたは強い騎士になれるでしょう
誰にも負けることはないでしょう
そうして
泣くのでしょう
この言葉があなたの中からも出てきますように
そう
願います
私の言葉があなたの言葉になることはありません
逆も然り
けれど
私の言葉からあなたの言葉が生まれくることもあるでしょう
恐ろしいことですね
どうぞ歌ってください
歌いつづけることが
あなたの命です




ア・テンポ 2005年12月22日(木)

もしも私が死んだなら
あなたは笑って幸せであればいい

ダ・カーポでくりかえして
ダル・セーニョでくりかえして

ああ アマービレ

奏でて奏でて奏でて
意外にも終止符は早期にやってくるのだから
もっとゆるやかに

けれども
人は知らない
自分の速さがどれかなんて

繋いだ手が茨になったら
もう二人に誰も近づけない

そこまでいこう
それまでいこう

たとえ プレスト! と叫ばれても




さよなら よ 2005年12月21日(水)

さよなら が、近づくたびに
人は、誰も何も、言えなくなるでしょう

忍び寄る影というものは
目に見えるのに、形ではないのです
触れるのなら、もっと前から
壊そうとしていたでしょう

過去は事実です
未来は無形です

一秒後の無形が有形になっていくのです

触れないのに、形があるとは
不思議です

過ぎ去ったさよなら と
お迎えするさよなら と

どちらからも、逃げられません
そういうふうに、できています

素直にさよならをしないけれど
苦く苦くさよならを噛むけれど
ふと笑える瞬間に、出会えるでしょう
それがさよならの秘密でしょう




羽根もヒレも 2005年12月14日(水)

人魚が羽根を持ったら
幸せだったろうか
飛び魚のようではなく
正確に太陽に向かうような あの羽根

天使がヒレを持ったら
幸せだったろうか
尾ヒレも胸ビレも背ビレも
きらきら光り海底に向かうような あのヒレ

人は歩く五本指の足を持っていて
それでも幸せじゃなかったようなので
羽根もヒレも作りました

太陽には着かないけれど
海底には着かないけれど

少しくらい幸せになれた そうです




さよなら のかわりに よくぼう と書く 2005年12月10日(土)

この世界が さよなら で構成されているのなら
僕は さよなら のかわりに よくぼう と書こうと思う

僕が君の希望に副えなくとも
僕が君の期待を裏切るとも
僕が君のおもいと同等でなくとも

一生の瞬間の君を 愛す よ

(そうさ 一生涯 すべての瞬間に立ちあうことなど 不可能なのだから)

君 アイス
 クリーム ソーダ
  メロン 生ハム
   豚 牛 鶏
    と殺 血流
     ナイフ 泡沫
      宇宙 スター 円

ここは よくぼう です





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熊野
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