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死線 2005年11月27日(日)

私たちはいつのまにか心の居場所を失い

ある人はそれを
心臓と名づけた

ある人はそれを
脳と名づけた

神さまは心臓を撃ち抜き

学者は脳を取り除いた

どちらも死んでしまった


私たちは心の居場所を知らない




間違いさがす 2005年11月24日(木)

トリコロールのセーターを着た少年

ららら

と歌った

少年は間違いさがしが大好きで
四六時中 首を振っていた

ある日とつぜん思い立ち
世間の間違いを探せばいいじゃない!
そう言って立ち上がった

少年は ららら と歌って
いろんな間違いをさがした

世間は間違いだらけ
ららら あいつもやっつけ こいつもやっつけ

間違いがありすぎるよ
少年はノイローゼ
だから少年 間違いのない世間 つくることにした

少年は独裁者になった

間違いなんてひとっつもない
少年は王冠をきゅきゅきゅっと触り
ららら と歌った

ここは天国さ

少年は間違いを許さない
そこ だめだよ
ちがうちがう そうだそうするんだ

トリコロールのセーターを着た間違いさがしが大好きだった少年
金ぴかの王冠をかぶって赤いマントを羽織ってる

ここは天国なんかじゃない
ネズミを飼っている少年が言った
でも すぐ殺されちゃった

ここは天国かい?

天国が間違いではなければ
の 話だけれどね




美しい四肢 2005年11月23日(水)

半月型の目をしたシャムネコが
階段を降りていった

コンビーフ喰ったら
太っちまって
階段 昇れなくなっちゃったよ

ははは

会いたいんだ 会いたいんだ
あの青い透明のクッション
虹色の毛糸のボール
ああ 会いたいな

黄色い瞳を持ったシャムネコは
眠ることしかできなくて
けれども上の階が恋しくて
眠ることをやめてしまった

何もすることがない

黒い耳が美しいシャムネコは
いつのまにか捨てられてしまった

腐臭はきっとこの家には届かないだろう

美しい月夜に




妖かしの森 2005年11月16日(水)

愛されることに慣れた魂は
愛されていないと叫ぶんです
幸せに慣れた魂は
不幸せを見下すんです

僕は 僕は僕は
小道を走り続けます
小さなパン屑は小鳥に食べられました
カラスはここにはいません

真っ黒な森の中で僕の暗闇だけが浮き彫りになって
月は嘘つきです
僕に笑ってばかりいます

リスが小気味よい音をたてています
僕は一人なんです
愛されていました
幸せでした
そう言えるのはいつですか
たぶん誰も知らないんです

オオカミと目が合ってくらくらします

見透かして
見透かさないで

僕だって嘘つきです

愛していますか
幸せになれますか





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熊野ポーラ
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