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漫画関連ファイル


2004年06月28日(月)
よしながふみ『大奥』

メロディ8月に掲載された、よしながさんの新シリーズ、71ページ!
『大奥』というのは、江戸時代の将軍のハーレムですね。
それをそのまま書くわけなかったですね。(笑)
以下ネタばれ↓










原因不明の病気により男子人口は四分の一に減った江戸時代の日本で
最高の贅沢は美男3000人を集めた「大奥」だった。
という設定のお話でした〜〜〜!
一読したときの異様な感じというのは、初めて味わうものでした。
それだけでも、よしながさんはスゴイと思いましたね。
ちょっと気持ち悪いけどさ・・・
でも、この設定はなかなか面白いから、これをネタにパロディを書きたくなる人が
きっと出てくるんじゃないだろうか。それくらい意外でした。
よーく考えると、逆「大奥」は効率が悪すぎて、
男子が少なくなったら、それこそ本当の「大奥」システムが機能するんだけれどね。
そのへんは上手にごまかしてありました。
この環境でいったい何を描くのかな。
将軍様と主人公のお話かなーそれともいつものお話かなー
続きは12月号。



2004年06月27日(日)
夢路行『モノクローム・ガーデン』第二巻

一話読みきりの短編連作かと思ったら、いくつかはシリーズのように同じ登場人物のお話がある。この本はお話のあらすじを紹介してもしょうがなくて、実際に読むしかないんだろうな。たとえていうなら「お水を飲んだような」読後感。雨が地面にしみこんでろ過されて地層のすきまから出てきたような、ほのかに土地の匂いが残っているようなお水。こってりしたものが好きな人にはちょっと休憩に。喉が渇いている人には、水分の補給に。甘ったるいものが苦手な人にもおすすめできます。あんまり本の出ない人なのに、この一ヶ月間に五冊も出て、ちょっとびっくり。


2004年06月16日(水)
遠藤淑子『心の家路』

これは昨日、花とゆめコミックスの棚の前をうろうろして見つけて買ってきた本。遠藤さんの本はほとんど家にあると思っていたが、けっこう抜けているのかもしれない。『ヘヴン』の少し前に描かれたこの短編集はどれもしみじみと心にしみこんでくるような話だった。
絵も話も華やかな装飾や演出とは無縁だけれど、お話とセリフだけで、読者の心にストレートに入ってくる。いや、ストレートとみえてすこし違う方向からきたり、油断しているところにさっくり入ってくるような。頭の使ってない部分と心の使ってない部分に刺激を与えて暖かいもので満たしてくれるようなそんな作品。SFや近未来やファンタジーのかたちをとらずに、日常生活を舞台にしてもこういう作品が描けるんだ。もしかしたらただ者じゃないのね、と今さら思いました。




2004年06月15日(火)
鴨居まさね『SWEETデリバリー』 全七巻

『SWEETデリバリー』は、オリジナル結婚式を企画運営するコンサルタント会社の人間模様。永遠の婚約者同士の社長と副社長。なんでもできるフラワーコーディネーターの人妻。三人から甘やかされ育てられている一番若い女の子。それぞれが仕事やパートナーとの関係に悩みながらも前向きに毎日を過ごしている。全七冊をざーっと読むと、主役は誰なのか最初わからなかった。副社長の方なのか、女の子の方なのか。前者だと30代の女性の悩みだし、後者だと20代の女の子の悩みに対応している。読者層がちょうどそのへんなんだろう。一生に一度の結婚式を心に残るものにしてあげたい、という気持ちで働くお話なので読んでて感じがいいし、花がいっぱいあるし華やかで良い題材だなあと思いました。
並行して『雲の上のキスケさん』の三巻と四巻を読んでいたので、どっちがどっちかわからない・・・て、ことはないけれど、両方読むとあれあれと思うことがあって、キスケさんの二巻までは眉子とキスケさんのいちゃいちゃしてる場面がとってもおもしろかったんだけれど、三巻、四巻にはあんまりそういうのはなくて、眉子もキスケさんも仕事のことで悩んでいるようなお話になっていた。それはSWEETデリバリーの面々もおんなじで、すごく前向きなのはいいんだけれど、そして無理せず自分のペースで自分の道をという至極まっとうな結論に落ち着いているんだけれど、ちょっとまじめすぎかなあ、とかね。
この作品の掲載されてる雑誌(『young you』)のカラーなのかな?どっちかかたっぽだけ読んでいたらきにならなかったかもしれないけれど、話がすすむと同じような話になってきたので。

『ハチミツとクローバー』に出てくる、デザイン事務所のデキル先輩って、『sweetデリバリー』のデコラちゃんの先輩の女性達に似ている。デコラちゃんをだっこして甘やかしている様子は、犬を抱えているハチクロの先輩みたい。(美和子さんでした。仕事のできる黒髪メガネキャラ。)こじんまりした事務所の部活動みたいな職場って、パターンなのかしら?



2004年06月14日(月)
『のだめカンタービレ』第9巻

この巻に収録されている分は、全部雑誌を買って、何回も読み返していたので、コミックスを読んでも、まとまった感想は書きにくい。いろいろと転機の訪れた巻だった。のだめが楽しむためのピアノから「本当に音楽を楽しむためのピアノ」に目覚めたこと。千秋と一緒にずっと行こう決めたこと。千秋がやっと少し素直になったこと。(笑)派手な演出じゃないけれど、用意周到に伏線が張ってあるので、繰り返し読んでいて楽しい。長女は、読み返すたびに、「すごいね。いろんなこと考えて漫画って描いてあるんだね。絵もすごいね。考えてあるね。マンガ家って大変だね。」などと言っている。それを教えてくれただけでもたいしたもんだわ。
講談社漫画賞を受賞して、たぶんすごく忙しいだろうと思うんだけれど、最新号のお話も今後の展開に必要なものが入っていて飽きさせない。ドイツ系の音楽の千秋にぶつけてくるのがフランス男っていうところが笑える。わけがわからないけれど華があるってヤツ?


さて、四月に二ノ宮さんが短編を書き下ろしたコミックスを今日やっと手に入れた。この本はアンソロジーでタイトルがちょっと何なので、書店では買えなかったのだ。ビニ本になっているので、立ち読みもできないし、ブックオフに落ちてくるのをまっていたら、今日見つけた。他の本と一緒にレジに出したら、バイトのお兄ちゃんが、けげんな顔をしたような気がする・・・私は表紙を隠すのはヤなので、一番上に堂々と置いて出したのに、さっと一番下に隠されてしまったよ。「私は、二ノ宮さんの漫画が読みたかっただけだよ」と心の中でつぶやいても聞こえないでしょう。・・・お話は全然ヤらしくもなんともなかったです。うう。



2004年06月06日(日)
望月花梨を読む その2

『緑の黒髪』と『鍵』を読みました。『スイッチ』以後の作品の方が私には読みやすい。これはそれ以前の作者の青さが読めない理由じゃなくて、なんだか『僕の地球を守って』みたいな絵がだめなんだと思う。新しくなればなるほど、画面が洗練されて読みやすくなるけれど、反面ぎりぎりの感じが薄れていって、そのへんが作品をあまり描けなくなった理由なんだろうなあ。ここは”スイッチ”を切り替えて、作者自身はひとつ上の場所からお話を作るようになってくれるといいね。瞬間の切り取り方とか鋭いし、五感で感じたものを生々しく描くことはこの人独自のものだと思う。鉛筆を突き立てる話を読んで、大友克洋思い出しちゃった。ついでに佐世保の小学生も。あのへんの悪意をすくいとることのできる人だよね。


2004年06月05日(土)
鴨居まさね『雲の上のキスケさん』

これは某新聞の漫画のコラムで書名を知って、一冊買って、それから今日二冊目を買った。全五冊。一度に買ってもいいんだけれど、思いついたときに一冊づつ買って楽しんでる。
内容については、amazonのレビューが役に立つかな?
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4088644050/
知らなかったけれど、BS漫画夜話でも取り上げられていたのね。
主人公眉子さんが仕事や自分やキスケさんとの恋愛にきちんと向き合っていく姿が気持ちいい。
とともに、キスケさんと眉子さんがいちゃいちゃしている場面が、そんなにあからさまじゃないけれど
とってもエッチなところがおもしろい。まだ二巻目までしか読んでいないけれどね。
こういうヘテロなお話と、BLの一番大きな違いは何だろう、などと考えつつ読んだり。
どっちも同じような感覚を同じ表現で描いたりしてるなあと思ったり。
手を変え品を変え、何回も何回も繰り返し、同じことを描いてるんだなあと思ったりしていました。
あ、キスケさんのお話はふわっとして、しかもしっかりしてて気持ちよくて好きなお話です。

追記:あ、思いついたぞ!ヘテロのお話とBLの一番大きな違いは、男女間だと力関係や立場をできるだけ平等にしなくちゃいけないけれど、男同士だと主従だの監禁だの乱暴だのやりたい放題しても良心が痛まないとか。受けが弱音をはいてもやさしくされて喜んでもちっとも後ろめたくないところとか。そういうところかしらん?




2004年06月04日(金)
星野リリィを読む

といってもまだ二冊。望月花梨といい星のリリィといい、自分では手にとらなかった本を紹介してもらって読んでいます。最初『花嫁くん』を読んだんですね。これが荒唐無稽な設定で・・・本家の長男に男の子が生まれたら次男以下は男と結婚しなくちゃいけないという仕来たりに、主人公とその嫁が従うというお話でー、いや、結婚しなくてもいいじゃん?とか思うんですけれど、そういうことは問題じゃないんですね。(笑)ようするにこれは、ご主人さまに仕えることが喜びの花嫁の気持ちを描くお話なんですから。けなげで美人で床上手な嫁にご主人様もほだされる、というお話。別に男の子の嫁さんじゃなくてもいい話だし。
Kさん、なんでこれご推薦なのかなあ???と思っていました。でも、念のため『ハレムでひとり』も買ってきて読みました。
・・・すみません。すごく面白かったです。このタッチ、好きだわ。もしかしたら何でも描ける人かも。別にやおいじゃなくても。まあ、この本も女の子でちっともかまわないんだけれどね(笑)高ビーで顔のいい背の高そうな男の子・・・かっこいいです。漫画ってまだまだ奥が深い。





2004年06月03日(木)
望月花梨を読む

望月花梨を四冊読みました。「裸足めぐり」「チョコレートダイアリィ」「スイッチ」「スイッチ」2
最初の二冊は比較的古い作品で、まだつたなさが残る。けれども感覚が鋭くて、時々はっとさせられて、それでも私はこういう中学生の残酷さはちょっと苦手かも・・・と思いながら読んでいました。で、どの話か忘れたけれど、すこんと突き抜けた感じがあったんですね。一線越えてもいいんじゃないかというサバサバした感じというか。それを読んでちょっと受け入れられた。なんていうんだろ。この人は常識の範囲、日常の範囲から逸脱したいと思ってるし、ちょこっと意地悪だし、それなのに、学校とか小さい枠の中が好きな感じもする。鋭いナイフを小さい世界の中で振り回していたら、それは危険だわよ。で、振り回していたナイフが切り裂いたところから小さい世界を見たら、いとおしい気持ちになった・・・って、そんな感じ?
「スイッチ」の二冊は、そういう危なっかしさを上手に馴らしつつ、消さずに、前向きにまとめてあるところが良かったかも。これは絵も上手いし、誰が読んでも良い作品だっていうだろうなあ。誰にも知られちゃいけない関係って、現実以上にロマンティックなんだよね。そういうのが好きな向きにはたまらない作品。
ううう。でも、私は主人公のそばにいつもいる仲良しの女の子とか仲良しの男の子とかが怖いです。ああいう親友のことは何でも知ってなくちゃいや的関係は、私が一番避けてきた世界なので・・・一人で立って歩けよ。おせっかいするなよ。自分のことは自分で抱えろよ。などと思ってしまいました。一歩間違えば一番やっかいな敵とか火種になる関係を繰り返し描く望月さんは、そういう関係のどろどろした部分にこそ惹かれているのかもしれませんよ?





2004年06月02日(水)
別冊マーガレットの漫画スクールリスト

たまたま検索していたらHITしたページ

http://www.kazekaworu.com/betumasuku-ru.html

うーん。面白い。
これは漫画家の風かをるさんのHPのコンテンツです。

http://www.kazekaworu.com/index.html



2004年06月01日(火)
まんが史研究会「よしながふみ」

夏目さんが参加されいているまんが史研究会で
よしながさんがテーマに取り上げられたとのこと。

http://www.ringolab.com/note/natsume/archives/001629.html

これを読んで、いろいろ思ったり。
うーん・・・・分析は読みたいような読みたくないような。
風木がルーツと言われてしまうと、そうだろうかといいたくなるような。
フツザツな気持ち。