バルバラの二巻が出ました。現実の世界と夢の世界の境界が曖昧になり、行き来がひんぱんになり、どちらが夢でどちらが現実なのか。私が大好きな萩尾さんの異界への壁が破れる瞬間の描写が、ふんだんに出てくる作品です。もうこうなると彼女の作品世界に身をまかせて楽しむだけですが、さて、一体お話はどこへ向かっているんでしょう。これまで描かれてきた作品が惜しげもなく散りばめられて、これは自分の作品のパロディなのか、集大成なのか。それを楽しんで描いておられるのか、そういうものへの訣別なのか、まだ判断がつきません。萩尾さんの作品に出てくるカニバリズムには私のアラームは全然鳴らないんだけれど、もっと怖いところへ連れて行かれるかもしれないという感じがちらっとしています。
|