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漫画関連ファイル


2004年02月26日(木)
『天才ファミリーカンパニー』by二ノ宮知子

書店で新装版全六巻が並んでいるのを見て大人買い。一緒に本屋に行った長女にあきれられてしまった。ネットで注文しようと思ったら全巻揃いで即日発送してくれるところがなかったの。のだめのブレークで二ノ宮さんの昔の本がどんどん再版されて、それでも追いつかないのかな?『green』がおもしろかったけれど、どこか甘いところがあったので、『天才・・・』はどうだろうと心配だったんだけれど、面白かった。長い話なので、描いているうちにどんどん上手くなっていったような感じ。絵はもともと上手な人なんだろうな。
母と二人暮しの天才少年勝幸の家に、突然母の再婚相手の男とその息子が転がり込んでくる。勝幸の目にはケダモノにしか見えない親子は実はいろいろとワケありの様子。そして彼らの周りに一癖も二癖もある人間が集まって、お話はどんどん日常レベルを超えて行く・・・という話。
連載開始が95年。終了が01年ということで、後半部分はネットを使ったビジネスの話や、ハッキングやクラッキングや企業買収の話もからむ。登場人物も多彩で、じじいが話にからんでくるのは、今ののだめと同じ。主人公の勝幸が元祖オレ様キャラで、最初の頃は融通のきかない嫌なやつだったのが、その性格のまんま「愛すべき」オレ様になっていくところが一番おもしろかった。それがもっとやわらかくなったのが千秋かな?私は弟の春くんが好きだ。本能で生きている動物奇想天外で世界不思議発見の変なやつ。名前のとおり春のようなおだやかさで、そのくせ得体の知れないサバイバル経験を持つ男の子。春の活躍をもっと見たい。そのうちお話を描いてくれないかな〜?
商売上手な天才のとんとん拍子の話でしめてしまったのが、実はちょっと不満。こんなふうにのだめが才能のインフレで終わりませんように・・・




2004年02月19日(木)
『やじきた学園道中記』の新刊

本屋で立ち読みしていたら目に入った雑誌の表紙が、あら懐かしい『やじきた学園道中記』。昔好きだったな。やじさんとキタさん。お姫様みたいな悪役キャラが出てきてなんだか途中で中断していなかったっけ?月刊ミステリーボニータの三月号に別冊付録で、再録の短編ふたつと、新作50ページが載っていた。
家に帰ってからいろいろ検索してみたら、やじきたは昨年12月に再開されたらしい。掲載紙はミステリボニータ。来月には久々のコミックスの新刊が出るとのこと。作者のHPもあるけれど、プライベートなのでリンクはしないほうがいいらしい。

http://www.akitashoten.co.jp/index2.html



2004年02月04日(水)
もうマニアじゃない?

日記に書いた漫画についてのログは漫画関連ファイルにまとめている。それをざっとみると数はたくさんあるけれど、この一年に限って言えば読んだ本は数えるほど。かつて趣味は読書・・・なんて言っていたけれど、文芸書にいたってはほんの数冊しか読んでいない。映画が好き・・・と公言していたわりに、映画も10本も見ていないんじゃないかな。どんな分野でも自分はこれが好きで詳しいんです。といえるようなものは無いかもしれない。砂の中から砂金を探すような元気はもう無いんだろう。でも、伊達に年をくっているわけもでもないので、おもしろそうな情報を発信している場所を見つけることはできる。そういうところで知識を得て、労せずしておいしい思いをするわけだ。
いろんなことを試している時間はもったいないんだな。量はいらないの、質のいいものを少量ゆっくり味わうことができれば幸せ。漫画についていえば思春期の子供相手の作品は読んでもしょうがないので、パス。ものすごく大量に出ている主婦向けのA5サイズの雑誌もパス。・・・となると、好きな作家さんの単行本を読むくらいしか残らないか。うーん。こんなんじゃもうマニアじゃないし、熱心な読者でもないねえ。薄いわ。まあそれで困るわけでもないので、このままいくけれど。そう言いつつ、いつまでも漫画にこだわっている自分はなんだろうと考えたり。



2004年02月03日(火)
二ノ宮知子『平成よっぱらい研究所(完全版)』

amazonに注文していた本が届いたので一気読み。一冊め。のだめの作者の酔っ払い行状記。数々ののだめエピソードは決してフィクションではないということがわかる本。うちの娘達がのだめを読んで、絶対これ描いている人の部屋って、のだめとおんなじだよね!と断言していたが、まさにそのとおりだった。うーむ。のだめには拾う神が現れるが二ノ宮さんにはどうだろう。現れているからこそののだめヒットか?


2004年02月02日(月)
よしながふみ『それを言ったらおしまいよ』

いろんな雑誌に載った短編をまとめた単行本。表題作「それを言ったらおしまいよ」と「私の永遠の恋人」は2001年と2002年の作。両方ともボーイズ誌に掲載されたいわば王道の作品。一番調子のいいときの作品ですみずみまで楽しめることまちがいなし。雑誌掲載時に感想を書いたかな。今回読んでもおもしろかった。
その他の作品は初めて読んだ。「おとぎの国」と「ある五月」は1998年の作。商業誌で活躍し始めた頃の作品かな?どちらもボーイズではないし、萌えもないけれど、読ませる作品。実験的と言ってもいいかも。大学教授の再婚の話は救いがないし下手すりゃ嫌味だけれど、こういうのもありかな?と思わせるだけの力がある。「おとぎの国」の背景が上手い。
描き下ろしの「ピアニスト」がすごく面白かった。これは上に書いた2作品と2作品のちょうど中間にあるような内容で、しかも本のタイトルに呼応するかのような話になっているのはよしながさんの洒落っ気か?ボーイズじゃなくても十分やっていけるけれど、でもボーイズ離れて描くから立派ってわけでもないし、要は実力があるかないかってことだということを読者に見せ付けるかのような(笑)立派な作品。これを読むとやっぱり『愛すべき娘達』は掲載誌との距離をまだ定めていないだけ、という気がしてくる。




2004年02月01日(日)
『あのこにもらった音楽2』by勝田文

メロディ誌を立ち読みするたびに、必ずこの人の作品のところで手が止まるので、前から気になっていた。勝田文さんのコミックスを読んだ。ちゃんと読むのはこれが初めてだ。ふるえるような線で描かれた温かみのある絵が、描かれた以上の何かを伝えるような気がするので気になるんだと思う。粉雪、星空、お祭りの夜・・・日々の生活の余白の部分のいろいろなものに、作者が愛情を持っていることがわかる。それを面白いストーリーに仕立てるにはもう少し・・・という感じがあるけれど、それはこれから先の努力しだいかな?適当なところがいい、という褒め言葉を鵜呑みにしないで、適当にしないお話も描いてみたらいいんじゃないかなあ。