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漫画関連ファイル


2003年11月29日(土)
『エマ』第三巻 by 森 薫

ウィリアムと離れてエマが雇われたのは
ドイツからやってきたお金持ちのお屋敷。
そこでエマは不思議な婦人と出会うことになるのでした。

これでやっと登場人物が出揃ったそうです。
ゆったりとした画面構成。きちんと書き込まれた背景。
物語はゆっくりと進むけれども、この巻ではちょっとした描き込みが
効果をあげていて、物語に奥行きが出てきました。
これはかなりいいかも。
ヴィクトリア朝を舞台にした漫画はこれまでもいくつかありますが
こういうアプローチもあったんだなあと思います。
私はこれを読んでいて、『秘密の花園』とか『小公女』とか『小公子』とか
そのあたりの児童文学のいろいろを思い出したりして
とても懐かしいと思いました。
だけれど、作者はまだイギリスに行ったことがないという。(笑)
想像上のイギリス的空間を私たちは共有しているのね。
温室のガラス越しにみた満月のイメージが効果的に使われていて
けっしてお子様向けの漫画ではないんですけれど。

某Aさんの日記にあった参考書が本屋にあったので今度買ってこよう。



2003年11月13日(木)
『変奏曲』(続編)

これも、ずいぶん前に描かれて中断している作品。
最初は竹宮恵子さんの名前で発表されていたが
やがて原作者の増山法恵さんと併記されるようになった。
この続編は増山法恵さんの公式HPで小説の形で発表されている。
今のところ最初のごく一部しか発表されていない。

増山法恵の『変奏曲』
pink.sakura.ne.jp/~amabel/

私は『変奏曲』のシリーズが好きだったので、
リアルタイムでほぼ全作品を読んで、掲載誌の切り抜きも持っている。
いろんな雑誌に掲載されたので、今のようにネットの情報がない頃は
追いかけることが読者の愛情表現だったような気がする。
だから今でもこんなふうに紹介しているのだけれど。

『永遠の少年』も『神の子羊』も読んだ。
そして今回続編を読んで、私が好きだった『変奏曲』の世界は
おふたりの世界がほどよく混ざったものだったなあと思う。
竹宮作品の中でも音楽関係の作品が好きだった。
当時は二人で作っているということは知らなかった。
『変奏曲』の続編も、小説ではもとの作品とは違う作品のように見える。
エルドラドのネームで完成原稿を想像するように、
この小説を読んで、頭の中では漫画になっているところを思い浮かべる。
それは、作品のファンにとって、幸せか?不幸せか?
作者が健康で作品を書けるなら、きちんと完成させて落とし前をつけてほしい
というのが本音だが。



2003年11月05日(水)
『七つの黄金郷』続編(?)

昨日、ネットをうろうろしていて、たまたまHITしたページに
『七つの黄金郷』の続編のネームが30ページ分、
今年出た文庫の巻末に載っている、ということが書いてあった。
それで本屋に行って文庫を探して買ってしまうのが
大昔のマニアの悲しい性だったりする。

☆中公文庫(Cや1 20)『七つの黄金郷』第六巻

・・・おもしろかったよ。意外と読みでがあった。
内容については、これは読みたい人が自分で確かめるべきものだから書かない。
『七つの黄金郷』は言うまでもなく、山本鈴美香の未完の大作だ。
第三部のものすごくいい場面で終わっている。
今回読んだネームは第四部の冒頭部分で、話がどういう方向へ進むか
大体の方向がわかる。おもしろい、だけれど微妙かなあ。
山本鈴美香の作品の人間関係にはひとつのパターンがある。
年上の男(コーチ)と少し年上の男(藤堂さん)と少女(ひろみ)の三角関係。
エルドでは、これにもう一人加わっているけれど兄なので分が悪い。
少女まんが的な枠の中で描くことがるのか?
そして現実感覚を失わずに描くことができるのか?
ネームはぎりぎりのところで許容範囲だったので、
実は少しうれしかった・・・

第三部が書かれたのが1977年。ネームが書かれたのが1993年。
今年は2003年。四半世紀たったのに、果たして完成するかどうか未だにわからない。
少女漫画描きもその読者も気が長い(笑)