MOEで文庫の漫画を100冊選ぶという記事があって、 立ち読みして、あ、読まなくちゃと思った本が一冊あった。 楳図さんの『ヘビ少女』。表題作とともに『まだらの女』『ママがこわい』が 一冊の文庫になっているという。(角川ホラー文庫)
この作品が週刊少女フレンドに掲載されたのは、1965年から1966年。 当時、少女達の間に一大ブームをまきおこしたそうだ。 私はその頃小学生だったが、この漫画について、学校で友達と話した記憶はない。 しかし、いとこの家に泊まりに行ったときに、少女フレンドに載っている『ヘビ少女』を読んで ものすごく怖かった記憶だけは残っている。 おととしだったか、楳図さんの作品をまとめて買った時に、 『ミイラ先生』と『鬼姫』も入手したのだが、記憶の奥の奥の 小さい頃の恐怖をじわじわと思い出して、とてもおもしろかった。 そして、この二作品は大人になった今読んでも、十分楽しめる作品だった。
『ヘビ少女』はどうだろう。と、bk1から取りよせて読んでみた。 子供の頃住んでいた町を、大きくなってから歩く気分だった。 あ、ここは見覚えがあるな。あ、こういうところがあった。 でも、こんなに、小さくて狭い道だったっけ・・・・?
『ヘビ少女』は今よんだら怖くなかった。おもしろかったけれど。 『ミイラ先生』と『鬼姫』は怖かったが『ヘビ少女』は今は怖くない。 楳図さんが若い頃の作品だからだろうか?ヘビ少女に感情移入せずに お母さんの方に近くなってしまったせいかしら。(いや、もう私の方がおばさんかも) ヘビ少女のいる暗がりが今の住宅には存在しないせいかもしれない。
いとこの家は、隣県の小都市で、線路のすぐそばにあった。 子供部屋は二階の屋根裏みたいなところにあって、はしごを上っていくと 真っ暗な空間があり、ふすまを開けて部屋に入った。 いとこ達と私の姉たちがその部屋に枕を並べて寝ていると、列車が通る音や汽笛が聞こえた。 従兄弟のお兄ちゃんは、そのころ高校生で、ヘビ少女の似顔絵をいつも描いていた。 そこで『へび少女』や水野英子さんの漫画を読んだ。 そこでは水野さんの作品はより華やかに、楳図さんの作品はより怖く感じたのかもしれない。
試しに小5の次女に読ませてみたのだが、「コワイ」けど一回読めばそれでいいんだって。 へび少女がズルズルできる縁の下も、屋根裏もないからねえ。
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