『バルバラ異界』が再開された。掲載誌は「フラワーズ」で、『秘密』とは違う雑誌だが 同じ時期に、この内容ではどうしても関連させて語りたくなってしまう。 『秘密』は死後の脳の記憶を機械を使って犯罪捜査に限定して探るものだが、 『バルバラ異界』は人の夢を探る。 どちらも個人的な領域をのぞき見る作業なので、担当者は周囲の人間に非難される。
今月号の『バルバラ異界』は、説明的な場面が多くて、立ち読みの私は あとでゆっくり読もうなどと思いざっと流して読んだだけだが、 これまで萩尾さんが描かれてきたいろいろな作品を思い出させる キャラクターや設定がてんこもりで、しかも全然違う場所に着地しそうな 感じがするので、とても楽しみだ。 そして読んでいてとても論理的なストーリーの組み立て方のように思った。 清水さんのお話が無機的なものを感じさせる話でありながら、 着地する場所はいつも情緒的な場面であるのと対照的だ。 『銀の三角』のような話になるかもしれないね。
どうして今、人の精神の中を犯罪がらみの事件で他者がのぞきみるような 作品が描かれるのか?ちょっと気をつけて読んでいこうと思っている。 前回の『秘密』の掲載時に、掲示板でSF作品などとの関連も話題になった。 そのへんを詳しく書いてくれるレビューはないかしらん。
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