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漫画関連ファイル


2002年05月31日(金)
『岸辺の唄』 by 今市子

シリーズものの中篇が三つ入った本。
最初の二本が掲載されたところで、掲載誌が休刊になり、宙に浮いた三作目を描き下ろしで収録したもの。
舞台は大陸のどこか。アジア系のファンタジー。人間と鬼人(きじん)の出てくるお話。
そんなにページ数が多いわけではないのに、読むのに時間がかかる。
中身がいっぱい詰まっている感じ。いくらでもこの世界でお話を作ることができそう。
雨乞いの話も、預言者の話も、取替え子のような話も、とてもおもしろい。
ファンタジーがお好きなようで、これまでも何篇か描かれているが
日本の妖怪もの(?)よりも少しもの足りなかったのだけれど、ここにきて、クリアした感じがする。
ファンタジーもOK。キャラクターが印象に残るようになった。
あとがきに描かれているのは作者の照れだと思うけど、
「インチキファンタジー」なんて書かなくてもいいと思うなあ。
そんなこといったら、漫画なんてみんなそうなんだから。
続編を読みたいです。




2002年05月28日(火)
最近のよしながふみ

よしながさんの同人誌の最新作『猫とおじさん』を読んだのだけれど、
あまり読み返さなかった。ひとつ前の『小野は厨房で夢を見る』もそうだった。
連載の『西洋骨董洋菓子店』はあいかわらず絶好調なのだけれど。
どうやら私はコトに至るまでの経過とか、気持ちとか、そっちの方が読みたいらしい。
ただ楽しむだけのお話ならば、名前もストーリーも必要ないんじゃないか、とちょっと思った。
でも楽しむために寝るゲイというほうが、本当(?)なんだろうか。
私が読みたいと思っているのは昔ながらの少女まんがなのかな。

メロディ7月号に新作読みきりが掲載されている。
『愛すべき娘たち』母一人娘一人の家庭に、突然若い男が加わった。
しかも母の再婚相手。ひとり娘はその時どうするか?

よしながさんには珍しいく、この作品にはゲイ関係のお話はからんでこない。
一読して正攻法でぐいぐいと押しているという印象だけれども、
心情描写で終わってしまったのがもの足りない気がする。
これは何だろう?シリーズものだということだから、そのうち何か見えてくるかしら。
吉田秋生さんが、『櫻の園』とか『夢見る頃を過ぎても』を描いたような
そんな感じなのかしら?それとも全然べつものか?

ついでに、
『陰陽師』・・・そんなに難解な言葉を使っているわけではないけれど
真の闇についてのお話が、いまいちわからない。
ほろほろとお酒を飲んでいるふたりの方が好きなんですけど・・・・
量ったりせずに。
『ヒカルの碁』・・・連載再開!ヒカルがかっこよくなった。



2002年05月24日(金)
『テニスの王子様』

テレビ東京のアニメが『テニスの王子様』と『ヒカルの碁』でペアになっているので
原作を読みたかったけれど、自分で買うのもどうかなあと思っていたら、
次女が友達から借りてきてくれました。
正確に言うと、友達のお兄ちゃんの本なんだけれど、かわりに私の本を貸してあげてトレード成立。
『ヒカルの碁』は何冊か立ち読みして、全巻買ってしまったけれど、テニプリはまだわからない。

中学一年生の越前リョーマはテニスがうまい。
なまぐさ坊主の父親が、昔ものすごくテニスが強かったらしい。
テニスの強豪、青春学園にやってきて、あっというまにレギュラーになり、
都内の強豪チームと試合をし、都大会で優勝したところまでが13巻。
続きはまだでていないのかな?次は関東大会のお話だろうか。

最初からずーっと、ハイテンション。生意気。強気な主人公。
青学の先輩も他校のライバルも変なヤツばっかり。テニスおたくばっかり。
ワザは進化するけれど、精神的に成長したりはしない。
このまま、ずーっと話はすすんでいくんだろうか?
試合に勝って、全国優勝して、海外に行って、そしてその先どうなるのかしら。



2002年05月23日(木)
尾白と尾黒の海洋堂のフィギュア!!

朝日ソノラマから8月発売予定の『百鬼夜行抄』を予約すると、
海洋堂製の尾白と尾黒のフィギュアの応募券がついてくるそうな。
一冊3800円とちょっと高めの価格設定だけれども
フィギュア欲しさに買っちゃうかも・・・・
(今市子さんファンサイトの掲示板からの情報)

楽天ブックス
books.rakuten.co.jp/RBOOKS/NS/CSfLastGenGoodsPage_001.jsp?GOODS_NO=1446554



2002年05月22日(水)
『月の出を待って』by波津彬子

小学館から出た、A5版のコミックス。
本屋で買いそびれたので、ネットで買おうかどうしようか見たあげく
いつも家に届けてもらっている地元の本屋さんに、取り寄せを依頼した。
一週間かかったけれど、初版で届いたのでやれやれでした。
bk1では予約注文が多いと、在庫以上の注文は受け付けないようだ。
アマゾンでは、取り寄せ扱い(在庫切れの場合はキャンセル)となっていた。
波津さんの本って、人気があるのかしらん。
アマゾンには本が売れた冊数が表示されるのだけれど、けっこうな数でした。

お話は、「うるわしの英国シリーズ』と銘うって、19世紀イギリスを舞台にした
ロマンティックコメディの短編が収められています。
坂田さんのバジル氏と時代的にはかぶるけれども、すこし違う感じ。
クレア嬢だけは、ビクトリアを思い出してしまうけれど。
オースティンの世界をややライトにして、ほんの少しの不思議で味付けしたお話
といったところでしょうか。私は、こういうのがけっこう好きです。
意外と誰もがこういうロマンティックなお話を好きなのかしら?と思いました。
少女まんがを読み始めた頃の、最初のわくわくって、こういうところにあったのかも。
カンヴァゼーションピースのエピソードはいろいろなことを連想し(ハンバーガー?)
なおかつ使い方がとてもおしゃれで気に入っています。



2002年05月17日(金)
「萌える」ということについて

実は私は「萌える」という言葉を、今様の意味で使うことができない。
というのは、知人のお子さんの名前にこの字が使われているから
「萌え〜」という表記を見るたび、その子のことが頭をかすめ
なんとなく申し訳なくなってしまうのだ。
そこのご家庭は、そういう文化には全然縁がないので、
きっと今までは何ごともなく済んできただろうけど、子供達が大きくなった今
いろいろと言われることも増えてくるんじゃないかなと思う。
(そういうことに負けないくらい元気な子だから心配ないけれど。)
でもちょっとそのことについて書きたくなったので、使ってみる。(ごめん、Mちゃん)

昨日たまたま、某ちゃんねるの合宿スレのダイジェストを読んでいて、
ものすごく常識のない厨房とか、犯罪スレスレのいろいろな出来事を読んで
ひどいなあ、とかすごいなあ、とかネタじゃないの?とかいろいろ思ったわけだけれど
反面、そこまでいかなくても、誰にでもちょっとは可能性のあることかもしれないと
思ったんでした。それを説明しようと思うけど、できるかな?

何かに「萌える」という気持ちは、すごく個人的なもので
その人の志向とか嗜好とか、これまでに蓄積されてきたものとかが関係するし
その人の成育歴の中で欠けているものを満たしてくれるものを
発見した時に一気にそれに向かうんじゃないか?と思ったりする。
もちろんもっとお気軽な「好き」という意味にも使われているけれど。

客観的に見れば、それは個人的なものでありながら
世間の流行や、同時代的な要素に影響されている。
マスメディアからの情報を浴びて育っている私たちのバックグランドは
完全にオリジナルではありえない。

でも、自分にとっては、自分が「萌える」ということは、すごく大事なこと。
個人的な秘密。少し恋心に似ている。対象は三次元ではないこともあるけれど。

自分の心の中の一番やわらかい部分が反応した事柄について
もっともっと知りたくなる。もっともっと語りたくなる。
それが同人誌の活動と結びついていくのではないかと、私は推測する。
(あんまり詳しくないので推測)

即売会に行くと様々な同人誌があるらしいし、その中には自分にぴったりくるものが
見つかるかもしれない。ああ、どうして、こんなに同じことを考えているんだろう。
ひょとして前世で私たちは知り合いだったのではないかしら?
と思ってしまう人がいるのかもしれない。
そうして犯罪行為にまで行ってしまう厨房の方々については
言い訳のしようもなく、同じ物が好きということを口実に人の好意に
甘えようとしてしまうことは言語道断だけれども。

「萌える」ということが、ごく個人的な領域に根ざしたものだから
同じものに「萌える」人はすごく親しくなれる可能性もある。
今ほどネットや即売会が盛んではなかった私の学生時代、
萩尾さんの漫画を読んではまれるかどうかで探りを入れて、友達を作っていたこともある。
「塩野七生さんを読んだ?」というのも結構使ったような気がする。

ネットをするようになって、全国各地にそういう人たちがいることがわかった。
あの頃、インターネットがあったら、もっと早くに知り合っていた人たちもいたかもしれない。

厨房のみなさんと、出発点は同じなのかもしれない。
そこで犯罪行為へ走るのと走らないのの境は何か?
ありきたりだけれど、常識のあるなしか?
合宿スレを読んでいて思うのは、境界線上の方々も
けっこうそういう行為をしがちだということだ。
病気まで行かないけれど、そういう傾向のある人はたくさんいる。
何かをきっかけに、その面が大きく出てしまうことがある。
それに対して常識をふりかざすだけでは、対処できない。
対応に知識も必要だと思うのだった。
(よく知って、共存することが必要だと思う。これはまた別の話)

同じものに「萌える」人とは良い友達になることができる。
しかしこれも一転こじれてしまうこともある。個人的な大事な事柄であればあるほど、
こじれてしまうと大変かもしれない。実際の恋心と同じ。
人の心は、だからおもしろいし、やっかいなんだけれど。
そういうトラブルから超然としていることもできる。
でも、じつはそれもおもしろくないなあ、と思ったりするので
結論のでないまま、この話は終わるのだった。




2002年05月15日(水)
名香智子さんの公式サイトオープン

オープンしてからすでに、二週間くらいたっているようですが、
無聊庵のトップページでバナーを見て、さっそく行ってみました。
ちょっと画面が重いですが、きれいなサイトです。
ヒミツの部屋への入り口が見つかりません・・・・しくしく

名香智子.com
http://www.naka-tomoko.com/




2002年05月14日(火)
『ひみつの階段』 by 紺野キタ

スラダンを貸してくれたお友達が、おまけにつけてくれた数冊の中の一冊。
紺野キタさんの『ひみつの階段』
掲載誌が偕成社の雑誌だったので、最近まで知らなかったけど
『ひみつのドミトリー』は持っている。こちらは、未収録作品がまとまったものなので
本編を読むのはこれが初めて。
これはちょっと好きな人にはたまらない世界かもしれない。
舞台は女子高の寄宿舎。寄宿舎の古い建物は夢を見る。
むかし明るく笑いさざめいていた女の子達の夢。
今、さみしくて泣いている女の子の夢。
夢と夢がクロスして、少女達は時間を超えた空間に紛れ込む。
ガラス越しの光。校舎の暗がり。窓の外の木々の影。

私の入学した高校は、木造の古い建物で、廊下の板がぎしぎしと鳴った。
中庭がいくつかあり、迷路のような校舎の中には、行き止まりの使っていない階段があった。
窓枠の中のガラスは古くてゆがんでいた。
ずいぶん前に建てなおして味もそっけもない鉄筋の校舎になってしまったけれど。

『ひみつの階段』を読んで、その校舎のことを思いだした。
そこに通っていた頃、読んでいたいろいろな本のことも。
著者と読者は、たくさんのものを共有している。
セリフのひとつひとつ、引用される様々なものが、「ね?知ってるよね?」
と目配せをしているようだ。「もちろん知ってる。あの頃は良かったね」
思わずそう答えてしまうような、そんな作品。
女の子達がとてもかわいいので見ていて楽しいわ。

Sally Gardens
member.nifty.ne.jp/SallyGardens/



2002年05月05日(日)
『スラムダンク』完全版

ざっと読んだ感想なのでちょっと見当違いのことを書くかもしれないけれど。 
読み始めは花道のノリについていけなかった。だってバカなんだもん。
そういう話でずーっといくかと思いきや、巻を追うごとに空気が変わっていった。
後半にいくにつれて、実際のスポーツの試合の中で時々奇跡のように起こる瞬間を、
紙の上に捕まえた信じられないようなものに変わっていった。
こんなことができるんだね。漫画ってまだまだいろんなことができるんだね。
それは井上さんの圧倒的な画力によるんだろうか。
ただし、このお話は未完のまま終わっているような気がする。
花道は主役だろうか?流川が主役だろうか?
ぎりぎりのところで戦うスポーツを描いて深みにはまっていくうちに
花道では描けなくなってしまったんじゃないだろうか。
だって、花道は「素人ですから。」それが伸びていくという話にするには
あまりにも時間がかかりすぎる。
話を広げるだけ広げて、全国各地に魅力的な強豪がいて
さてこれからというところで話は終わっている。
流川と沢北の勝負は『バガボンド』に引き継がれたんだろうか。
天上天下唯我独尊的キャラが、他人にパスを出す瞬間というのは
どんなドラマよりもドラマティックで、そこで話が終わっても
それはそれできちんとした区切りではあるのだけれど。

スラダンの同人誌というのはたくさんでてるのかしら?
人気がピークの頃を知らないので、どういうものが出ていたのかわからないけれど
よしながさんのスラダンの同人誌は持っている。(三井×木暮)
こちらを先に読んで、本家を読むとどう思うか・・・・
いろんな組み合わせがあるだろうけど、一番話をふくらませやすいパターンだと思った。
よしながさんの木暮と原作の木暮ってほとんど同一人物じゃん。って思いました。
三井は、いくら不良だとはいえ、もとは真面目なスポーツ少年みたいだし、
よしながさんの三井とは別人だと思いました。よしなが版三井って、花道入ってません?

原作で私、洋平が好きなんですけど、そういうのありですか?