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漫画関連ファイル


2001年04月29日(日)
「少女まんが」についての覚え書き

1.少女とは何か?
  
  少女とは何をさすのか?
  年齢による区分 精神年齢による区分 実際は存在しない概念としての「少女」
  同様にして「少年」とは何をさすのか?
  
  幼女と少女と大人の女の境界は何か?(「少年」についても)
  初潮や初体験や出産や就職なんかはそのへんの判断に関わってくるのか?
  
  自分は少女であったのか?今は?(爆)

2.少女まんがとは何をさすのか?

  読み手側から定義した場合  「少女」が読む漫画
  書き手側から定義した場合  「少女」が描く漫画
  内容で定義した場合       「少女」が出てくる漫画
                     読者を「少女」と想定した漫画
                     「少女まんが」という概念にそって描かれた漫画

  児童まんがと少女まんがとレディースとボーイズの境界は何か?
  少年まんがと少女まんがの境界はどこか?

  (応用問題)
  少女まんがを読む男性読者
  少女まんがを描く男性漫画家
  少年まんがを読む女性読者
  少年まんがを描く女性漫画家
  少女まんがを収集するおたくな人たち
  について述べよ。

3.24年組が「少女まんが」に果たした役割は何だったか?

4.24年組は今も「少女まんが」を描いているのか?

5.今現在、「少女まんが」と言ったときに、具体的にはどのあたりを指すのか?

6.「少女まんが」という結界を張って、関係者が守ってきたものは何か?
  それに、ジェンダーの問題はどのように関わっているのか?

7.年をとった「少女まんが」関係者はいかにあるべきか?

掲示板と重複してますが、一応日記にもメモを残しておきます。



2001年04月28日(土)
丘けいこさんのHP

丘けいこさんのHPが今日オープンしたそうです。
あねさまの掲示板で見て、さっそく行ってきました。
ご本人の許可を得て作られているそうで、単行本未収録の
作品についての情報が豊富で、
復刻連載という形で、内容の一部を見ることができます。

私が丘さんの作品にふれたのは、70年代の
週刊マーガレットの頃なので、貸し本時代のことは
よく知らないのですが、それでも、当時の絵を見ただけで
いろいろと思いだして懐かしいです。
こんな形で懐かしい作品に再会できるのは
とてもうれしいことですね。

丘けい子の世界入口
http://mallkun.to/okworld/



2001年04月23日(月)
『西洋骨董洋菓子店』 第2巻

今月は2冊もよしながさんの単行本がでました。ううううれしい。
(以下ネタバレ)

天才パティシエの小野(魔性のゲイ)と
脱サラオーナーの橘(こっぴどく小野をふった過去あり)と
ジャニーズ系のケーキ職人見習エイジ(もとボクシング世界チャンピオン)の
3人が働くケーキ屋『アンティーク』に
新たな従業員が加わりました。
橘のお目付け役で幼馴染の千影。
背が高くて、小野がぐっとくるようないい男なのに、
天才的に何もできなくて、子どものように純真な34歳の男。

小野は本能的に千影にモーションをかけてしまいます。
そのシーンが爆笑ものです。雨の中でくるくる踊っています。
なんだかんだ言ってホテルに連れ込むところまでやってしまいます。
直前で逃げられたけど。
そして、翌日、そのことを知って怒鳴り込んできた恋人に
痴話げんかのあげくに小野は言います。
「何もなかったんだってば。キスだってセックスだってしていないし」
・・・・・その言葉は千影を深く傷つけます。

何もしてないから何もなかったわけではないのよね。
心の中のときめきや、うれしさの方が、実際の行為よりも
実はとても大切だということを、橘ですら知っている。
あやまりに行って小野はいいます。「千影さんはぼくにはもったいなさすぎる」
そうだそうだ。「かなりひとでなし」な小野は、こんなにやさしい顔をして
「たらし」なのです。このキャラの造形がたまりません。

エピソードを積み重ねていく形での読みきり連載ですが
大きな流れで様々な伏線が張ってある。最後まで読まないと
どれがどこに落着くのかわからないので、目が離せないのです。

この連載と『ジェラールとジャック』が並行して連載されていたのですから
なかなかすごいことだと思ったりします。

『西洋骨董洋菓子店』はWINGSで連載中。

Welcome to SHINSHOKAN
http://www.shinshokan.co.jp/comic/4shinkan.html

追記 ロリポップ、エイジ・・・・某作品を連想するのは私だけ?



2001年04月21日(土)
『やおい』についてのパネルディスカッション

まんがや小説その他について1990年から10年くらいの間は
あまり見ることができなかったので、そこだけぽっかり穴があいています。
子ども達に手がかからなくなったので、その間ににとりこぼしたものを拾っていますが
インターネットがなかったら難しかったかも。

さて、『やおい』も知らない間に隆盛を極めたもののひとつ。
書店の一角にみるみるうちに増殖していったあれは何?と思っていました。
掲示板でお友達にいろいろ教えてもらった中に、野阿梓さんのHPがあって
そこに載っているパネルディスカッションが、流れを把握するひとつの
指針になるかもしれません。

一番新しいパネルディスカッションの中で、書かれていることですが
JUNEものの創始者は中島梓さんのように、巷間言われてきたけれども
本当は、それ以外の場所からも芽はでていた。
じつは、海外でも同様のジャンルがある。
同時多発的に『やおい』的なものが生まれているのはなぜか?

私は、『やおい』成立過程のごくごく初期に、遠ざかってしまったので
よく把握していないし、当事者感覚なんて皆無なのだけど、
これだけたくさんの人が関わって、たくさんの作品が生まれているのは
必ずなにか理由があると思う。それは自分にとっても無関係じゃないことじゃ
ないかしらという気がするので、自分なりに追いかけていこうと思っています。
作品にあたる時間がないのでなかなかはかどらないんだけれども。

あと『ライトノヴェルズ』というのも今後の課題だろうなあ。

野阿梓ホームページ
http://www.lib.kyushu-u.ac.jp/staff/noah/noah.htm
やおいパネルディスカッション3
http://www.lib.kyushu-u.ac.jp/staff/noah/yaoi_pd3.htm



2001年04月20日(金)
『文鳥様と私』 第2巻

文鳥様と私の2巻がでました。
私は文鳥になんの思い入れもないので、あまりコメントできませんが
鳥の世界にも愛憎うずまくドラマがあるのね〜〜〜と思いました。
たくさんいる文鳥の顔が全部描き分けられているところに作者の愛情を感じます。
本が薄い割に高いです。でも買ってしまいます。
今市子さんの、文鳥への愛のかたまりのような作品集。
ナイゾウは尾黒に似ている・・・・



2001年04月19日(木)
『ジェラールとジャック』第2巻 その3

今日、道を歩きながらつらつら考えていたのですが、
いったいなぜ、この話がこんなに気になるのか。
今までの、よしながさんの作品とどこが違うのか。
そしたらちょっとだけ考えがまとまりました。
(この先ネタバレ 要注意)

お話の最後にジェラールの独白がある。
最初に見たとき、流れとしては、自然だけど、
どうしてわざわざこのシーンがあるんだろうと不思議でした。
自分を裏切って、子どもを捨てて死んだわがままな妻の墓の前。
愛するあまり裏切りが許せずに妻を憎んでいたジェラ−ルは
墓に向かってこう言います。
これまで、憎んでいたものたちを許そう。
独裁者や密告者や妻や妻の愛人を許そう。
妻を許せなかった自分を許そう。
(ここから引用)
『ジャック、お前を愛さなかったら
 俺は今でも自分を許せなかった』
(引用終わり)

お話は、両親の借金のカタに売春宿に売られた
貴族の少年ジャックが、平民のジェラールに身請けされるところから
始まります。ジェラールのもとで、ジャックは下男として働き
教育を受け、同時にジェラールのことをよく知るようになる。
お互いの欠けたところを補うように惹かれあって
そしてハッピーエンド。
表面的にはジャックの恋が成就していく過程のように見えるのですが
両親に捨てられた子どもであるジャックが、救われていく様子のように
見えるのですが、それは同時にジェラールにとっても救いであった、と。
数ある愛情不足の物語の中で、これくらい明確に
再生を宣言したお話は、これまでなかったんじゃないかしら。
ほとんど確信犯的独白シーンかもしれない。

お話しを夢中で読んでいる子どもたち、大人たちの中に
ゆっくりとこの言葉が浸透していくのかもしれないと思います。
気づかないくらいさりげなく。
そして、よしながさんの描くベッドシーンはとてもハードなんだけど、
気持ちいいものとして描かれている。自分の快楽を恥じる必要はない。
相手を愛することの表現としてのセックス。
これも自然に読者の中に受け入れられていくのかも。
頭と心と体のどれもが満たされていく、そんなお話ではないかと
思ったのでした。



2001年04月18日(水)
『ジェラールとジャック』第2巻 その2

昨日と今日と、この本を何回も読んでおります。
何回読んでも飽きないです。
読んで思ったのですけど、ハードなシーンもうまくて
ついつい最初はそこに目を奪われてしまったりするのですが
実はしっかりとした作りになっているお話です。

ジェラールの妻子への思いとジャックの両親への思いが
交錯し同調し、それを越えて違うものに変わっていく。
ベースにそれがあるので、一つ一つのセリフやコマに
なんともいえない深みがでるのかもしれません。
さらに、ほんの少しだけフランス革命の話がでてきますが、
これも舞台の背景としては効果的ですね。
『執事の分際』シリーズもフランス革命期の話で、
今のところ、革命はちょっとだけなんだけど、
この時代を背景にした本格的なお話を読みたいなあ。

さて、『ジェラールとジャック』第2巻には
たくさんたくさん、「決め」のセリフがでてきます。
ここには書きませんが、かなりぐっときます。
ここには書けないものもありますが、素敵です。
心のどこかをゆさぶるような、絵やセリフがたくさんあって
読んでいるのがとてもしあわせ。

こんなに何回も読み返すのは実はかなり久しぶり。
「これは恋か?」(←作中のセリフ)という気分そのままだったりして。

・・・そして、蛇足なのですが
一番クライマックスのシーンですが、これは明らかにあれですね。
パロディというよりオマージュ。オスカルとアンドレ。
これまで読んだいろいろな漫画の主人公達の幸福な結末を見るようで
幸せな気分になるのかもしれません。



2001年04月16日(月)
『塔に降る雪』文庫版解説by萩尾さん

初版で単行本を買う作家さんの、再録の文庫が出たときに
買うかどうかというのは、しばしば悩む問題です。
マニアをやっていた頃は、雑誌で買い、コミックスを買い、全集を買い、
選集を買い、文庫ももちろん買っていたけれど
この頃は、家にあるのでいいわ、という所に落着いている。
でも、収録作品が変わっていたり、おまけページがついていたり、
イラストが加わっていたりするので、油断できない。
インターネット上に、そういう書誌的なデータをきちんと
整理整頓してくれるサイトがたくさんあるので、ずいぶん助かっています。

さて、坂田さんの『塔に降る雪』ですが、本編も素敵なんですが、
文庫本に萩尾さんの解説文がついていて、これがとても素晴らしい
という話を、いくつかのサイトで読んで知っていました。
ちょっと気になっていたのだけれど、本屋さんではこの頃ビニ本化してるし
文庫はあまり好きではないので、買うのを迷っていました。
たまたま、昨日行ったブックオフで中身を見て、
即、買いました。

萩尾さんのファン、坂田さんのファンは一読されることをお薦めします。
人の作品を語ることは、自分の作品を語ることでもあるかもしれない。
坂田さんの作品を読むためのヒントであると同時に、
萩尾さんの作品をよむためのヒントもあるかもしれない。
あるいは、24年組の作品のエッセンスがあるかもしれない。
24年組の作品を栄養に育ってきた私達の心のお話しかもしれない。
わずか3ページの文章なのですが、いろいろな読み方ができると思います。

何年かぶりに読んだ『塔に降る雪』は、最初に読んだときとはまた
違った味わいで、心の中に入ってきました。
読むたびに印象が違います。

最近、この作品集について書かれたご本人の文章がいくつか
『サカタBOX』にあったので、直リンクしときます。

塔に降る雪/サカタBOX
http://www2u.biglobe.ne.jp/~ysakata/work/tanko/00tanko/4tonifuru/tonifuru.htm
新月宵/サカタBOX
http://www2u.biglobe.ne.jp/~ysakata/work/tanko/00tanko/4tonifuru/singetu.htm



2001年04月15日(日)
『ジェラールとジャック』 第2巻

家に帰って、インターネットの巡回ルートを見ていたら
『ジェラールとジャック』の2巻が発売されたとあったので
大急ぎで、本屋に買いに走りました。
SBBCは普通の書店では入荷が少ないので、扱ってる本屋は限られている。
一軒目は売り切れ、二軒目の漫画専門店の郊外型書店で
最後の一冊を買いました。やれやれ。

よしながさんをあまり読んだことのない人には、この本は
描写がハードかもしれない。連載時よりもハードになってたし〜
でも、それも含めて、この人の描くものはおもしろい。
連載を本屋さんで立ち読みして追いかけていた時の
わくわくする感じは単行本ではわかりにくいのだけれど、
ジェラールとジャックの恋の行方がどうなるか
一話ごとにきっちり押したり引いたりしながら進んでいく。

単行本でまとめて読んで、古きよき少女漫画のエッセンスが
たくさんつまっているようだ、と思いました。
『ベルサイユのバラ』や『白いトロイカ』に夢中になった人なら
ああ、なるほど。とわかると思うのだけど。
同時にとても現代的。ハードなボーイズラブだもんね。
そして意外なほどまっすぐで健康的な価値観に裏打ちされている。
古いもの、新しいもの、オリジナルなもの、
そういうものが同時に楽しめる漫画です。

ジェラールとジャック 第2巻
http://www.biblos.co.jp/beeep/pub/new/comic/c-5.htm
大沢家政婦協会 闇の関西支部 【よしながふみFC】
http://www.geocities.co.jp/AnimeComic/1383/

追記 西洋骨董洋菓子店の2巻も今月下旬発売予定です。楽しみですね!



2001年04月04日(水)
NHKドラマ『陰陽師』

午後11時からの放送を見終わって、一時間もしないうちに
漫画の『陰陽師』のファンサイトの掲示板に、感想が上がっていた。
だいたい同じような印象をみなさん書いていらしたので、笑ってしまった。
みんな、呪文を唱えながら見たのだって。
「11人いる!11人いる!11人いる!・・・・・」
気持ちはわかるけど、そこまでひどくはなかったので一安心?

最初は、岡野版晴明と稲垣吾郎の違いを探す方向で見てしまったけど、
番組のタイトルクレジットに岡野玲子さんの名前が出ないのを見て、
「ああ、これは別物なんだ」と思うにいたりました。
夢枕獏さんの原作から作ったドラマ。
そう思うと、かなり上手にまとめていたんじゃないかしら。

稲垣晴明は、現実離れした感じがよく出ていた。
ただ、冷たい美貌とか、超越した感じというのは違うかな。
博雅は、けっこうイメージどおり。そうそう、こんな感じよね!
という濃ゆい顔。とっても不器用で、「よい漢(おとこ)」なのに
神に愛されている楽才を持っているというところを出してくれるといいなあ。

照明や演出は、テレビドラマの撮影にしては、
クリアすぎて興ざめすることのないように
かなり、気をつかっていたように思う。

今後どう展開していくのか楽しみに見てみようと思う。

「カンダタ様を愛しているのです」というセリフには違和感があるなあ。
「愛しています」って、ちょっと現代的なセリフに聞こえるから。
あと、「おんみょうじ」と「げんじょう」のアクセントってあれでいいのかな。
私の思ってるのと違っていたわ。

ドラマDモード「陰陽師」
http://www.nhk.or.jp/dmode/story.html