百鬼夜行抄の新刊がでました。 シリーズが長くなってくると、ふつう、登場人物がおなじみになりすぎて 味が薄くなったり、馴れ合ったり、まとまりすぎたりするものだけど、 どこか底なし沼を残したまま、続いているのはたいしたものです。
底なし沼というのは、弱い人間がとりこまれてしまう、魔の世界でしょうか。 桜の木に食べられちゃうとか、埋められた人の幽霊が家の中をうろうろしたりとか とってもこわいのに、かわいい妖怪がでてきたりして、ほのぼのするところとの バランスが絶妙で、ついつい読み返してしまう。
今市子さんが、グレンスミスの24ページの呪いにかかってしまったのは 読者にとってはとても、幸せなことだと思うわ。 短いページに惜しげもなく詰め込まれるエピソードを いろいろふくらませて読むことができるから。
しかし、半分人間じゃないって、律はいったい何者なんでしょうね? それを言ったら、雨柳堂の蓮もだけど。
朝日ソノラマ ネムキ http://www.asahisonorama.co.jp/hp/nemuki.html
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