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漫画関連ファイル


2000年12月27日(水)
『多重人格探偵サイコ』大塚英志&田島昭宇

実家に帰っていたときに、高1の甥っ子から借りて読んだ
大塚英志&田島昭宇の『多重人格探偵サイコ』にちょっとひっかかっています。

一読して、これはなんとなくヤバイなという印象。
高1の甥っ子、『17才』の子供が読むことへの危惧を感じました。
次に、最初の2巻くらいはショッキングだけれども、
ストーリーが展開していくうちに、物語は力を失っていくのでな〜んだという感じ。
国家権力だの組織がからんでくると話がパターンに収束してしまうのね。
最後に、読み終わってから、じわじわと、2,3箇所のイメージが
頭から離れないのは何故かなという感じ。
最初の方に出てくる死体(じゃなくて生きていた場面かも)のイメージ。

現在の私は、テレビをほとんど見ないし、アニメも子供のつきあいで見てるくらいで
今の高校生くらいの年代で何が一番受けているかなんて全然わからなくなってしまってる。
原作者の大塚英志氏の名前は知っていました。
昔、凶悪犯罪が続けて起こった時に、いろいろな時評を読む際、
よく名前を見かけたような気がする。でも、ほかの人と区別がつかなくて
内容の印象は残っていないの。
その人がこういう内容の本を書いていることにちょっと驚いた。
年齢はほぼ私と同世代。

宮崎勤の事件が起こったときに、びっくりしたと同時に
そういう芽が自分の中にもあることに気がついた「おたく」な人たちは多かったと思う。
犯罪は犯さなくても、自分が紙一重だというたくさんの予備軍たち。
それはひそかに拡大進行してるかもしれない。
神戸の少年や新潟の監禁事件の犯人に親近感を覚える子供たちがいるかもしれない。

ゲームとかアニメとかまんがとか、そういうものを消費していく中で
作られていく共通理解は外部の人間には理解不能なものになっていくのではないかしら。
大塚氏はその橋渡しをできるような場所にいると思うけど、この作品の意図は何だろう。

私は、サイコをそういうことを考えながら読んだけれど、
死体の場面が頭から離れないのは、ちょっと惹かれている面もあるんだろうと思う。
その場面だけが暴走して、何か事件を起こす人間がいるかもしれない、と思う。
それについて、作者は責任を免れるのだろうか?

MPD-PSYCHO.WEB
http://www.mpd-psycho.com/index.shtml
大塚英志関連リンク集
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/syota/book/ootuka_eizi.html



2000年12月24日(日)
青少年のための少女マンガ入門

大掃除をさぼってふらふらしてたら、こんなのを見つけました。

青少年のための少女マンガ入門
http://www.tinami.com/x/girlscomic/

第1回 「サンマは目黒、サバは大島弓子に限る」 〜 大島弓子 『月の大通り』
第2回 「濡れていこうぜ、皆の衆」 〜 新條まゆ 「快感・フレーズ」
第3回 「癒し系エロティシズム溢れる迷惑系ヒューマン・ドラマ、今市子の世界」 〜 今市子
第4回 「女王様は発狂がお好き 〜めくるめく発狂の華麗な世界〜」 〜 一条ゆかり
第5回 「恋のダンスは、キャラ立ちからよ」 〜 名香智子
第6回 「鬼才のバランス感覚」〜明智抄
第7回 「キャンディ × 世間 = ジャリ劇画」
〜 いがらしゆみこ 原作 水木杏子 『キャンディ・キャンディ』 〜

けっこうおもしろいですよ。さて、掃除。



2000年12月20日(水)
『ガラスの城』 by わたなべまさこ

これも文庫発売のお知らせです。
『ガラスの城』がなんと密かに(って自分が知らなかっただけ)
発売されていました。詳細はこちら

集英社_書籍・文庫検索
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=4-8342-7181-1&mode=1

現在2巻まで発売されています。全部で5巻かな。
差別的表現その他はどうなっているかどうかな。
削られたりしていないかな。

最近古い版で読んだんだけど、今読むと粗いところもあるけど
この作品のもつ圧倒的なパワーはそのままでした。
やっぱりイサドラ。イサドラが一番でした。



2000年12月19日(火)
『 両国花錦闘士』by岡野玲子 復刊

先日チャットで、この本が復刊していると聞いて、
公式HPで確認してきました。出版社HPでの紹介はこちら

平凡社図書目録 詳細表示
http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/exec/browse.cgi?code=287041

ナルシストの相撲取りと、美人芸能プロ社長と、謎の美人秘書と
スポーツ新聞記者の若い女の子と、美肌大関と、変態三兄弟(相撲取り含む)
が、出てくる話。(なんちゅうまとめ方)

これまで2回出版されてますが、今回は一番サイズが大きくて値段も高いです。
表紙は、名画パロです。
第一巻は既に発売中、これから1ヶ月に一冊づつ刊行予定。



2000年12月18日(月)
今市子さんの文鳥本

今市子さんは商業誌のほかに同人誌もたくさん出していらっしゃると聞いて
返信用の切手その他を同封して、ペーパーを送って下さいと手紙を出した。
ペーパーがくるのはずい分時間がかかったけれど、
それを見て申し込んだ文鳥本2冊と、SODAファイナルは速攻で届いた。
どうやら、同人誌活動に一端区切りをつけていらっしゃるような雰囲気。
もう少し早くに申し込めば他の本も買えたかしら。

「驚異の文鳥本」と「神秘の文鳥本」を読んだら
文鳥本なのに、時々ホラーしているので驚いた。
ううむ。百鬼夜行抄を描く何かがやっぱりご本人の資質にあるのかしら。
ペットにのめりこむ気持ちがしみじみ伝わってきました。
(理解はできません。わはは)

お正月には、稲垣ごろちゃん主演で、作品がドラマ化されるそうだし
いろいろと楽しみですね。



2000年12月17日(日)
『薄情が薄氷を踏む』by名香智子

シャルトルシリーズ最終巻がでました。全12巻。
名香さんのファンサイト「名香智子パーティー」に、名香さんご本人が
いらっしゃってそろそろ一年半になるのでしょうか。
制作過程のコメントを読むことができて、連載途中も楽しめた作品群です。

この本に入ってる5つの作品のタイトルはみんなパターンがあって
考えるのが大変とおっしゃっていたけれど、見事に5つ並んでいる。
「薄情が薄氷を踏む」「非情が非運を招く」「強情は強制を嫌う」
「温情が温室を満たす」「無情が無聊を慰める」
それぞれ内容とちゃんとリンクしているところがさすが。
実は、12冊の単行本はすべて、収録されている作品のタイトルに
パターンがあって、こんなところにも遊び心が表れているんだなあと
思いました。

内容的には、ものすごく切れ味の鋭い以前の作品よりも
少し穏やかな感じ。それでも、まとめて読むと、ひとつひとつの作品の
いろんなところが楽しくてつい読み返してしまいます。
特に最終回は、ちょっと不思議な終わり方。
アンリの息子のフィリップの話なんだけど、今からフィリップの話が
始まるよ、というところで終わっている。
本当に始まりが終わりで、終わりが始まり、という感じ。
いくらでも話が作れそう。

シャルトルシリーズには始まりも終わりもないのだそうです。
では、きっと番外編や新しい連載も、そのうち読めるかもしれないのね
と思って、待っていることにしましょう。

追記 「名香智子パーティー」の掲示板が今年いっぱいで閉鎖だそうです。
   最近いろいろと問題があったそうで(匿名掲示板のことかしら)
   残念ですが、インターネット人口が増えれば増えるほど、公開掲示板は
   難しくなっていくのかもしれません。漫画家さんや作家さんとじかにコンタクトできる
   蜜月時代もそろそろ終わりでしょうか?



2000年12月13日(水)
『マーガレットとご主人の底抜け珍道中』

坂田さんの作品は雑誌で読むときと、単行本で読むときでは印象が違う。
普通のまんが雑誌に載っている時は、その画面の密度の薄さから
他の濃い作品の中のオアシス的役割を果している。

でも連載がまとまって単行本になると、その内容の充実度がはっきりと見えてくる。
単行本になって画面が小さくなると、普通の作品は絵の迫力が減ってしまうのだけれど
坂田さんの場合はちょうど良くなるのかしら。画面の密度が適正になって
そうなることによって、内容の密度もはっきり見えてくるのかもしれない。

『マーガレットとご主人の底抜け珍道中』は
好奇心のかたまりのようなマーガレット奥さんと、
フツーのご主人の旅行記と、生活雑記。
大きな事件は起こらないけれど、いろいろなアクシデントが楽しい。
そして、風や波や月や星や、不思議なものがたくさんつまっているお話。
麦の穂が風にそよぐたびに見えかくれする遺跡の模様。
呪いをかけられた海の中のルスの都。
ペンギンの幽霊。わけのわからない日本のイメージ。
物事に動じないマーガレット奥さんはお料理が上手。
振り回されながら、楽しくてしょうがないといった感じのご主人。
本を読んだあとに幸せな気分になれます。
雑誌で読んだだけの方は、ぜひ、まとめて読んでみてくださいね。
(文庫2冊で出ています)



2000年12月12日(火)
『花図鑑』 by 清原なつの

清原さんはデビューからりぼんに作品を描いておられた頃は
リアルタイムで読んでいたのだけれど
ぶ〜けの一連の作品にはずいぶん未読作がありました。
この2,3ヶ月でほぼ全作品を入手して読んでみました。

いや〜、変わってますね。かわいい絵柄に似合わないハードな内容でした。
もともとぶっ飛んだところのあった人ですが、『花図鑑』なんて、すごいです。
雑誌掲載時には「愛と性のなんたらかんたら」というあおり文句がついていたそうです。
どこまでもかわいく美しくしかも正確に語る。薬学出身理系体質。
「椿の花を落とさないで」「あなたと接吻いたしましょう」(←by大島さん)
というテーマで、かわいいのにすごく色っぽい。
『花図鑑』全5巻。おもしろかったです。

清原さんは大学時代を金沢で過ごされました。
作中に出てくる、植物園の中の東屋は実在します。
一般に開放されてはいないけれども、
金沢城の本丸のあった場所が植物園になっていて、
手入れのしていない兼六園といった風情です。
そういう描写も個人的には楽しかったです。



2000年12月11日(月)
『白眼子』 by 山岸凉子

昭和21年の北海道で戦災孤児の少女が、
不思議な力を持った男に拾われ育てられる。
その男の名前を白眼子という・・・

フィクションと但し書きがついているけれど、実話っぽいつくり。
本当の話なのかどうかは知らない。
山岸さんの作品の主人公はこのごろ、美男美女ではなく
平凡な容姿の目立たない女の子が多い。
平凡な人間がいろいろな出来事、運命の中で
悩んだり苦しんだりしながら、生きていく姿を
少し離れたところから描いているような感じ。
(平凡な人間だからといって平凡な人生というわけではない)

客観的ではあるけれど暖かい。
甘くならない程度のやさしさを感じる。
それを読んでほっとする。
白眼子と主人公光子の交流は
さりげないものだけれども、こんなに
しみじみと心に染みるのは何故かしら。

その暖かさの部分は創作であると思う。
ストーリーを組み立てて最後にどこに着地するかは
作者の気持ちしだいだと思う。
悲劇にすることも、教訓を引き出すこともできる。
何らかの告発や警告にもっていくこともできる。

山岸さんの作品は穏やかなごくごくまっとうな結末に着地することが
多くなってきたと思う。
宗教に走らず、この状態に着地するには、
バランス感覚と理性と意志の力が必要かもしれない。
山岸さんに限らず萩尾さんも大島さんも
ほれぼれするようなコントロールを見せてくれる。
彼女達の作品をリアルタイムに読めることを感謝しつつ
読者はため息をつくばかりです。
(物語としてみた時は別の問題があるかもしれないけれど)



2000年12月08日(金)
『たんぽぽクレーター』 by 筒井百々子

筒井さんの本を見かけるととりあえず布教用に買っておくようにしています。
『たんぽぽクレーター』を人に送ろうと、手にして読み返したのが運のつき。
結局最後まで読んで、涙してしまいました。

何回も読み返して、その都度泣いて、なんていい作品なんだ!と思う。
繰り返しです。そしてその都度、日記で紹介したくなってしまいます。

この作品のテーマはいろいろあるのですが、
最後に残るのは希望かもしれない。
それもきれいな言葉だけの希望ではなくて、
パンドラの箱の底に残った希望のように
いろいろと苦いものを受け入れてそのあとの
自分から選び取った希望のように思います。

最後の所で、それを信じるかどうか、というのはひとりひとりの問題で
信じないよりも信じた方が人生楽しいんじゃないかな、と思います。
宗教も結局そうですけど、宗教から離れても、選択するのは自分だな。

などということを改めて考えました。
これじゃ紹介にならないかしらん。そのうちちゃんとした紹介文を作ろう。
読みたい方がいらっしゃったら、メールでご連絡ください。
貸し出し用に一組用意してあります。



2000年12月07日(木)
紫堂恭子 公式ホームページ

お米関連の情報を求めてふらふらとただよっていたら
新しいHP開設の情報がヒットしました。
まだ、テスト版だそうですが、URLを入れておきます。

紫堂恭子 公式ホームページ
http://www13.u-page.so-net.ne.jp/sc4/k-u_k-s/

じつは、本だけはたくさん買ってあるのだけれど、
まだきちんと読んでいないの。
辺境警備なんてイラスト集まで入手してあるのにまだ読んでないの。
老後の楽しみになる前に読まなくっちゃ。



2000年12月06日(水)
『クリスタルドラゴン米』?

某日記を読んでいたら、『クリスタルドラゴン米』を通販で買った話が出てきて
なんのことかと思ってURLをクリックしたら、こんなんで驚きました。

http://www.nadeshiko.co.jp/okome/01.html

HPのTOPはこちらです。

なでしこ産業
http://www.nadeshiko.co.jp/

いったい誰がなぜ?というのは読んでもよくわからないのですが
結構マスコミにも出ているようだし、みなさんご存知でしたかしら。
一瞬、注文しようとした自分がこわい。袋ほしさに・・・・・