実家に帰っていたときに、高1の甥っ子から借りて読んだ 大塚英志&田島昭宇の『多重人格探偵サイコ』にちょっとひっかかっています。
一読して、これはなんとなくヤバイなという印象。 高1の甥っ子、『17才』の子供が読むことへの危惧を感じました。 次に、最初の2巻くらいはショッキングだけれども、 ストーリーが展開していくうちに、物語は力を失っていくのでな〜んだという感じ。 国家権力だの組織がからんでくると話がパターンに収束してしまうのね。 最後に、読み終わってから、じわじわと、2,3箇所のイメージが 頭から離れないのは何故かなという感じ。 最初の方に出てくる死体(じゃなくて生きていた場面かも)のイメージ。
現在の私は、テレビをほとんど見ないし、アニメも子供のつきあいで見てるくらいで 今の高校生くらいの年代で何が一番受けているかなんて全然わからなくなってしまってる。 原作者の大塚英志氏の名前は知っていました。 昔、凶悪犯罪が続けて起こった時に、いろいろな時評を読む際、 よく名前を見かけたような気がする。でも、ほかの人と区別がつかなくて 内容の印象は残っていないの。 その人がこういう内容の本を書いていることにちょっと驚いた。 年齢はほぼ私と同世代。
宮崎勤の事件が起こったときに、びっくりしたと同時に そういう芽が自分の中にもあることに気がついた「おたく」な人たちは多かったと思う。 犯罪は犯さなくても、自分が紙一重だというたくさんの予備軍たち。 それはひそかに拡大進行してるかもしれない。 神戸の少年や新潟の監禁事件の犯人に親近感を覚える子供たちがいるかもしれない。
ゲームとかアニメとかまんがとか、そういうものを消費していく中で 作られていく共通理解は外部の人間には理解不能なものになっていくのではないかしら。 大塚氏はその橋渡しをできるような場所にいると思うけど、この作品の意図は何だろう。
私は、サイコをそういうことを考えながら読んだけれど、 死体の場面が頭から離れないのは、ちょっと惹かれている面もあるんだろうと思う。 その場面だけが暴走して、何か事件を起こす人間がいるかもしれない、と思う。 それについて、作者は責任を免れるのだろうか?
MPD-PSYCHO.WEB http://www.mpd-psycho.com/index.shtml 大塚英志関連リンク集 http://www.cam.hi-ho.ne.jp/syota/book/ootuka_eizi.html
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