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漫画関連ファイル


2000年11月26日(日)
『シャンペン・シャワー』 by かわみなみ

先日見つけた2組の『シャンペン・シャワー』は引き取り手が決まりましたが
そのあとさらに一組見つけて、また買いました。
縁があるのかしら〜と読んでみたらこれがおもしろかったですね。
連載当時、読んでいて、ギャグの小ネタに受けていて
よくわかっていなかったけれど、全巻通して読むと
ストーリーに大きな流れがあることがわかります。
アドルはかわいい男の子(セーラー服にあう〜!)から、
しっかりした大人になっていくし、
ジョゼの変態ぶりは見事だし(でも時々やさしい)
マルロはただのヤなやつじゃなくて、なんだかかっこいいし
登場人物がみんな素敵。
サッカーを知っていたらもっと楽しかったんだろうな〜
・・・だからこの一組は自分用にキープしておこうと思いました。

私は、リサイクル書店に感謝しております。
こういう本に再会できるから。
新刊書店に置く余地のない古い本をもう一回市場に出してくれて、
読者の手元に返してくれるから。
新刊本の出版を圧迫したり、著作権者への利益還元がなかったり
問題はたくさんあるけれど、出版社と書店が抱えている問題点を
解決してくれた部分もあるんじゃないかしら。

そして、リサイクル書店の台頭と時をあわせて、インターネットが普及して
本の動きが全国的になって、個人的な取引もできて
どんなに珍しい本でも探せば見つかるようになったのは
とってもうれしいです。

本だけじゃなくていろんな面でそういう流れができてきたら
物の流通はずいぶん変わるんだろうなあ。



2000年11月23日(木)
『ブルーインパルス』 by ひだのぶこ

こないだ山のように買ってきた本のなかに、
何冊かひだのぶこさんの本が混ざっていた。
『ブルーインパルス』と『青春スマッシュ』
若木のTCDなので、とりあえずキープしたのだけど、
読んでみて頭を抱えてしまった。

発表当時、読んだ記憶がある。
それなりにおもしろかったから、名前を覚えていたんだろうなあ。
でも、ライバルが靴の中に画鋲を入れる場面が出てきたので
よく話のタネにはするけれど、実際にはそういう話は読んでいなかったので
あああ、と思ってしまった〜
画鋲をさしたくらいで、靴からにじみでるほど血は出ないと思うんだが・・・・

あ、そういえば、小学生の頃校庭でひとりで遊んでいて、クギのでた板を踏んだことがある。
その時はびっくりするほど出血した。でも、もっと怖かったのは
それだけ出血しても、ひとつも痛くないことだった。(足の裏って鈍いのかしら)
泣きながら家に帰ったけれど。

閑話休題。
画鋲をスケート靴に入れたり、ライバルを監禁したり、流氷にのせてしまったり
とんでもなエピソードが続くので、ちょっとびっくり。
でも、そういうお話が山とあるなかで、だんだん漫画は洗練されていったのかも
と思うと、何だか愛しいのでした。

『青春スマッシュ』も魔球の話がでてきて、『スマッシュを決めろ!』を
ほうふつとさせるのだけれど、いい感じの脇役の男の子がでてくるので
おもしろかったです。



2000年11月22日(水)
『残酷な神が支配する』スクリーンセーバー

小学館の「プチフラワー」のホームページがオープンしました。
開設記念に『残酷な神が支配する』スクリーンセーバーが
ダウンロードできます。
ふ〜ん、と思ってプレビューしてみたら
けっこう本気で作ってあったので、一見の価値があります。

これ見て思ったのだけど、やっぱり、萩尾さんの絵は一こまだけ切り取っても
きちんとした、スキのない、完成した絵になっているんだなあ。
壁から出てきたジェルミの死体(妄想)でさえ美しい。
この絵とあのお話が合体しているのだから
読者は感謝しなくてはいけませんね。

このスクリーンセーバーだけで、ちょっとした作品になっている。
作った人は只者じゃないかも。
でも、ふと気がつくと、パソにこのお話が写っているのは
ちょっとこわいかもしれない。

プチフラワーHP
http://pf.shogakukan.co.jp/



2000年11月18日(土)
『パートナー』 by名香智子

以前持っていた本を友人に貸したらそれきり返ってこないので
昨日また買ってしまった。『パートナー』ワイド版の全8巻
ちょっとだけと読み始めたら止まらなくて、
ついつい最後まで読んでしまいました。

いや〜本当におもしろい。何度読んでもおもしろい。
お話は、競技ダンスで世界チャンピオンを目指す話…
のはずだったんだけど、途中から完全に茉莉花ちゃんの
成長する物語になっている。
「いつまでもバカな女の子でいるなら結婚させてしまいますよ!」
という母親の高子さんのセリフに現われているように
この作品で名香さんは、ショジョまんがの枠をかる〜く越えて
読者の女の子達に、もっと賢くなりなさい、と言っているようです。
男の子と手をつなぐだけで、赤くなっていた茉莉花が、
恋人ができて、どんどん変わっていく。子供から大人へ。少女から女へ。
その変化を一こまの絵で、見せてしまうところがすごい。
さりげないセリフで表現してしまうところがすごい。
しかも正統的な少女まんがの華やかさを保ったままで。

ネタバレしてしまうともったいないのでこれ以上は書けないのだけれど
未読の方はぜひ一度読んでもらいたい作品です。



2000年11月17日(金)
『D班レポート』 by 坂田靖子

先日、金沢の小さな古本屋さんで、天井近くに積み上げてあった
本の中から『D班レポート』三冊揃いを発見し購入した。
それは状態もあまりよくなく初版でもないけれど、
これだけしょっちゅう古本屋さんに行っているのに
初めて見たのでつい買ってしまった。
発売当時買っているかもしれない。
実家の地層の下の方に埋もれているのでわからない。

坂田さんの作品のデータがあるはねうさぎさんのHPを
こないだ見ていたら、D班レポート第一巻の表紙が違う!
タイトルが『僕らは優等生』ででている。
私が買った第5刷では『D班レポート』第1巻になっている。

これは、続きが出るかどうかわからない時に出た初版は
タイトルが『僕らは優等生』なんだろうなあ。

そして、私は、ヤフーで初版を見つけて買ってしまいました。
…でも、中身はまだ読んでないの。2冊もあるのに。

こないだは、筒井さんの『1スウの銅貨』がラ・ポートと大陸書房で
表紙イラストが違うから買ってしまったし、
今日は今日とて、岡野玲子さんの『妖魅変成夜話』のスコラ版を
持っていながら平凡社版を買ってしまった。
(しかし『陰陽師』の白泉社版は買う気がしない。あの本は高いから)

だんだん、昔のマニア根性がよみがえって困ります。

追記
D班をぱらぱら読んでいたら、第2巻に花郁さんの描いたコマがあった。
アナスタシアのふたりとフェネラのお父さんかな?
三原さんのパロディもあった。3巻には某マスターの煙草をくわえた似顔絵パロディが。
ムサイのお兄さん(ジュリー!)は毎回コスチュームが違っていたし
ピンクレディーは全盛期だった。光陰矢のごとし!



2000年11月16日(木)
猫十字社さんのHP「猫つぐら島」

「POLKA」という雑誌を買った。学研発行。
この雑誌は今も出ているのかな?
10年前に発行された第2号。特集は『赤毛のアン』。
NON・NOあたりだと、何年かに一度は必ず特集になるので
珍しくはないけれど、プリンスエドワード島の写真がふんだんに使ってあったので。

家でゆっくり見ていたら、中に猫十字社さんの漫画が載っていたので驚いた。
『星の子猫たち』という14ページの短編。
これは読んだことがない。『小さなお茶会』のコミックスにも入ってないんじゃないかなあ。
私は、「ぷりんともっぷ」が好きなのでちょっと拾い物だわ。

いったいいつ頃の作品だろうと、検索して作品リストを探す。
猫さんの作品リストは見つからなかったけれど
ご本人のHPがヒットした。う〜ん、ネット上でもあのまんまだ〜
ということでご紹介です。

猫つぐら島
http://www.clio.ne.jp/home/teamneco/index.htm#anchor17662



2000年11月15日(水)
古本三昧

さて、古本屋さんをたくさん回っていると、いろんな本に出会う。
誰かの本を集めようと思うと、あっというまにいろんな本が集まる。
こんな本があったのか、みたいな本にばったり会ったりする。
金沢近辺はもう面白みに欠けるけど、
福井と富山は古本の宝庫のような気がする。私の場合、漫画関係に限るけど。

先週、福井と富山の古本屋さんを少しまわった。
今集めているのは夢路行さんの作品。意識して探すとけっこう見つかる。
でも東京三世社の本はなかなかないので、今後の課題。
その他、坂田さんの漫画のコミックス以外の本をチェックする。
x−filesの漫画化作品を手に入れた。かわいいキャラの出てこないシリアス作品で
映画的な演出がたくさん使ってあるので驚く。まだまだ引き出しはいっぱいありそう。
TOKUMAノベルズの『蘇州孤妖記』の挿絵も楽しい。
ハヤカワ文庫の『図書室のドラゴン』の絵は細いタッチでかわいい。
佐藤史生さん編集のアンソロジー『吉祥花人』は、本としてちょっとパワー不足かな。

人からすすめられた本はとりあえず買うので、家の中がすごいことになっている。
あっちもこっちも本の山。昨日は、電気の修理に人が来るというので
午前中いっぱいかかって、本をきれいに積みなおした。
もうどこかに収納するということは不可能なので。
ああ、地震が起きたら大変だ。



2000年11月02日(木)
藤原薫さんのまんが

藤原薫さんのまんがを5冊まとめて読みました。
思考少年第一巻、『おまえが世界をこわしたいなら』全3巻『禁断恋愛』全一巻の順番。
発表順とだいぶ違いますね。
何の予備知識もなくて、読んだので掲載誌も知りません。
いつどこでデビューされたのかもわからない。
見当外れのことを書くかもしれませんが、

最初の一冊を読んで残ったイメージはガラスと血でした。
それから人形。同じ顔と同じ表情の人形。
ううむこのままでは、あまりにも自己と他者が未分化、、、と思っていたら
『おまえが世界をこわしたいなら』でやや、小さなグループと対立が出てきました。
明らかに萩尾さんの世界に影響されていると思われる設定とセリフ。
でも味わいは、岡田史子さんに近い。内田善美さんより体温が低い感じ。
お話の最後に出てくるイメージ。ガラス球をもてあそぶ子供、
というのは作品世界そのものを差しているようで、もしかしたら確信犯かも。

ガラス球はきれいです。いつまでもながめていたいという気分はわかります。
そして壊れた破片で流れた血もきれいというのもわかります。
そのイメージを繰り返し追いかけていくことは可能でしょうか?
反復するのは描くのも読むのもつらくないでしょうか?
でも、繊細な線とイメージはじゅうぶん魅力的でした。



2000年11月01日(水)
牧美也子・水野英子・わたなべまさこ展の通販

弥生美術館で開かれている、牧美也子・水野英子・わたなべまさこ展の
カタログや絵葉書を電話で申し込んでおいたのが今日届きました。
一番欲しかった、水野英子さんの同人誌を手にして感無量です。
少女まんがの初期の初期、私はまだ小さくて、リアルタイムでこの方々の
活躍を見てはいないけれど、姉やいとこの本を読んで、
片鱗だけはかじっていました。
カタログの作品リストを見ると、その膨大な量に驚かされます。
でも、最初の頃の作品は、きちんと保存されたり、再録されたりせずに
そのままになっています。ああ、もったいない。
今のうちに、きちんと収集保存しないと、本当に埋もれてしまうのではと
私でさえ心配になってしまう。このお三方の作品だけでなく、
少女まんが全体についてですけれど・・・

さて、水野さんの同人誌は2冊。『すてきなコーラ』と『ローヌ・ジュエレの庭』
『すてきなコーラ』はその作品が好きで、同人誌を出すことを提案した
和田慎二さんと、編集者の渡辺さん(中山星香さんの作品に出てくるW氏でしょうか)の
尽力で出版された本だそうです。原稿探し、修正、編集、出版、、、
採算度外視の愛情でできているような本。
限定1000部でナンバリングしてあるのですが私の本は300番台でした。
この本はちょっと貴重かも。もし水野さんの作品がお好きなら
是非入手されることをおすすめします。
弥生美術館に電話をするとすぐに話が通じて、てきぱきと手続きをしてもらえます。
代金と送料を現金書留で郵送して一週間もたたないうちに丁寧な梱包で届きました。

じつは、水野さんの作品はそんなにたくさん読んでいなくて、
名作の呼び声が高い『ファイヤー!』も未読であるというていたらく。
ファイヤー以後の絵柄より、初期のマーガレットの頃の絵の方が好きなんです。

和田慎二さんの初期の作品の切抜きをいまだに取ってあるのですが、
どうして捨てがたかったのか、やっとわかりました。
『すてきなコーラ』のあとがきによると、彼は水野さんの絵を何回も何回もトレスしたという。
和田さんの絵が、水野さんの絵から育っただなんて、全然気がつかないまま
私は、そういうのがとっても好きだったんだ〜と納得しました。

弥生美術館概要
http://www.dnp.co.jp/museum/yayoi/yayoi.html