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漫画関連ファイル


2000年09月24日(日)
『月光の帝国』 by 森川久美

わー!見つけました。次号予告。
とりいそぎお知らせ。

コミック トムプラス次号予告
http://www.usio.co.jp/magagine/tom0010/nextT.html

すごくきれいな絵ですね。楽しみですね。
ところで、コミックトムプラスを書店で探したのですが、
なかなか見つかりません。取り扱い書店はこちら。

ショップリスト
http://www.usio.co.jp/magagine/tom_common/net1.html

さらに定期講読のお知らせはこちら

書籍検索&購入
http://www.usio.ab.psiweb.com/usio/order/order.html

潮出版社のTOPページはこちら
http://www.usio.co.jp/

ど修羅場がんばってください、、、、

参考:

宗家の三姉妹/THE SOONG SYSTERS
http://www.nifty.ne.jp/rforum/fcinema/new1999/thesoongsysters/
宋家の人々(TOWAオフィシャルページ)
http://www.toho.co.jp/towa/souke/welcome-j.html

予備知識が邪魔になることもあるので、上記URLは見たくない人は見ないでね。



2000年09月23日(土)
『ベルサイユのばら』の切手

明日9月22日に発売される「20世紀デザイン切手」シリーズ第14集には
『ベルサイユのばら』のオスカル(さま)のイラストが含まれています。
ついでに言うと『宇宙戦艦ヤマト』も。
切手を買う趣味はないけれども、ベルばら切手は欲しいような気がする。
それでもって、昔のマーガレットの口絵のイラストはがきに貼って、
来年の7月14日の消印を押す。

・・・・なんか、このところの私の日記は先祖がえりしてしまったかのようなマニアぶり
そういうことは「そつぎょう」したんじゃなかったけ〜〜

この切手集はバラでは売らないのかな?
郵便局にいってみないとわからないけれど。
明日、覚えていたら買ってこよう。1シート740円です。

「20世紀デザイン切手」シリーズ第14集
http://www.postal.mpt.go.jp/kittecolle/20c_des_14.htm

You Net Top ゆうびんホームページ(TOP)
http://www.postal.mpt.go.jp/
なにかと便利な郵便のページ。郵便小包の追跡もできます。



2000年09月22日(金)
20年ぶりの邂逅

「鳩よ!」10月号 岡野玲子特集
岡野さんの公式HPに紹介のあった、「鳩よ!」を買ってきました。
『陰陽師』についてのかなり濃い対談が載っていてお買い得ですが
あまり話がややこしくなってくると飛ばして読んでしまう私。
しかしこの本で、一つ驚いたことがあります。
岡野さんは、「嶺愁麻(みね・しゅうま)」だった!

おクチ様の日記でも紹介されているように、岡野さんはプチフラワーでデビューする前に、
ALLANに作品を描いています。その時のP.N.が「嶺愁麻」
私はその作品を読んだわけではないけれど、「フュージョンプロダクト」という
「ぱふ」から分裂した雑誌に、カットが小さく載っていたのを覚えています。(’82年4月号)

それを見て、これは誰だろう、どんな作品だろう、とものすごく気になっていたのでした。
記事には嶺さんがプチフラワーに移った話も書いてあるのに、『エスター、プリーズ』の
岡野さんとは結びつかなかったのでした。
それが今になって、ああ、あの絵の人が岡野さんだったのか〜〜!と感動しております。

誰か、ALLANの1981年1、4、8、12月号 82年2月号を持っていませんか?
持っていたら見せて下さいませ。そうそう、ヒロイン&ヒーローの『QUEER FOREST』も。
(これはいわゆる『オリバー』掲載号ですね)

「フュージョンプロダクト」を引っ張り出すために、「だっくす」と「ぱふ」を
見てしまいました。カットがふんだんに使ってあって楽しい雑誌だったね。
これも処分しようと思ってもなかなか捨てられないもののひとつ。
「捨てる!技術」は身につかない。



2000年09月21日(木)
まんがマニアの頃

昔の本の話を書いて、思い出したのだけれど、
小学生の頃は、異様に本の保存に気をつかっていたものだった。
人に貸す時は「きたない手でさわらないように」とクギをさし、
コミックスには必ず、カバーをかけていた。
それでも手の油染みなんかがつくことがあるので
そういう時はものすごく苦悩した(ホント)
背焼けや紙焼けに、ある日気がついて、ぎゃーっとさけんだこともあった。
(ほんの少し色が変わっただけだったんだけどね。)
そして、いろいろ考えたすえたどりついた保存法は、次のようなものだった。
まず、書店でもらったカバーをかける。(なければ自作)
それから、画用紙で函を作る。(函入りのハードカバーってあるでしょ。その自作)
それから、包装紙で包んで本棚に入れる。
読む時は包装紙のセロテープをそーっとはがして開けて出し
読んだらまた入れて封をする。
・・・ここで、あっと思った人がいたら私の仲間。セロテープを使うところがいまいちですね。
これは、5年もたつとのりが溶けてとんでもないことになるのだ。包装紙くらいならいいけど
本の本体には絶対使ってはいけません。(使うならスコッチテープ)

ある一時期の本はだから、ものすごく美しく保存されている。
よれのないビニカバつきの『美人はいかが』とか、『アラベスク』や一条さんの本
『お蝶でござんす』『どろぼうちゃん』(←なんでこんなものがあるんだろ?)e.t.c.
きれいに保存してあるからといって今の私にとって価値があるというわけじゃない。
でも、それを開けると、本を買って本の手触りや新刊の匂いまで楽しんでいた頃を思い出す。

今は、どんなに素晴らしい本でも本は本。読むために買うんだから
手垢がつこうと曲がろうとちっとも気にならない神経の持ち主になってしまいました。
どっちがいいかはわからない。



2000年09月20日(水)
『バナナブレッドのプディング』大島弓子

先日ブックオフを回っていたら、『バナナブレッドのプディング』のセブンティーンコミックス版が、
100円で売っていたので、実家に持っているけれど買ってしまいました。
ものすごく状態の良い初版本でヤスリをかけなけばもっと良かったのにという美本。
こんなに長い年月保存してあったのに、どうしてこんなところに出てきたのかしら。
きっと、持ち主の人生に大きな変革が起きたのね。(涙)
皮肉なことに、そういう蔵書が放出された時がコレクターには買いどきなのだけれども。
(同じ店でとても美しい青池本と名香本と坂田本を買った。おそらく同じ人のものだろう)

この作品を読んだのは高校生の時。月刊セブンティーンに連載されていたのを
毎月楽しみにしていました。時期的には綺羅星のごとく傑作が並ぶ1970年代の大島作品の、
『綿の国星』発表直前の連載。
作品リストをながめていると、この作品はそれ以前とそれ以後の作品に一線を画しているような気がする。
『綿の国星』シリーズで安定した世界に入る前の、境界線上を目隠しして歩いているような
どっちに転ぶかわからないようなギリギリの世界。
衣良の不安は少女の不安。夢の中の邪悪な鬼は自分自身。
当時、言葉で語れるほどこの作品は理解できていなかったけれど
作品の持つ力に圧倒されて、迷路のようなお話の中で何度も遊び、楽しんだ。

私は、当時からすでにおばさん化していたので、衣良でもさえ子でもなかったし、
教授や奥上でもなく、峠や沙良のようにやさしくもなかったので、
自分のことのように読んでいたわけではないけれども、、、、

今読むと、構造の確かさ、登場人物の見事さ、絵とセリフの絶妙さにうなってしまう。
そして、大島さんは早い。あまりにも時代の先端を行っていたんではないか?
20年以上たった今でもちっとも色あせていないのはすごい、、、

最後のページ、沙良の子供はチビ猫だったんだろうか?
チビ猫が生まれ育って、時間的にはもうすっかり大人になった頃かも。
ヘンな話だけれども、先日読んだ『グーグーだって猫である』の
グーグーはまるでチビ猫の子供。大島さんにとっては孫のような存在かもしれない。
だって、何でも許せてしまうのは、うちのおばあちゃんのような反応だもの。
人生の時間の変化を自然に受け入れて、淡々と過ごされていく姿もまた、
素晴らしいと思うのでした。



2000年09月19日(火)
『懐かしい花の思い出』 by 今市子

この単行本も表紙のカラーイラストにいまいち入っていけないような気がして
今まで買わなかった本の1冊。読んだらこれがツボでございました。
短編が10本入っていて、商業誌に発表されたものとしては初期のものだけど
それぞれ、後年の作品のベースになっているようなところがあって楽しめる。
中でも表題作の『懐かしい花の思い出』が好き。

小さい時に離れ離れになってしまった、双子の兄弟、真治と正之は
中学生になってから偶然出会い、自分たちの過去に何か秘密があることを知る。
ピアノの音と花の香りがいつも背景にあるような、そんな作品。

白黒のイラストの表紙に思わず見とれてしまうのは、私が最近まで
ステージママもどきをやっていたせいかもしれません。
胸元のレースが一番映えるような、濃い色のビロードのドレスを着て
ピアノの前で花束を持っている女の子が他人事には思えない。
作品中のおばあちゃんは、娘を追い詰めるようには見えないけれど
実際スポイルされる子供が多いからね、、、

『夏服の少女』も、コマのすみずみまで楽しめる作品でした。
家の中の暗がりや、そこに差し込む光や、和洋折衷の洋館が素敵だわ。



2000年09月18日(月)
『かくれちゃったのだぁれだ』by 三原順

8月21日付けの日記でご紹介した復刊ドットコムで復刊された
三原順さんの『隠れちゃったのだぁれだ』が、昨日クロネコで届きました。
私は書店で見たつもりになっていたけれど、
まるっきり初めてだということが読んでわかりました。

もうこの世にはいない人の過去からの手紙のように、いろんなことを思いました。
絵本だけれども、彼女の毒とユーモアはそのまま、、
あまりにらしい話に泣き笑いといった心境です。

隅々まで丁寧に彩色された小物を見ているだけでも楽しい。
出てくる子供達は漫画本編に登場していたかしら、
ラストのオフィスにいた大人たちは誰だったかしら。
ちょっと、いろいろ読み返してみようと思いました。

発刊された当時の価格は1200円でした。
復刊ドットコムでは当時のそのままに復刻されていますが
発行部数が500部なので価格は2500円。
送料手数料などが、680円。消費税が125円で、合計3305円でした。
実物を見るまでは、この価格は少し高いのではないか?
と思ったりしましたが、新刊として手にする喜びを考えると、
まずまずかな、と思います。

500部は完売したので、現在追加注文を受け付け中です。

復刊ドットコム リクエスト投票
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=157



2000年09月17日(日)
> 『グーグーだって猫である』by 大島弓子

うっかりしていたら買いそびれてしまって、探していた
『グーグーだって猫である』の重版がでました。
サバは亡くなって、大島さんは病気をされ退院されて
グーグーが来て、ビーが来て、それでも日常は続く。
そのことに何よりもほっとしているのは、私たち読者かもしれません。

グーグーもビーももう人の形をしていない。
これは、下記URLで、大塚さんが書いておられるように
大きな変化かもしれない。
しかし、グーグーはとても生き生きと描かれている。
鳴き声やちょっとしたしぐさまで愛しい。
そんな気持ちが読んでいるとわかる。
大島さんは、サバの死を悼み、でも、サバのことを忘れず
グーグーもビーも自分が生きていることも
受け入れて肯定していらっしゃる。
読んでいて切ない。だけど、じわじわと元気が出てくる本でした。

角川書店 『グーグーだって猫である』大島弓子 
http://www.kadokawa.co.jp/book/contents/200007/2003.html

大塚英志のおたく社会時評
http://www.netcity.or.jp/otakuweekly/BW0.3/column1.html



2000年09月16日(土)
『YASHA―夜叉―』についての対談

さっき本屋でいろいろと見ていたら、JUNE10月号に
吉田秋生さんと佐藤嗣麻子さんの対談が載っていた。
先頃放映された『YASHA』について、原作者と監督の対談でおもしろかった。
原作と映像化された作品は別もの。
でも、素材を提供する側としては、料理人に愛があるとうれしいのだそうだ。
TVドラマ『YASHA』には愛があったのだって。
残念。見てないわ。あの時間帯にコンスタントにテレビを見るのは難しい。
DVDが発売されるそうだけど、うちにはプレイヤーがない。
ああ、プレステ2が欲しい。

ふたりともやはりトリイ・ヘイデンやアリスミラーの著作を読んでいるそうだ。
う〜ん。そりゃもちろん、人それぞれひねりはあるけれど、、、、
それだけではないけれど。う〜んう〜ん。



2000年09月15日(金)
2chの夏目房之介さんのスレッド

ふらふらと、ネットサーフィンしていたら、作家とファンについて書かれた
あるゲーム会社の社長さんの日記がいろいろなところで話題になっていて、
それはそれでおもしろかったんだけれど、
関連ページを片っ端から読んでいたら、こんなのを見つけました。

夏目房之介さんについて
http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=comic&key=964631820

かの有名な2チャンネルの夏目スレッドにご本人が書き込みをしている、というもの。
2チャンネルはいつも、見ているわけではないけれど、西鉄バスジャックの時に
「ネオ麦茶」の書き込みが見たくて行ったことがある。
これこそいろんなものがつまったカオスのような場所ですね。
フレッツISDNを始めるにあたり、どこのプロバイダがいいのか調べに行ったこともある。
ここででWAKWAKざんまいのことを知ったのでした。(DSLのことも)

夏目さんは、匿名のいろんな人がああだこうだ言っている場所に
あのまんま現われて、ごく普通にふるまっておられます。
それに従って、みんなお行儀が良くなっている様が見てとれる。
こんなに書き込みして大丈夫だろうか?
と、思ったら、しばらく、個別のレスは凍結するんだって。
でもついさっきまでそこにいた気配が楽しめるので、ご紹介まで。



2000年09月14日(木)
『雨になればいい』

しとしとと雨が降り続く中、娘達は絵の教室に傘をさして歩いて行った。
少し前までは、わずかな距離でも車で送り迎えしていたものだけど、
さすがに3年生と5年生になると、もう大丈夫な気がする。
2時間ほどして、姉が帰って来た。
「あれ?まだ帰ってないの?先に先生の家を出たのに…」
妹の方が先に帰ったというのに、まだ家には着いていない。
「どこかで寄り道しているのかな?」
と、窓の外を見るが見渡せる限りの並木道に人の気配はない。
「変だなあ。」

絵の教室から家まではほとんど一本道なので、迷いようがないし、
雨の中、寄り道のしようもない。
「ちょっと見てくるから、家に帰ってきたら携帯に電話して」
と言って外に出た。

雨は小ぶりで少し肌寒い。並木道の歩道を歩いている子供はいない。
どこかの用水の水の流れでも覗き込んで時間をつぶしているのかしら。
先生の家に忘れ物でも取りに行ったのかしら。
そうこうするうち、先生の家に着いた。でも、いなかった。

ここで本格的に心配になってきた。
人目のない住宅街で車にでも連れ込まれたらどうしようもない。
誘拐でなくても、変なのにつかまってたら大変だ。やっぱり迎えにいけばよかった、、、
昨日読んだばかりの『雨になればいい』を思い出してしまう。
あれは本当に怖い話だな。親にとったらたまらない。
救いがないわけじゃないけれど、ぎりぎりの狭間をねらっていると言ったら言い過ぎか。
『ペット・セマタリー』もそういえば、そうだった。

家に帰って警察に電話するべきか、もう少し待つかと逡巡してると、
見慣れた黄色い傘がこちらに向かってかけてくる。
「どうしたの!」と思わず大声を出してしまった。
「あのね、今日はおねえちゃんの誕生日だからね。プレゼント買ってきたの。」
「黙って行ったら心配するでしょ。」「でも、内緒で行きたかったの。」

ああ、よかった。何もなくて。
何もない日常は何よりも幸せなことなんだ。
これまで雨に打たれた子供達のことを思うと、心のどこかが
ちくちくと痛むような気がする。子供達の両親の心は休まることがないと思う。
そんなことを思った雨の一日だった。



2000年09月13日(水)
森脇真末味を読む

森脇さんの漫画を初めて読んだのはプチコミック1979年12月号の
「緑茶夢―グリーンティードリーム」だった。
茶嘆のマスターのキャラクターがすごく変わっていて、悪魔的で、セリフが大人で
いったいこれを描いた人は誰だろう、、、とプチコミックの古本を買いあさり
商業誌に載ったものはほぼ集めた。
飾りのすくない、ペンがきしむ音がきこえるような描線で、
ああ、同人誌をやってる人なのか、というふうに思っているうちに
あっという間に、『緑茶夢』シリーズと『おんなのこ物語』でメジャーになって
ううむ、こういう売り方と、この人の作品の質は両立するんだろうか〜
とちょっと心配になった。
そのうち舞台はプチフラワーに移り、グレープフルーツにも時々登場し
だんだん読むのがつらくなっていった。
どこか線の細い神経質なところが、登場人物の中にあって、
破滅願望みたいなものを心の中に持っているんじゃないかしらと思っていたけれど
現実的な地に足がついたキャラクターが、彼らをこちらに連れ戻し、バランスをとって、
作品としては安定したものになっていたと思う。
それがだんだん、キャラクターの表情は冷たく、理解を拒むようなり
現実的キャラはこちらに彼らをつなぎとめることができなくなってきたような。
そして、私は漫画を読まない時期に入ってしまった。

最近、『ユージーン』と『アンダー』を入手して、読んだ。
『ブルームーン』はまだ全巻揃っていないので読んでいない。
あちらがわに行ってしまってるわけでもないんだな。ただ、私のようなお気楽な読者が
求めるような、きれいにまとまったラストシーンを描く気はなさそうかな。
商業誌に商業誌が求めるようなものを、職人的に作ることは
いまだに苦手な人なんじゃないだろかと思った。
そういうところが好きでたくさんのファンがいるんだろうな。
現在はJUNE誌に小説を挿絵入りで書かれているらしい。

blue moony green tea dream
http://www.geocities.co.jp/Hollywood/5082/index.html



2000年09月12日(火)
『砂の上の楽園』 by 今市子

2、3年前に描かれた短編を集めた本です。
収録作品は『砂の上の楽園』『僕は旅をする』『雨になればいい』『夜の森の底に』
表紙が異国風で、いったいどんな話か見当がつかず、
買おうかなどうしようかなあ、と思っていましたが、
読んでみたらさほど違和感なく表題作も楽しめました。
『砂の上の楽園』は長編読みきりにするには惜しいようなストーリーとキャラクター。
ああ、もったいない、いくらでも伸ばして話が作れそうなのに。
砂漠のオアシスの描写の一こまが、どこまでも丁寧に描かれているので
もう少しゆとりがあったら、その場所にトリップできそう。

子供の頃は、わずかな描写で十分その場所に入っていけたものだけれど
このごろでは、それが難しいのはなぜでしょう。熱中して読んでいてふと気がつくと
自分の部屋だった、、、みたいな読み方はなかなかできなくなってしまいました。
でも、この本はちょこっと、その感覚を呼び戻してくれるような場所がいくつかあって
お買い得だったわ。

表題作以外の3編は、こわい。
『百鬼夜行抄』じゃないのにこわい。
弟がふっといなくなったあとの、部屋の描写を淡々と描かんといてくれ
と言いたくなってしまう『僕は旅をする』
このあといったいどうするんだ〜という所で終わっている『雨になればいい』
たっぷり満足できる『夜の森の底に』
私は最後の話が、なぜかとっても気にいって何回か読み返しました。
ちょっと『ひいなの埋葬』を思い起こさせるシチュエーション。
いろんなものが盛りだくさんにつまってる怖い話。

「グレンスミスの24ページの呪い」(←今市子特集号より)は、
けっしてマイナスに働いているんじゃなくて、いつかあれくらい短くて深いお話を描くという
決意になってるんじゃないかしら。



2000年09月10日(日)
岡野玲子公式HP正式オープン

仮オープンからずいぶん経ちましたが、岡野玲子さんのHPが
9月9日に正式オープンしました。
さすがに公式サイト、画像がふんだんに使ってあって、
年表、著作リスト、インタビュー記事のリストも完備。
新刊などの情報もくわしく載っています。
コンテンツもこれからますます増えていくそうで、楽しみですね。

OGDOAD_top
http://www.najanaja.co.jp/index.html



2000年09月02日(土)
『白のフィオレンティーナ』by戸川視友

某歴史系サイトで話題になっていて、気になっていた『白のフィオレンティーナ』を
やっと、出ている単行本全巻と(7巻)、「ラキッシュ」今月号まで読みました。
冬水社の雑誌も単行本もまるっきり読んだことがないので予備知識ゼロ。

16世紀のフィレンツェで画家を目指す少女フィオレンティーナと、保護者アルフォンソの
ラブストーリーを軸に、ミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、ラファエロ、イザベッラ・デステ、
アルフォンソ・デステ、ルクレチア・ボルジア、チェーザレ・ボルジア、e.t.c
登場人物は百花繚乱。

登場人物の顔がみな同じとか、学園ラブストーリーっぽいキャラクターで
歴史ものが書けるのか?というのが最初の感想だったんだけれど、
読み進むうちに、だんだんおもしろくなってきました。

アルフォンソ・メディチの性格が好き。おだやかに、おだやかに進んできて、
やっと8巻目くらいのところで、我を忘れてフィオレンティーナを守るために
剣を取ったアルフォンソ。話が俄然、おもしろくなってきました。
まだまだお話は入り口なんだな、きっと作者はこの先もちゃんと考えていて、
登場人物を動かしていくのかもしれないな、と思わせる展開でした。
ジョヴァンニ・メディチとミケランジェロの関係もなかなか興味深いです。

そして、かっこいい男の子達と、かわいいフィオレンティーナが好きで、
このまんがを読んだ読者が、16世紀のイタリアに興味を持って、
その方面にはまってしまうということも十分ありそうで、
学校で歴史がないがしろにされがちな今日この頃では
貴重な作品ではないかと思ったのでした。

冬水社オフィシャルページ
戸川視友のプロフィールとインタビュー
『白のフィオレンティーナ』紹介
ライターズ・スクエア(戸川視友)



2000年09月01日(金)
『あしながおじさん達の行方』第2巻

『あしながおじさん達の行方』の第二巻が出ました。完結編。
第一巻では全然わからなかった人間関係が全部クリアになって、
なんてまあ複雑な話。でも、おもしろかった。
『百鬼夜行抄』でもそうだけれど、読者の予想を裏切ってくれるところが
楽しいのだけれど、今回は、ページが足りない感じがしました。
もう少しゆっくり描いてあったらもっとよかったな。
登場人物ひとりひとりにサイドストーリーができそう。
続編があるといいなあ。(と、機会があったらお伝え下さい。えへへ。)

昨年発売されて入手しそこなっていたネムキの「今市子特集号」を
某ぼのぼのさんのご好意により入手できました。(どうもありがとう。)
インタビューがおもしろかったです。
ローカル線の終着駅の海と山にはさまれた町ってよくわかります。
今年の夏も海水浴に行く時通りました。
あそこに『百鬼夜行抄』の根っこがあるのかと思うと、感慨深いです。

以前ご紹介した今市子さんのファンサイト「もののけ道」は閉鎖され
新しいファンサイトが、ふる〜る( fleurs )さんによって開設されました。

− 妖の景 −
http://homepage2.nifty.com/fleurs/aya_top.html