市立図書館で順番待ち37番、待つこと2ヶ月でやっと読みました。 『永遠の仔』 読んで、あれれれ〜? これってまるっきり『残酷な神が支配する』じゃないの? 最後の手紙の内容も、まだ見ぬ残神の解決策として、多くの人が 予想しているもののひとつ。
なぜ、こんな物語が今書かれるのか?時代が必要としているのか。 それとも、そういう症例が増えて、研究書がたくさん出ているせいなのか? 著者にそういうものを書かざるをえない動機があるんだろうか。
いずれにせよ、まずテーマが先にあって、すべてがそこに向かっているので 物語に読者が遊ぶ余裕とか、流れに身をまかせる快感は得られないまま、 次つぎと悲劇が起こる。ちょっ不完全燃焼気味の物語のように思いました。
人格障害や、人との関わりをうまく結べないことの原因を 生育歴やトラウマに求めることがあまりに一般的になりすぎて、ちょっと食傷気味。 いや、実際、そういうことはあるし、深刻な問題だけれども、 創作の場にそれを持ち出すのは、物語の自由さを奪っちゃうのじゃないかしら。
そういう物語を読むことによって、救われる人がいるかもしれないから あまり大きな声でワルクチは言えないけれど、、、
|