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漫画関連ファイル


2000年06月28日(水)
Bel.Diabolica1が届きました

坂田靖子さんの自費出版本「Bel.Diabolica1」が
今朝クロネコヤマトで届きました。木曜日の1時くらいに、電話で申し込んだのに
ナンバー入りはGETできなくて残念だわ。

おもしろかったです。不器用で誠実なケルウォースの領主ツヴァスと
何を考えているのかよくわからない魔法使いヴァルカナル(美形)のお話。
ちょっと、商業誌では坂田さんが描かれない世界でうれしいかも。

昔、エルドンを見た時に、苦手だな、と思ったことを思い出しました。
同じ頃、やはり自費出版の『アモンとアスラエール』を読み、
アモンのキャラクターが当時高校生だった私には把握しきれなかった。
アモンの毒はエルドンにも少し見え隠れしています。
商業誌で坂田さんが描き続けられるうちに、だんだんその毒は
見えなくなっていって、万人に受け入れられる世界になっていったように
思いますが、それでも時々、ちらっと出てくることもありました。

今度の本を読んで、デビューされた当時の作品のことを思い出しました。
一読者にすぎない私には、商業誌の編集サイドがどれくらい、漫画家さんの作品に
口出しするものか知らないけれど、ある程度コントロールされているのかな。
そういうものを離れた時に、描きたいものって坂田さんの場合は何なんでしょう。
それがこのシリーズで、わかるかもしれないと思うと楽しい。
もうすでに、ちょっと違う世界の片鱗が見えているような感じもします。
昔と違って、アモンやエルドンの毒もぜんぜんオッケーな今日この頃。
脳内麻薬の赴くままに、どんどん好き勝手に描いていってほしいな
と思いました。

一冊400円は、とてもお買い得かも。
『アモンとアスラエール』を引っ張りだして見てみたら、
1976年4月1日発行、400円。
24年もたっているのに同じ値段で本が出るなんてすごい、、、

サカタBOX
http://www2u.biglobe.ne.jp/~ysakata/



2000年06月27日(火)
『まぼろしの白馬』 by エリザベス・グージ

『まぼろしの白馬』について書こうと思って、本を探したのだけれど、
どこへ行ったのか出てこない。
萩尾望都的な世界と言って、まっさきに思い出す本。
もともとは、本好きの友人から教えてもらった。その子は少女の頃に図書館で見つけて、
ずいぶん夢中になったらしい。初出の訳本の表紙の手触りさえ、愛しいと言っていた。
何年か前に福武文庫に再録され、最近では、岩波少年文庫で出ているらしい。

『まぼろしの白馬』
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/11/7/1121410.html

『まぼろしの白馬』and萩尾望都で検索をかけたら、4件ヒットした。
まず、小谷真理さんのプロフィール。
kotani profile page
http://inscript.co.jp/kotani/kotani%20profile.htm
次に、有里さんの本買い日誌(Alisato's 本買い日記 1999年12月後半)
しかし、このページのどこにも検索の言葉が見つからないのはなぜだ?
http://www2r.biglobe.ne.jp/~alisato/diary/199912_b.htm
ニムさんの日時計(日時計9907)
http://www.mars.dti.ne.jp/~gmotaku/diary/hidokei9912.htm
なるほど、という顔ぶれ。

そして、最後に若い女の子のページにたどりついた。
20才くらいの大学生かな。早稲田の学生さんかな。
昨年の日記の「少女趣味宣言」の項を読んで、かなり共感してしまいました。
年齢じゃないのね。若くても、志を同じくする人はいつでもいるのね。

すべてのよろこびは永遠を欲してやまぬ。
http://www.mars.dti.ne.jp/~halfmoon/diary/02.html

さて、肝心の本の内容については、本を見つけてから書くことにします。
「妖女サイベルの呼び声」も探しているの。再読したくて。
いったいどこにかくれているのやら。



2000年06月25日(日)
『コーリング』 by 岡野玲子

潮出版社から7年前に出版されて、しばらく手に入らなかった
岡野版『コーリング』がマガジンハウスから復刻されました。全3巻。
7年前に出た時に書店で手にとりながら買わなかったのは、
原作を読んで手に余っていたから。
マンガ版でも読むのがつらい、と思ったせいかもしれません。

原作はパトリシア・A・マキリップの『妖女サイベルの呼び声』
イルスの竪琴で大好きになり、サイベルの世界の雪の降り積もった山のしんとした静寂も
とても好きなのだけれど、この話は20年前の私にはきつかった。
サイベルが自分のプライドを打ち砕かれるシーンがつらい。
それを回復するために、愛するものを失うかもしれない復讐に
駆り立てられるところもつらい。
しかし、ゆっくり読めば、そういうものからサイベルが開放される
再生のお話なのですが、、、

岡野版では、生真面目なほど原作に忠実に、茶々を入れずにマンガ化されています。
実は通して読んだのはこれが初めてですが、私も少しは大人になったのか
きついだろうと思っていたシーンさえ、しみじみ味わって読めました。
冬の大気のようにぴんと張り詰めて美しい物語。
それを、絵で見ることができるのは幸せです。

ところで、かえすがえすも残念なのは、CDがついていた潮出版社版を
入手しなかったことです。
誰か持っていたら貸してください〜



2000年06月23日(金)
『唐人屋敷』 by 波津彬子

6月19日発売。金沢は一日遅れで20日発売。買いに行ったのは今日22日。
本屋さんを何軒か回ったけれど、なかなか見つからなかった。売り切れてて。
マンガ専門店には無かったが、家に近いビデオ屋さんの中の本屋にあった。

グレープフルーツのウサギ少年の頃は読んでいたけれど、
ずいぶん長い間、波津さんの作品が読めなかった。
昨年やっと雨柳堂を1冊手にとった。
それからは、一気に全作読んで、この頃はちゃんと新刊をフォローしている。
全く別のものとして楽しめるまでに、ずいぶん時間がかかったものだ。

花郁さんが亡くなってからもう20年もたつというのに、
いまだに惜しむ声は絶えることがない。私が花郁さんに気がついたのは
『夏の風うたい』だった。それからはリアルタイムで絶筆の『兄弟仁義』まで追いかけた。
亡くなられたことを知ったときはショックだけれど、その時はそれが
どういう意味かわかっていなかった。さあ、これから、という時だったから、
特に名を知られている代表作があるわけでもない。
それなのに、なぜ、こんなに、読者の心に残っているんだろう?

同じ環境に育ち、多分お仕事を手伝っていらっしゃった妹さんである
波津さんに、お姉さんの作風の面影を見てしまう読者が多かっただろうと思う。
実際、作品に取り上げられるモチーフには共通のものが多い。
一番身近にいた人だから、それは仕方のないことだろう。
それを認めた上で、このごろでは、おふたりの違いがやっと見えてきたような気がする。
もうとっくにそんなことわかっている人もたくさんいるだろうけれど
私は、20年かかってしまった。

昔懐かしいロマコメ。東洋趣味。西洋趣味。もののけ。美青年。
頭にとりつく動物達。兄と弟。姉と妹。あの世とこの世。彼岸と此岸。

どれもこれも、好きなものばかり。最近ではこれに「猫」がレギュラーになりそう。

『唐人屋敷』も、わけもなく格好良いサングラスの主人公と、とぼけたその友人と
わらわらと湧いて出るもののけがとっても楽しいお話でした。

花郁悠紀子ファンページ 〜花に眠れ〜
http://www2r.biglobe.ne.jp/~alisato/book/kai/index.htm
波津彬子ファンページ:波津パラダイス
http://www2r.biglobe.ne.jp/~alisato/book/hatu/index.htm