ヒカゲメッキ by 浅海凪

 まとまらない小ネタと日記

「わたしに、死ねと仰るのですか」

 問うてしまえば良かったのだろうか。そうすれば、楽になれたのだろうか。
 この身に刻み付けられた罪の証を、突き付けられるその重さを、支えきれずに崩れ落ちてしまう前に。

 考えずにはいられない。あの時こうしていれば、などと。愚にもつかない無意味なことを。
 けれど私は、歩き出さずにはいられなかった。私を捕らえて放さないあの方の腕のうちから逃れ、この罪の贖いを荒野に求めて。

 満たされたる月は欠け初め、とがびとはただ地をさまよう。
 罪もこの身も朽ち果て、すべて無に帰す日を待ちわびながら。


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 職探しと平行して長編のネタを練っておるのですが、なかなかまとまりません。どうも華のない地味ーな話が好きなようです。

 このサイトには、復讐だの人殺しだの戦争だのと物騒な話しかないのだと唐突に、そしていまさらに気付いてしまいました。
 仔猫と大人気ない長生きさんのほのぼの日常的話とか、らぶこめっぽい話とか(らしくねえ!)、テイスト違う感じのネタもあるにはあるんですが。ひとまずは100題短編の他は浮気しないことにします。

 今日のできごと。試験の自己採点をしたところ先生に太鼓判を押されて、高揚した気分のまま上位資格の受験も決意し、対策講座に申し込みを果たす。
 実のところどうしてもこれを使った仕事がしたいというわけでもないのですが、というか一級取ったって関連職に就けるわけでは全然ないのですが、やるなら可能性高いうちに上までいってみようかと。持ってないよりは持ってた方が選択の幅も広がりますしね。

 さー明日からまた仕事だー。

2005年06月30日(木)

 たとえばそれは(ネタです)

 夜の帳がおりてくる様を目の当たりにするようなものだ。

 燃え盛る炎のもっとも輝かしい光の色に照り映える、世に二つとないあの双眸。激しい怒りと強靭な意志を宿して、すべてを焼き尽くしてしまうのではないかと危惧を抱かせるほどにまっすぐな。誰にも代わることのできない重荷を進んで負うたとがびとの、その罪の証だという瞳の色。
 それが、ほんのひと時、生来の色を取り戻す。
 強い風によって揺るがされた炎が、すぐに勢いを取り戻すのと同様に、それもまた瞬く間に覆い隠されてしまうのだが。
 流れぬという涙の代わりに憂いを刷くその色は、日が暮れゆく空に似て、闇と炎とを隔てる境を妙なる濃淡で侵している。
 あまりに重い罪業ゆえに神に下されたという残酷な罰と、それよりもさらに重い苦難を見据えて進む強い意思。分かちがたくかの身に収められたものは、いずれも人ひとりで負うにはあまりに大きすぎるというのに。
 それでも、かの人は苦難に膝を折ることなく、とがびとを灼く断罪の火のうちに己の意思を隠して、立つ。
 その様を、その強靭さを、胸を掻き毟られる悲しみとともに、喩えようもなく美しいと感じ、私はただ言葉もなく息を呑んで、圧倒されてしまうのだ。
 手を差し伸べることなど、届かぬ空に対しては何の意味もない。
 己の無力を噛み締めながらも、私は、一息で消えてしまう黄昏の瞳に、どうしようもなく惹かれている。



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 あんまり体が重くって頭がぐらぐらして勉強が捗らず、現実逃避してみました。すべきことなんにもやってませんハハハ。
 まあでも、疲労が溜まっているときは休養を最優先することにしました。本格的に体壊したら元も子もないので。
 根本的に頭脳労働に適性がなく、瞬発的な肉体労働を好むくせに基礎体力がないのが、アサナミの抱える問題のようです。

 ここ一週間ほど、心を捉えられてどうしようもなく毎日毎夜思いを馳せるサイトさまというかオンライン小説があるのです。が、あまりに気持ちを奪われすぎてどう表現していいかわからず、感想の一言すら送れない始末。ううう、この情動をしたためて作者様に伝えたい……!

 そんな恋煩いみたいな気持ちを持て余したまま、わたくしは明日早朝から出張してまいります。
 オレオレ詐欺な上司と。車で。
 ……ハア(とおいめ)

2005年06月08日(水)
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