私季彩々
DiaryINDEXpastwill


2003年10月29日(水) 本屋というものは・・・

 久々に本屋に行った。大きな本屋は街中にしかないもので、車中心の生活になっている私には、徒歩10分の札幌駅も縁遠いのだが、通勤途中にいい本屋があった。

 で、溢れる雑誌の片隅に、農業関係の超マイナー雑誌を読んでしまったりする。「団塊帰農」「マイホームよりマイファーム」など、惹かれる言葉が表紙に書いてある。その中に、2泊3日の体験研修旅行の記事があった。北海道の深川拓殖短期大学と石狩空知の農家が組んで、体系的に学びつつ新規就農を、というものだ。メンバーは老若様々だが、最近こういうのは良くあるようだ。どういう人々が参加しているのかが気になるところだが、「大学院で体内時計の研究を・・・・」という文が目に入った。よくよく記事全体を探すと、見知った名前。私が院に在籍していた時の某助手である。

 確か、この先生は万年助手であった。資格の関係から、この科にいては先も無さそうな感じで、辛そうだった。それでかどうかはわからないが、こういう転進も考えているということだろうか。とにかく驚いた。「しばらく先の話として農業を」と書いてあったが、大学研究者過剰が加速する今後、後進に追われる身分としては、いろいろ思うところもあるだろう。そのような転進が、経済的にも何度か可能な世の中になって欲しいと思う。

 この先生は、この研修に行くことは誰にも言っていないと思う。まさか、こんなマイナーな記事を読む人が知り合いにいるとも思っていないだろう。そう考えると世の中本当に狭いものだ。そういう狭い縁が、プラスとなるかマイナスとなるかで人生大きく変わってくるのだろう。

 そんな生を抱えている人々が、いろんな本を読んでいるところ。小さい頃手にとっていた少年週刊誌の絵柄に引いてしまいつつ、同じ系列の本を読んでいる人に無性に話をしてみたくもなる。もしかすると、本屋というのは貴重な出会いの場なのではないだろうか、と思ってみたりした。 Home&Photo


2003年10月25日(土) 豊かさ。

 豊か、というのは素敵なことだと思った。

 日々、いろんなことに追われたり、将来のことを考えたりすると、今という時間の豊かさに気付けずに過ぎてしまうような気がする。そう考えると、今、余裕がある人々が妬ましくなる。ずるいと思う。

 私は月に一度、老人ホームなどに行っている。慰問グループの見学のようなもので、そこで何かをするわけではない。行くだけだ。
 そこに参加している方々は、綺麗でよく手入れされた犬を連れてくる。もちろん多くが血統書付。時間にもお金にも余裕がある方々が多く、やはり主婦層が中心だ。内容もスマートで、みていて気持ちのいいものだ。十分、生甲斐となる。参加者の笑顔がそれを物語っている。

 それを支え可能としているのは何かと考えると、彼女らの豊かさである、という一面はやはりある。豊かさの向かう先にある優しさ。妬ましくも、私は素敵だと思う。必要だと思う。

 私は借金を抱えてかなりひぃこら言っているが、こういう活動に参加できて本当に良かったと思っている。もちろん、私なりに出来ることはたくさんある。やりたいこともたくさんある。
 そのために、私は豊かになりたいと思う。心もお金も。両者はやはり共に必要で、相乗効果をもつものだろう。
 時に、片方がマイナスの符号を持つと大変だが、それは絶対値が変わる以上に容易に変化する時もあるのだろう。しかし、それ以上に信じられる光景が、私に目の前に確かにあったから、やはり豊かさは素敵だと思う。とっってもほど遠い現状なんだけれどさ。 Home&Photo


2003年10月21日(火) 猫乏尿

 気にはなっていたのだが、頻尿と乏尿気味だった愛猫が、気味とは言えなくなって来た。ほとんどしていないし、よく見ると血尿だ。これはやばいと、職場へ連れて行った。

 尿が取れれば検査をしようと思ったが、どうも出てこない。膀胱は萎んでいるので尿閉は無さそうだが、石が有るのが一番怖い。詰まってはいなさそうだが。

 抗生物質で様子を見ようか、カテーテルを入れてみようかと思い悩んだが、手頃な太さの物が無かったこともあり、素直に病院に行くことにした。

 案の定、ストラバイト。尿pHは7.5を示した。カテーテルはすんなり入り、結石は無かったが、顕微鏡では細かい血漿がある。これらが膀胱を傷つけているようで、出血があるようだ。手当ては補液、抗生物質、止血剤、粘膜保護剤と型通り。処方食も頂いた。今までの12倍の価格だ。ひぃ。

 臨床というのは、やはり難しいものだと思う。私はテキストどおりの典型例しかわからないので、手際のよさに惚れ惚れしてしまった。とても同業とは思えないさ。

 しかしまぁ、飼い猫を病気にしてはいけないわ。まったく、情けないったらありゃしない。もっと勉強して、少しは自分でも出来るようになろう。まったく素養が無いわけでも無さそうだ。 Home&Photo


2003年10月16日(木) 冷たき水の精

 寒冷前線が通過したような急な雨が、午後の弱くなりかけた明るさを覆った。すぐに止んだが、たっぷり吸い込んだ水分は冷機も一緒に閉じ込めて、秋の木々達を鏡のように映す黒いアスファルトに異世界を作った。

 それに気付くのは、決まってこの頃の夜。オレンジ色の街路灯に、遮断機の下りる赤い点滅。アスファルトから立ち昇った冷たいウンディーネが、光源をぼんやりと浮かび上がらせる。車のヒーターがかかり始める頃、足元の不確かさがぼんやりと頭をよぎる。

 ラジオからは、切れ目の無いインストゥルメンタルが流れる。終わりも無く、DJの差し挟む言葉も無い。こんなFMがあっただろうかと、不思議になるが、車は滑らかに進む。救急車がやけにゆっくり目の前を曲がっていく。
 全てがゆっくりと、しかしスムーズに進む。時計は遅いが、ずっと早いペースで帰っているようだ。時計がゆっくり動いている。ただそれだけかもしれない。

 今朝はほとんど眠れなかった。浅い眠りに怯えた夜のドライブは、眠気も襲わずにスムーズに流れた。気だるさは冷たい水の精と相性が良いのだろうか。けれど、きっといつか、見てはならないものに引き合わされそうな、そんな美しすぎる女性なのだろう。魅せられる畏怖に心が揺れるような、そんな気がする。

 たぶん、そう遠くないうちに、雪が舞い降りることだろう。 Home&Photo


2003年10月14日(火) 本当にありがとうございました。@^^@(ほぉ&めぇ)

 けっこう昔からチャットをやっていた。といっても、部屋を開くホスト役が主で、どこかに遊びに行くということはほとんどなかった。開く部屋も地味な部屋で、地味なところに置くものだから、来る人はほとんどいなかった。それが丁度良くて、パソコンの前に座っている時は、とりあえず開いていた。たまぁぁに出入りがあるのが私的には良かったのだ。

 印象に残ることはたくさんあった。そこでは私は羊だったり梟だったりした。不倫や自殺未遂や、朝のニュース番組に出演する直前のキャスターだとか、山好きな方とか、仕事に悩んでいる人とか。「とんと」がスペイン語で「ばか」だと教えられたのもここだった。もちろん紹介される身の上が本当とは限らないが、本質的な面は飾りのない人ばかりだった。素敵な出会いばかりだったと、本当に感謝している。
 あいにく素っ気無い奴であり、ネットという性質から、その後長続きするようなことはほとんど無いが、疎ながらも続いている方もいる。私には丁度良い関係ということだろう。またお会いしたい方ばかりである。

 というわけで、私にはネットに関する偏見は一切無いが、一般の人がネットでの出会いに偏見を持つのはわかる。私も持っていたし、そこだけに依存するのは良くないと思う。そういう中から同棲を始めた友人などが現れ驚いたりもするが、それももちろんありだろうなと素直に思う。

 いつもチャットを開いていたMSNが有料化された。ホストが払うだけならよいが、訪れる人まで有料化されてしまったので、非常に閉鎖的になってしまった。これではふらりと入れるところではなくなる。ナンパ部屋とか、エロ部屋とか、ネット独特の素直な部屋の中に埋もれるのが良かったのだが、それも叶わなさそうだ。小さな素敵な楽しみも潮時だということだろうか。残念残念。

 辛い時、行き詰まった時に、随分助けてもらったと感謝している。そういう空間がネットワーク上にあった。インターネットとは非常に人間的な空間だと思う。

 改めて、そこで出会った素敵な方々に感謝です。またどこかでお会いしましょうね。めへへへへ。 Home&Photo


2003年10月12日(日) 再び土地探し。

 ここのところ、再び建築熱が高まっている。今年の冬を越えたら、動き出すつもりだ。なんとか費用の目処をつけて。首にならなければだけれど。

 密かに当てにしている土地話は返事をもらえず。まぁ、紹介してあげるよ、の一言は思い付きだったのだろう。なかなか難しいものだ。で、ネット上に公開されている、ちょっと個性的な物件の現地へ行ってみた。ただの売り地ではなく、芸術村のようなコンセプトの中の土地だ。
 行ってみると、そこは石狩平野を眺望できる丘の上で、確かに良いところ。かなり立派な家が立ち並び、上品な感じが見て取れる。区割りは思っていたよりも狭く見え、私の感覚がおかしいようだ。これでも300坪はあるようなのに。

 私の想定では、とにかく自分で建てれるものを作る予定なので、ここに建ててあるような建物の中ではかなり浮く。ここはコンセプトがあって面白そうだが、その分かなりお高めのようだ。同じ所に鬱蒼と木が茂る林地もあるが、個人でここを宅地化するのは難しそうに思える。さてさて。

 でも、私の中ではかなり規定路線である。ろそろ動き出さねばどんどん年を経てしまうなと。とりあえず動き出そうと。ちと焦っているかもなと思うが、振り返ると随分長い時間を惑いつづけた。

 誰もいない静かな丘の上で、ゆったりと建ち並ぶ素敵な家々を見ながら、さてと思う。こういう形で私が暮らすとすると、それなりの覚悟が必要だなと。

 さてさて、帰って猫と話し合って、ゆっくり考えてみましょうか。恵庭から自動車30分圏内くらいで坪1万円を悠に切る土地に心当たりのある方、連絡お待ちしております。 Home&Photo


2003年10月10日(金) 小望月揺れる露の湯に境界のぼやけたような人等が集う

 髪を切ろうと思いつつ、予定は結局ギリギリになってしまうわけで。日も落ちた頃にエィッと出かけたが、けっこう混んでいたのであっさり却下。閉店間際で迷惑かけるの嫌なんだよねー、といいつつ。

 で、腰が痛いのは昨日のボーリングのせいだろう。私の投げ方はいろんなところに無理がたたるやり方。最近は膝もちょこちょこずれてるのが自覚できているので、いよいよ御歳もごまかせぬか。ほほほ。

 そこで、温泉になぞ。こういう時はこれに限るということで。

 途中、大型ホームセンターへ寄り、買い渋っていた電源タイマーをついに購入。決まった時間に通電を開始して終了するコンセントである。今時珍しい超アナログで感動ものだが、2980円ととっても高い。今時需要もなさそうだが、だからこそかもしれないが。熱帯魚用の照明に便利だと思って。ちゃんと管理しないと水草腐らせたり、藻が生えすぎたりするから。というときちんとやってそうだが、結局なぁぁんにもしてないのだけれど。止める事も考えたのだけれど、もう少し続けてみようかな、とね。

 温泉はかなり温めで、あれって感じ。露天も賑やかな連中がいて興ざめだったが、十四夜の月が美しく、濁った湯に深く体を静め、すぐそばにある海の潮音を想ってみたが、周囲の若さがそれを許さなかった。よよ。といいつつ、湯は堪能。多少は体がほぐれたでしょうか。私、友人毎日温泉に浸かっていそうな御老人。なんか共通点があるような。

 乱視がひどくなってきた。昔の人だったら、こんなだったら生きていけないな、と話しつつ海沿いの道を家路につく。


小望月揺れる露の湯に境界のぼやけたような人等が集う Home&Photo


2003年10月09日(木) ボーリング

 久々のボーリング。お疲れお疲れ。
 最高は26.2km/h。球速ばかり見ている堕落ボーリングなり。だってどうせスコアはたいしたことないんだもの。うまくカーブがかけられないし、かける気もないとなれば、お楽しみは全力投球ということで。
 3年ぶりだけれど、131はまぁまぁかな。ダブルの後のガーターがなければねぇ。
 で、案の定、1ゲーム以降では制動が効かず、見る見る球速が落ちて行く。ま、そんなもんだねー。
 と、いうことで、ボーリングはせいぜい2ゲームまでだね。あたしゃももう若くないさね。がたがたー。 Home&Photo


2003年10月02日(木) 私信拝受

 ごくごく普通に一日が過ぎました。ちらっとは思う瞬間はありましたが。気を使ってくれた親には、夜も遅いということで心の中だけで御礼を。それでは何も伝わらないってわかっているけれどね。ごめんなさい。
 そんな中、メールをくれた方、どうもありがとう。この場を借りて御礼を。タイミングの合って無さは生来のものなのでご勘弁あれ。ほほ。 Home&Photo


2003年10月01日(水) 馴染み深き長皿割りてひととせが過ぎたらし秋刀魚買いて思ほゆ

 午前休みになったので、ついでに近所のダイエーに寄ってみた。優勝セールに一の市が重なって安かろうかなー、と。ま、かなり賑わっていた。

 でも、大してそそられる物は無く、といいつつ、39円のピーマンとか秋刀魚とかで喜んでしまっている私。しっかり底値はさらっておりますです。

 男にしては、生活価格というものを熟知しているつもり。鶏肉の値段を知らない女性陣に、男女差別ではなく単純に「あーあ」と思ってしまったり。やはり、経済感覚というものは譲れないと思う。いえ、やもめ暮らしが長すぎるわけですが。

 秋刀魚を乗せる長皿が無いな、と、ふと思う。いつ割ってしまったっけか。実家から持ってきたあの皿は、今となっては実家にもなくなっているように思える。そう考えるともったいなかったな。そんな長い皿を使うようなことも無かったということでしょうか。

 魚好きな私としては、これからは良い季節だ。ほとんど肉ばかりを買ってしまうのは、使い勝手と安さから。でも、最近サボりがちな自炊を復活させたいところ。その為には早く帰らなければならないのだが・・・・。ついでに弁当作りも。

 日々冷え込んできて、ベランダ農園のミニトマトの色づきも止まっている。枝豆はだいぶしょぼいが、一食分くらいにはなるだろうか。今年は冷害の声が大分聞こえる。どんな実りでも感謝しないとねぇ。
 そういえば、駐車場のところに景気よく生えている草がレモンバームに思えてならない。葉をむしって香りを嗅ぐと、レモンティーそのもの。間違いないのでは? 我が栽培中のプランターのは、ものすごくしょぼいというのに。はは。

 目当てはお米だったが、無洗米の安いのは無く、通常価格でお買い物。新米は次回におあづけという事で。

 おいしい秋の実りをまだ見ぬ(見た)皆様と頂ける日を楽しみにしております。


馴染み深き長皿割りてひととせが過ぎたらし秋刀魚買いて思ほゆ Home&Photo


とんと |MAILHomePageBBS

My追加