事故によるその他物損のリストを作る。被害を受けた品々(スーツ、財布、靴、バッグ)の購入時期と値段を書き込む。やっぱこういうのも減価償却があるので新しい方がいい。
でも時期だの値段だのなんて細かく覚えてませんよ。あの馬鹿の事を思い浮かべながら記憶を辿ると全部最近買ったような気がしないでもないような気がしてきたので購入時期は全部2002年○月、と書く。値段はなんとなく正確に。突っ込まれたら困るしな。つーか靴なんて実際1ヶ月くらいしか経ってねえし。バッグは友人の結婚式の引出物のカタログから選んだものなので完全に推測。
紙のリストだけじゃなくて写真も要るらしいので、証拠写真をデジカメで撮影。光の反射を利用して傷をなるべく目立つように撮り、フロッピーに入れて保険屋に送付。どれだけ出してくれるのやら。機能的に問題ないとかいちゃもんつけられそうで不安だ。
スーツはもうどう撮ってもボロボロ。財布は2センチ四方くらいの傷。バッグは斑点みたいな傷が出来た。この際だから先月コケた時に傷ついた部分も収めておく。靴はクリームでも塗れば新品同様に戻りそうだったが、こりゃ履いて歩けねーよってなぐらいに傷が目立つように撮れた。加工したと疑われないだろうか。
バッグの写真がうまく取れなかったし、実際スーツ以外は余裕で使えてしまうので、損害を強調する補足のテキストファイルをつける事にした。どこどこにこういう傷がついてて肉眼ではかなり目立つとか思い入れのある大事なものだとか。実際財布は6月に全財産盗まれた時に彼女が買ってくれたもので、これが傷つけられたのが一番ムカついたし。
最後に「○○氏は示談金をビタ一文払わないと言い放ちました。保険料が上がる事は理解しているようなので善処をお願い致します」と締めくくった。まあ保険屋に愚痴ってもしょうがないんだが、エイドリアン号についてのやりとりで少しは融通利きそうだと思ったので。しかしやっぱこれからの地球の為にもまずはああいう馬鹿から死(略
クリスチャン=ヴァンデ号の公道デビュー。町田街道の荒法師(吉田聡風。つーか意味不明)と呼ばれる俺様も慣らし運転はキチンとする。しかし30km/hで走るのは60km/hで走るのより2倍危ない気がする。不快そうに抜いていく奴を見ると俺も不快になるがじっと我慢。ヴァンデ号を解き放つにはまだ早い。
夜、馬鹿から電話。「スーツ代はお約束しましたがバイクの方はお支払い出来ないという事で」まあこの馬鹿にはこの辺が精一杯だろう。
「何ですか、あんた人コケさせといて、スーツもバッグもボロボロにしちゃって、怪我までさせといて、それどころか下手すりゃ死んでたってのにたった5万が払えないって言うんですか?」と全部言うといきなり黙ってしまった。これでは面白くない。
「んで、昨日何回も言ってた『誠意のある対応』ってのはドコに行っちゃったんですかねえ?」と聞くと「ええ、それは保険屋さんの方でですね」とまた同じ事をのたまうので「昨日から保険以外の話をしてんだろ?あんた30年以上生きててそんな事しか言えないの?」と煽ってみると、また黙ってしまうが鼻息が荒くなっている。「ブボー、ブボー」って。ちょっと面白い。
「んじゃスーツ代って名目ならいくらでも払うってわけか?もしスーツ代で10万差額が出てたら払うのか?そんな金あるんだったら5万くらい払うわな。どっちにしろ払わねえんだよお前は。お・か・ね・を・は・ら・い・た・く・な・い だけなんだろ?何見栄張っちゃってんの?」とか
「お前みたいなクズは初めて見たよ。いや〜世の中怖いわ」とか、他にも諸々おおよそ人が人として生きていてあまり言われないであろう罵倒を延々続けていると、鼻息がどんどん荒くなってしまいには「とにかくお支払いできないので」「とにかくお支払いできないので」と連呼し始める。壊れたか。
(面白いけどこのまま続けたら間違いなく電話を切られるなあ。まだ差額分楽しませてもらってないしな)と思ったのでとりあえず「わかりました。それでは訴訟を起こしますので」と言ってみた。
・・黙っちゃったよ。こんなのが効くとは。
なんだか楽しくなってきて「ああ、ありゃどう考えてもわざとなんで刑事の方でも行きますよ。こっちも準備しなきゃいけないんでちょっと時間がかかると思いますがね。まあ何ヶ月もしないうちに通知が行くと思うんで」と、俺も全然知らんが適当に補足。するとものすごく小さな声で「ハイ・・・」と返事が。この馬鹿本気で訴えられると思ってるのだろうか。面白すぎる。
「別にあんたを交通刑務所にぶち込もうなんて考えてないんですよ。ただ合法的に迷惑を掛けれればいいと思ってるだけでね。ハナから採算度外視で。まあタカくくっててもいいですけど私一度やってるんで」
「ソウデスカ・・・」
(注:嘘ではない。紙だけで済む簡易裁判だけど←61km/h速度超過)
最後に「ま、せいぜい頑張って調べるなり相談するなりして下さいよ。んじゃ」と言って一方的に切った。ああ楽しかった。
よほど馬鹿でない限り信じたりしないだろうが、、いや、よほど馬鹿かな。信じたとしたらそれほど馬鹿に育った自分が悪いわけで。信じないにしてもしばらくはやっぱり郵便受けが気になったりするんだろう。
自分より5つも年下の奴にあれほど馬鹿にされたわけだし、しばらくストレス抱えて過ごすんだろうな。まあしばらく気にしてれば?アヒャヒャバーカって感じで。それが俺への示談金だろう。
朝イチに保険屋から電話があり、過失は10:0で確定しエイドリアン号の95000円は満額支払われる、とグッドニュースが届いた。チームの皆に報告をしたのだが、やはり珍しい事のようだ。まあ話のネタには使えるか。
帰ると新しい原付が届いていた。太いマフラーが気に食わんが白はいい。クリスチャン=ヴァンデ号と名付けよう。ジャズロックから発展した訳の判らない素晴らしい音楽を聴かせてくれるフランス出身のMAGMAというバンドがあるのだが、その象徴でありドラマーのChristian Vanderから頂いた。つーかそのまんまだ。
母によると、バイク屋の兄ちゃんが「もうちょっとマシな物を持って来たかったんですけど」とカレンダーを置いて行ったそうだ。「なんでよ」と聞くと「あんたの誕生日じゃないの」と言われて初めて気が付いた。
月曜日から遊ぶのは後半キツいから土曜日に彼女に会ったってな事も完全に忘れていて、普通に憂鬱な月曜日を過ごしていた。まあいくつになっても自覚がないのは相変わらずなんだが。
んで、誕生日だってのに例の馬鹿と会話しなきゃならん。とっとと終わらせたいので仕方がない。さて、どう断るのだろうか。
俺:「かくかくしかじかで差額の49900円を払って下さい」
馬:「1日検討しましてですね、明日お答えしたいと思うのですが」
(゚Д゚)ハァ?
俺:「なんで即答できないんですか?簡単な話でしょう」
馬:「ええ、まあ即答は避けてですね、明日お答えするという事で」
(゚Д゚)ハァ?
俺:「何言ってんの?全然理由になってないでしょ」
馬:「ええ、明日誠意を持って対応させて頂きますので」
会話が成り立たない。
「オメーの猿並の頭じゃ1日あったって何も変わりゃしねーんだよヴォケ」と言うのは一応止めておいた。罵倒するのは明日でいいだろう。
再びバイク屋に。エイドリアン号の額が大体決まったので処分をしてもらう事にし、新しい原付を買う。さよならエイドリアン号。
そこは新車はHONDAしか置いてないのでまたDioになった。まあ車種は何でもいい。今度は白。
車体と登録料で合計144,900円。高いなあ。あの馬鹿に一応差額を要求しておこう。
さらに任意保険を切れっぱなしで放置していた事を先週店長に怒られていて、任意いらんとは言えずまた入る事になりさらに2万。まあそれは仕方ないが。
小一時間店長と話す。店長はPC好きで、自作したりドメインを取って店のサイトを立ち上げたり、データベースの「桐」を使って管理したりといろいろやってるらしい。
「知り合いのバイク屋がプロの人に注文して作ってもらったんだけどさ、軽く100万はかかったらしいよ。そんなに違うのかな」と聞くので「システム屋はボッタクリだからやめといた方がいいっすよ。100万くらいのシステムなら本を少し読めば誰でも作れます」と言っておいた。100万なら大した機能はないだろう。俺だったら30万くらいで引き受けたのになあ。個人で受注できるのかどうかは知らん。
前に親父がAccessで苦戦していたので「俺が超格安で作ってやるから会社に発注させろ」と冗談を言ったら「会社が金ないから俺が作ってんじゃねーか」と反撃されたのを思い出した。最近質問がないが正規化は出来たのだろうか。
夕方、外出中のリーダーから電話があり「今日うちの会社で新人歓迎会やるってさっき連絡あったんだけどさ、君達も紹介しておきたいから出てくれないかな」とのこと。六本木の本社の異常な話は結構聞いているので断りたいのは山々だったのだが、、俺と同じ日に入った女の人は速攻「予定があるので行けません」とか断ってるし。俺まで断る訳にはいかないのでしぶしぶ承諾。なんか1年くらい前にもこんな事があったような気がする。
なんか上等っぽいうどん屋だ。奥のデカイ部屋に入ると妙な静けさだった。真中に座るおっさんの大声が響いていた。この人が社長というのはすぐに判った。
誰一人として俺の事を知らないし、俺も知らん。「空いてる席に座って」と言われ、リーダーと俺の2日後に入ったSEから一人だけ離れたなんだか偉いっぽい別のおっさんの隣に座らされる。
そのおっさんと「ここにはよく来られるのですか?」とか「日本酒はダメなんですよー」とかまあ適当に話をしていると、おっさんの逆側に座っているねーちゃんが「この人はうちのNo.2だから下手な事言っちゃダメですよ〜」とか言う。会話を聞いていると、どうやらこのおっさんがいつも怒っていると評判の、リーダーの直属の上司らしい。まあ隣にこのキレーなねーちゃんがいるうちは平気だろう・・。
トイレから帰るとリーダーが俺の席に座らされて何やらおっさんに説教されている。来たばっかりの俺に聞かれるのは嫌だろう、と思ったが他に行く所もないのでいつの間にやら逃げたねーちゃんがいた席に座る。
気まずくてとても聞いてられないので、逆側を見て知らない人の訳判らない話を聞きながらひたすらうどんを食い、酒を飲んでいたらこの間の2枚目兄ちゃんが来た。ようやく話せる人が来たよ(TДT) この兄ちゃん、28なのに既に3人子供がいるらしい。凄いなあ。
ふとおっさんの方を向くと、まだリーダーを座らせて何やら説教をしている。「最近俺の事を怖がってない奴が多いんじゃねえか?」とか言っている。ジャイアンかオメーは。
俺が見ていた事を気付いたのか、いきなり振り返ったおっさんは俺と、同じく外注である2枚目兄ちゃんに「これだけは言っておくがな、あんたらからしたらうちは『お客さん』なんだよ。キッチリやってくれりゃドーンと出すがな、そうじゃなかったらあんたらの会社潰すよ?やるときゃやるよ俺は」
このおっさんは特攻の拓でも読んでいるのだろうか。面と向かって潰すなんて言われたのは生まれて初めてだ。
あんなボロボロのシステム作る開発チームの代表が言ってもなあ。つーか前の現場もそうだったが、俺個人の事情はさておき金を出す側(出先)が思う程、派遣する側は契約切られちゃ困るとは思ってない事を知らないようだ。そもそも俺フリーだし。
おっさん、自分より年上の部下を呼び出して「お前、今から全員に酒注いで廻れ」と言い出す。おお、怖いですなあ。
その人が行った先で10分程度話をしているとまた呼び出し、「全員に注いで廻れつっただろうがよ。何で止まって話してんだよ」顔がマジ。
総務のねーちゃんが「○○さんかわいそうですよ」と言っても聞く耳もたず。もう聞いてられないのでまた逃避モードに入る。
社長はただ豪快な人って感じで割と好感が持てたのだが・・麻布分室で良かったと心の底から思いながら帰った。六本木行けって言われたら辞めようかな。
保険屋から電話。エイドリアン号は減価償却で95000円らしい。まあ上出来なんだろう。問題はこの後だ。
「過失が9:1になりますのでここから・・」この辺まで聞いてすぐさま反抗。
「あの、1割でも冗談じゃないって感じなんですけど」
こっちが止まっている状態でもなければ10:0はありえないとどこかで聞いていたが、実際あんな目に遭って1割とはいえ俺にも過失があると言われるのは納得のいかない話で。
事故の状況を詳しく説明すると、「それはひどいですねえ。いや私もこの報告見て『肘が当たった』って書いてあるじゃないですか。普通肘は当たらないですからねえ。おかしいと思ってたんですよ」だと。さすがプロ、違いの判る男だ。
「ではもう一度検討してみます」ってことで保留。保険屋は融通の利かないもんだと思っていたがそうでもないのかもしれん。
原付に乗ったら左側抜けてくでしょ。バイク(非原付)乗りという人種は自分より速い存在を許さないのかどうかは知らないが、それまで車の後ろをトロトロ走っていたくせに俺が左から抜いた途端、追いかけてきて煽ってくる大馬鹿がたまにいる。今日は二人乗りのスクーターが追いかけてきた。
そういう奴は大体すさまじい加速で俺を抜き去り、そのまま空でも飛ぶのかというくらいの勢いで走り去って行くパターンなのだが、今日の馬鹿は俺の真横につけて寄せてきやがる。10cmくらいまで寄って来られてかなり焦ったが、前にバスがいたので左から抜けて逃げる事が出来た。どうやら今日の奴はホームラン級の馬鹿らしい。
そこから1km程走り、駅まであと数百メートルというところで後方からとんでもない勢いで走ってくる黒い影が。さっきの馬鹿だ。次の瞬間はもう真横にいた。肘を突き飛ばされ、ド派手にスッ転ぶ。
※1秒後 (マジでこんな事やる奴いるか?映画じゃねんだよオイ。んじゃナニか?俺は100万人に一人のキチガイに会っちまったっつーのか?なんで俺がこんな目に遭うんだ?)
※2秒後 「なあにやってんだゴラァァァ!!!」
起き上がる前に怒鳴りつけていた。スクーターを歩道に止めて走り寄ってくるキチガイ。トドメを刺されるかも、と少し思った。なにしろ相手はキチガイだ。しかし怒りの方が大きかった。
エイドリアン号の下敷きになった右足をどうにか引っぱり出して立ち上がり、さらに怒鳴る。相手がメットを取っていたら殴っていたかもしれん。馬鹿の言い訳を無視して1〜2分まくし立てた後、ようやく「これ動かねえんだよ。そっち寄せろよ。俺は足が痛いんだよ」と言って歩道に撤去させる。エイドリアン号はエンジンはかかっていたが車輪が全く回らないという異常な状態だった。
歩道に女が一人立っていた。この馬鹿の連れらしい。「あんたこいつがワザと当たったの見てたよな?」と聞くと「私逆側向いてて・・ホントに見てないんです。見てたら言ってます」とか抜かす。こんな馬鹿と付き合うくらいだから実際見てたところで何か言ったかどうかは怪しいが。とにかくこいつは使えん。
「あっそ。んじゃとりあえず車検証出して」と言うと、馬鹿は「なんでですか?」とまるで理解できてないようなので「いや、逃げられたら困るんでね」と判り易く言ってあげると、どうやらムカついたらしく「んじゃ鍵持ってて下さいよ」と言って俺に突き出した。怒る権利すらない事も理解できていないらしい。
交番は目の前。人がいないのでテレビ電話のようなもので呼び出す。一通り説明した後、さらに馬鹿を問い詰める。
「当たったらどうなるかわかりますよねえ。目測がどうこう言ってましたけど・・危なかったら無意識にでも間隔取るもんですよねえ。道はあんなに広いですよねえ。な・ん・で・当たるんですかね?ワザとだからだろうが!あ゛あ゛??アホな言い訳並べてんじゃねえぞゴラァ!」などなど。
さっきの女は嫁で、この馬鹿は32歳らしい。いい年こいてコイツは・・馬鹿は一生治らんというのは真理だ。
どうやら俺のキレっぷりはテレビ電話で警察に生中継されていたらしい。警官が来るなり「ケンカしてたんだって?ダメだよ〜そんな事したって何にも解決しないんだから」と言われる。「いや別に殴り合いしてたわけじゃないですよ」と答え、成り行きを説明する。「どう考えてもワザとなんですけど」と言うとアホ警官は「いや、とりあえず結果的にぶつかって転んだ事が事実だから」とかコイててもう萎え萎え。すぐに救急車を呼ばれ、病院に強制連行。俺様抜きで検証を行うらしい。負け確定か。
手首、膝の打撲、擦り傷。くるぶし下の火傷。右足がエイドリアン号の下敷きになっていた時に靴に何か引っかかっている感覚があったが、その時どうやら相当熱い部分に触っていたらしい。今回も骨は折れていなかった。お父さん、お母さん、丈夫な子に産んでくれてありがとう。いやマジで。
交通事故の急患は保険が利かない。会計で「43000円になります」とか言われる。もちろんそんな金はないので「保険屋に連絡させます」と言って出る。あっても払わなかったけど。
警察に電話すると「今から来てくれ」と言われ、ボロボロのスーツのままタクシーで警察へ。馬鹿と再会。「相手の人が謝りたいからって待ってるよ」と聞いていたのだが謝罪のセリフはない。つーかそんな事はどうでもいいのだが。ほとんど相手をせず警官の所に向かう。
病院で待たされている間に冷静になり、痛みが増していた。もうとにかく帰りたかった。そんな状態で「相手の処分どうする?」と聞かれて「死刑以外ないでしょ」なんて冗談を飛ばせるわけもなく。(わざとだ、つっても証人もいねえし時間掛けても何の得にもならん)とこの時は考えてしまい、「お任せしますよ」と答えてしまう。
事情聴取を終えて廊下に出ると馬鹿がまだ待っていた。問い詰めるパワーももうない。「スーツ、これないと困るんですけど。保険出るんですかね」と言うと「保険屋が出さなくても弁償させて頂きます」とか言う。ふーん。次に「原付も靴も・・財布まで傷ついちゃってるんですけどねえ」と言ってみると「とりあえず保険屋に連絡しますので・・」だと。もう逃げ腰かい。こんな状態じゃ念書を要求してもどうせ書かないだろうから言うのをやめた。
エイドリアン号をバイク屋に引き取りに行ってもらっていたので、とりあえず状態を聞きに行く。店長は「よくその程度で済んだね」と驚いていた。ボロボロのエイドリアン号を先に見ていた店長は、俺がもっと大怪我したと想像していたようだ。それくらいひどい状態らしい。「直りますか?」と聞いたら「あれを直すのはバカだ」と言われる。「保険が・・まあ8万、よくて10万くらいか。それだけかけても直るかどうか」との事。わずか3年。短い間だけど世話になったよ・・。
会社は当然休み。家で休んでいると夕方に馬鹿が茶菓子を持って来た。当然家には入れず、玄関先でそのまま話す。バイク屋で聞いた話を伝え、「スーツもあんなだし・・財布も安物ですけど大事な物なんですよねえ・・靴もバッグも・・全部弁償してもらわないと困りますねえ」と言うとまた「まず保険屋の方でですね」とか言ってる。「あんた昼間に保険出なくても自分が出すつったでしょう」「あんな事しといてねえ・・足痛いし傷も残るし」と攻撃を始めると「前向きに検討させて頂きます」「誠意を持って対応させて頂きます」の繰り返し。ダメだこりゃ。呆れ果ててしまい「誠意誠意って羽賀研二かオメーは?ずいぶん不細工な羽賀研二だなあこりゃアヒャアヒャヒャヒャ」・・と突っ込むチャンスを逃がした。
しかしもうちっと嘘っぽくない台詞を吐けないもんだろうか?まあ体当たりで原付跳ね飛ばすような馬鹿だからな・・。死ねよマジ。
・・厄年って24じゃなかったっけ?
英英辞典が欲しい、と前から思っていた。日本語を介さないのは多少効果があるらしい。ヤフオクで電子辞書を入札してみたりするものの、結局ヨドバシより高くついたりしてアホらしいのでやめた。
ふと考える。俺のPalmに現在英和、和英が入っている。メーカーサイトに行ってみると・・やっぱあった。ユーザー辞書作成ツール。これで作ればいいのだ。
・・というわけで64MBのコンパクトフラッシュを買ったのが水曜だったか木曜だったか。
辞書に使うデータを手に入れなければ始まらないのでGoogleで片っ端から調べていくと、どうやらPCで使う辞書のフォーマットとしてEPWING形式というものが普及しているらしい。普及しているので対応したデータも豊富にあるらしい。これをどうにかテキストデータで抽出できないか、と方法を探る。俺は仕事は適当だがこういう事には労力を惜しまない。
DDWinというEPWING辞書ビューアを使うと、データを表示する時にテキストファイルを吐き出すらしい。てなわけで収録語数12万語を誇るフリーのWordNet辞書でトライ。おお、テキストデータだ。
んで、これを変換ツールに有効な形式に変換しなきゃならん。まず連続改行を消して、見出しと内容の間に「@」を入れて、この空白も消して、改行は「|」で・・とヘルプを見て格闘する事小一時間、なんとか秀丸マクロ完成。約20MBの辞書ファイルが出来上がった。おお、これでついに12万語の英英辞書が俺のPalmに。合計数時間費やした甲斐があった・・
てなわけで早速CFに突っ込んで起動してみる。緊張の瞬間。って見事に文字化けしてやがるし。ああ、そういえばでかいファイルはダメよ、みたいな書き込みをどっかのユーザーサイトで見たなあ・・・
ここまでの努力を水の泡にするのは悲しすぎるので辞書を4分割してみる。おお、ちゃんと表示されるやんか、、ってこれじゃ使えねえよボゲ。辞書の切り替えに時間がかかるので、単語毎に「え〜っと頭文字がSだから辞書ファイルは・・」なんてとてもやってられない。ああ、貴重な休みをまた無駄に。
Palmには他にも辞書ソフトは存在するのだが、ポップアップですぐ検索できるものが少ない。KDICというソフトにその機能があるが、試したところ俺の機種では動かないどころかエラーで落ちてしまう。たしかにCF使うマニアックな機種だけど対応しとけってんだよ。
結局ポップアップ機能のないフリーのNoah Liteというソフトと軽めの辞書をとりあえずCFに突っ込んでおいて終了。64MBのCFはまだまだ空きがあるので今まで使ってなかった国語、漢和の辞書まで入れて自分を慰めてみる。今までの16MBでは足りないと思っていたのでいいっちゃいいんだが・・悲しい。
会社に届いたのはルータでなくTAだった。なめとんのか。この会社ではそういう希望を通すのは非常に大変らしい。基本的にはソフト屋じゃないしな・・けっ。それにしたってISDNかよ・・
家にはまだISDNのダイヤルアップルータが放置してあるのでそれを持ってこようかな・・とか思ったがやめた。プロキシ立てればいいし。
11時頃、六本木からハンサムボーイが一人来て、引継ぎというか説明をしてくれた。どうやらこの人、引継ぎという名目で息抜きに遊びに来たようだ。んで電話で「引継ぎがもうちょっとかかります」とか言いながら雑談していた。
なんだかんだでその人は夕方までいたのだが、帰り際、おもむろにサーバにプロキシのソフトを入れてネット接続のテストを始めた。フリーのプロバイダに申し込んで、どうやら明日から使えるようになるらしい。まあいいか。ないよりはだいぶマシだ。
出直し再出発。六本木アマンド前、と言われたが俺は実は一度も六本木に行った事がない。テレビでずいぶん前に見たが確かシマシマの屋根だった気がする。
言われた通りに行ってみると確かにそれっぽい店があるが、今日会うこないだの社長さんとの連絡手段がないので多少不安。
コーヒーを飲み終えてタバコ2本吸ったところでやっと社長さん登場。俺の横で誰かを待ってた女性は今回一緒に出向する人だった。
歩いて数分で会社。コギレイなところだ。入っていくと、うちらの存在に気付いた社員たちがめいめい立ち上がって「いらっしゃいませ」と言う。これにはビビった。
会議スペースに通されて待たされる。作業場を見渡してみるが私語らしきものは一切聞こえない。さっきのいらっしゃいませ攻撃といい、この異様な静けさといい・・なんなんだここは。俺も明日からいらっしゃいませとか言っちゃうのだろうか、とか考えていた。
じきに現れたにこやかなおっちゃんが「んじゃ二人には麻布の方で作業してもらいましょうか」と言ってプロジェクトリーダーを呼ぶ。軽く説明を受けた後、徒歩で麻布十番。麻布だ六本木だってのは芸能人かギャルが行く所だと思っていたがどうやらそうでもないらしい。
「分室」と呼ばれるそこは麻布十番の出口の真上に建っているビルの一室だった。エレベーターを乗り換えるだけで傘要らず。素晴らしい。9階までは店舗で10階以上が普通のマンション。その一室が分室なわけだが他の部屋もどっかの会社で借りてたりするらしい。12畳くらいのワンルームで家賃が25万、との事。さすが麻布・・・
メンバーはリーダーの他に二人。ここは六本木とは違い、和やかな雰囲気で作業しているようだ。
皆がやっと電話が来た、と喜んでいる。今まで3ヶ月くらい電話もなかったらしい。もちろんネット環境もないので皆自前ノートにAirH"刺してネットに繋いでいる。おいおい。
早速資料を漁ってみるが、ドキュメントも仕様書もまともに揃ってない。ソースの管理も適当すぎる。どうなることやら。
彼女が来週から稲田堤に一人暮らしを始めるので今準備を進めている。俺の部屋で眠っていた電話とテーブルが欲しいというので車で持って行った。
調査の結果家から程近い津久井道(世田谷街道)をしばらく行って3回曲がれば彼女の家まで行ける事が判明。素晴らしい。
電気製品を買わなきゃならんという。稲田堤には家電の大型店なんぞ一つもないので町田に戻ってヨドバシに行く事にした。洗濯機やら冷蔵庫やら買うわ買うわ・・凄まじい買いっぷりを披露した後「貯金が10万切った」なんて言ってる。よっしゃここは彼氏として何かしてやらねば、とオーブンレンジを引っ越し祝いに買ってやってプチ成金ぶりを見せつける。単機能レンジじゃないっすよ。オーブンレンジですよ。俺もそんなに余裕はないが、まあこういう時くらいはよ。
基本的に何でも全額奢られる事を嫌う彼女は何度も「ホントありがとねー」と言っていた。これからしょっちゅう遊びに行くだろうし、仕事帰りとかにそれで料理でも作ってくれたら安いもんだ。
普段休みが合わないので彼女の親による色々な制限がなくなるのは非常に喜ばしい。これからは新宿とかで遊んでても22時半頃に「そろそろ帰らないと・・」とか気にする必要がなくなるわけで、、これから遊び方が結構変わってくるな。とても楽しみだ。
俺は1日で昼夜が逆転する。土曜日に起きるのは早くても夕方だ。今は無職なので当然ひっくり返ったままだ。
寝ずに朝を迎え、飯を食ってテレビを見て、メールをチェックすると「今日、面接を行いたいのですが」と営業の人から。慣れてはいるけどいつも急だなあ。無論OKで時間を問い合わせておく。
その後犬と遊んでそのまま少し居眠り。昼頃起きて自分の部屋に戻ると電話が鳴っている。「何?寝てたの?」「いえいえ全然寝てませんよ」「今日八丁堀に来れる?」
というわけで出動。一睡もしていないがある程度緊張感が鈍っていたほうがいいかもしれん。
ここでも社長さんが出てきた。「VBには自信ある?」といきなり聞かれ、スイッチOFFのままの俺は「まあ大抵の事はできると思いますけども」とかます。強。
すでに何人かやりとりしているらしく、俺も経歴に軽く目を通しただけでほぼOKっぽい。リラックスした雰囲気でほぼ雑談。安心していたその時、「じゃあちょっと、軽くクイズみたいなもんをやりますんで・・まあこれで決めるわけじゃないけど」と、VBプログラマ向けの質問集みたいなもんを引っ張り出す社長。マジすか。
長い間VBもどきをやっていたのでリアルVBの仕様をようやく頭脳を回転させて思い出すよう努力する。即答が半分、屁理屈こねた微妙な回答が3割、「わかりません」が2割くらいか。電源OFFの割にはよくやった、と思いたい。
その後またちょっと雑談。多少不安だったが最後に社長さんが「じゃあ月曜日、8:50に六本木のアマンド前で」
ふぅ。
その現場は残業させるより人を増やして早めに帰ろうという方針が浸透しているらしい。素晴らしい。前にテレビで見たが、あらゆる会社にこの考えが浸透すると新たに10万人の雇用が発生するらしい。偉いおっさんども、見習ってちっとは世直しに貢献しろや。
フリーだから経歴以外の事はできないのは仕方ない。それでもリハビリにはなると思う。つーか次がフリーとしての本格的なデビューだ。気を引き締めてかからんと。
面接。秋葉原のホームで待ち合わせ。営業の人は俺を知らないおっさんに引き合わせて即効帰ってしまう。んで新宿に移動。まあいいけど。
新南口で今日面接を受ける人間が全員集合した。俺を入れて4人。俺以外はみんなおっさんで、見るからに10年選手だ。まあ普通は不利なのだが、、つーかお前らキショすぎ。秋葉臭いとかいうレベルを越えてるぞ。まともに喋れてねーわ、なんか不機嫌だわ・・こいつらと比べれば俺はだいぶまともな部類に入るハズだ。相対評価というわけではないだろうが、これなら安さとまともさで通る確率が高くなるかもしれん。いや、でも2つ3つ通すから安くはないかもしれん。
さて面接。今日もやはりPL/SQLに食いつきがいい。まあ他にめぼしい経歴がないからというのもあるだろうが。なんでだろう、と思っていたら横のおっさんは「SQLはよくわかりません」とか言ってる。そういうもんなのか。システム屋にもいろいろあるもんだな。
しかしだ。よく話を聞くと、やるのは聞いていたPL/SQLでなくCOBOLもどきななんとか言う訳のわからない言語らしい。いや、PL/SQLも使うのは確からしいがメインがそのもどきらしく。「○○もどき」はもうお腹いっぱいだよ・・
「この仕事、ハッキリ言って相当キツイです」
「残業・休日出勤・・・なので住所も考慮に入れます」
はあ・・まあ期間:即日〜なんて書いてあったから大体想像ついてたけどやっぱりデスマーチかい。
心の声が今はもうはっきりと聞こえる。(もうダメだ!逃げろ!)
最後に「シェルを駆使したなんたらかんたらの設計できますか?」と聞かれた。そもそも何を言ってるのかわからん。「いや、できません」と即答して終了。
(うーん、でもそろそろ仕事決めて落ち着きたいなあ)とブルーな帰り道、営業の人から電話が。成り行きを説明すると「うーん、、今回みたいな多くの会社が絡むのは私としてもあんまりやりたくないんですよね・・実は今行ってきた所から人員追加の話があったんですよ。そっちに話してみますか?VBなんですが」
(゚∀゚)
土曜日なので安心して21時まで寝ていたら、連休明けの面接の確認メール+電話が来ていたようだ・・・土曜日もアリっすか(TДT)
メールで返事をしておこう。多分大丈夫だろう・・・
夕方まで寝ていたので、午前中から何度も来てた契約先の営業の人からの次の案件紹介メール+電話を全てシカトしてしまった。必死で何度も電話を掛ける。どうにか繋がってひと安心。連休明けの話だしね・・
飲み会。昨日とはまたちょっと違うメンツで。とは言っても大体同じなんだけど。
いつにも増してM上の一人舞台。「俺ってなんでこんなダメ夫なんすかね」という台詞を20回は聞いた。俺が彼のもみあげに火をつけた事は覚えているのだろうか。
キャバクラ嬢にもらった携帯ストラップの人形部分がなくなっている事に気付いた彼は、今まで見たこともないくらい凹んでいた。
大阪行きの人がいたり辞めそうな人がいたり・・来年の春頃はどうなってるんだろう。