川底を流れる小石のように。  〜番外編〜  海老蔵への道!
もくじを見てみるひとつ前現在に近づいてプチ画像日記


2005年04月30日(土) 醍醐寺薪歌舞伎

 28日。
 大きな荷物を抱えていつもよりも早い早番時間に出社。
 なにしろ京都はフェーン現象で気温があがり、日中は25度を超えるらしいし、
 夜は夜で、野外の薪歌舞伎観劇は相当冷え込むとのこと。
 暑さ寒さに対応すべく準備をしてみると、なんだか二泊とは思えぬ大荷物。
 その荷物っぷりを見ただけで、職場の同僚には笑われてしまう。
 はい、馬鹿です。馬鹿だと笑ってください。
 行ってきますよ。
 大阪だって名古屋だってパリだって行ったんですもん、
 京都にも行かせていただきます。
 留守をよろしくお願いします。
 連休前のビッチリアポイントを、ここはしっかりキッチリと肝に銘じて勤め、
 いくつかの引き継ぎ連絡も済ませて、
 さあ、出発!

 予定通りだったので、駅弁を買う時間があって助かった。
 今日の昼は「東京弁当」にする。
 魚久の粕漬けや、今半の牛肉や、ともかく安心懐かしい味なので、
 案外気に入ってる。
 新幹線に乗り込むなり遅めの昼ご飯。
 そしてとにかく睡眠。
 昨夜は4時間しか寝ていなかったので、途端にぐっすり。

 4:33、夕方の蒸し暑い京都駅に到着。
 長い一日だなあとは思うが、ここからが本番!
 しっかりしなくちゃ。
 駅のロッカーに大きな方の荷物を預けるが、
 手荷物も、防寒グッズや、夜にお訪ねする先斗町のお姐さんへのお土産があるので、
 まだまだ村一番の荷物持ち状態。
 京都から奈良線で15分、六地蔵へ到着。
 ここからバスと思っていたが、見つけられず、タクシーにした。
 気さくな運転手さんで、昨夜からの薪歌舞伎で、夜は道が混んだ話や、
 地理に不案内な私に、帰りのルート対策など教えてくれた。

 とうとう醍醐寺にたどり着く。
 すでに大勢の人が。
 パリでお世話になった添乗員さんを見かけた。
 アノヒト、JTBでは成田屋担当になってるのかな。
 他にも、様々なバスツアーが来てるみたいで、色々企画があったんだなあとビックリ。

 列に並び、切符をもぎってもらい仁王門をくぐると、
 そこから先は空気が別に感じられた。
 「神聖な」というのかな。
 素敵な写真を撮っていらっしゃる方のところへ、
 トラックバックの真似事させていただきます。
 こちら。6枚目の写真が、仁王門の先。
 緑が綺麗。

 金堂の前には、ずらーりと座席が設置されてる。
 境内は飲食禁止とのことだったが、右手の五重塔の前に伊藤園のブースがあり、
 お茶を無料で配ってくれる。
 ムシムシする中、東京→京都→醍醐寺とノンストップだったので、
 気が付くと喉が渇いてる。ありがたい。
 
 今日の席は、山川アナウンサーの近くの見やすそうなところだった。
 どうやら5月7日放送の「劇場への招待」の収録日だったらしく、
 山川さんのところには、NHKのスタッフや、色々な人が声をかけに来る。
 
 空はよく晴れて、夕暮れの中、金堂の上をいくすじも、ひこうき雲が横切るのが見える。
 どこからか法螺貝のぼおおお〜〜〜という音。
 大勢のお坊さんが法螺貝を吹き鳴らしつつ、金堂前の座席の後方をまわり、
 金堂の奥の不動堂の前へ。
 「柴燈護摩」(さいとうごま)といって、野外で大きな護摩を焚く儀式だそうな。
 炎があがり、お香のかおりの煙りがたつなか、
 不動堂の林の中から、帝に仕える廷臣姿の海老蔵が姿を現す・・・!
 ・・・・!
 場内は声にならない声や、溜息、どよめき。
 そのくらいに、なんだかこの世のものとも思えぬ美しさで、
 そこだけぽっかり、平安の昔に飛んでいってしまったかのようだ。
 ゆっくりしずしずと舞台に上がる廷臣。
 舞踊「由縁の春醍醐桜」だ。
 廷臣の詠んだ歌に誘われ、下手花道に登場したのは桜の精の時蔵さん。
 銀糸でびっしり桜の刺繍がほどこされた衣装で美しかったが、
 これは花を咲かせず、弱り苦しんでいる桜の精だ。
 廷臣や僧侶の祈りが通じ、桜の精がよみがえる。
 衣装を引き抜くと、ぱあ〜と鴇色の華やかな桜の衣装に早変わり。
 下手の大きなしだれ桜の木(今はもう、新緑で花はつけていなかったが)に
 桃色のライトがあてられて、不思議な花が咲いたかのようだ。
 桜吹雪も散らされ、
 うっとりと踊りは終了。

 15分の休憩。
 せっかくなので、不動堂にお参りしてきた。
 少し冷え込んできて、座席にしつらえてあったカイロと膝掛け、持参したストール着用。

 金堂に30人以上の僧侶達が居並ぶ中、
 團十郎さん登場。
 口上とにらみだ。
 山川さんも「成田屋っ」と大向こう。
 團パパは口上で、この度の醍醐寺さんとのご縁で、このような催しが出来る事への喜び、
 病気が回復した事への喜びとお礼、
 休演した勧進帳が、この場で出来る嬉しさ、などのべ、
 寒いので、膝掛けはお一人様何枚でもお貸し致しますのでとも。うはは。
 パパのにらみは、海老蔵よりも祝祭っぽい雰囲気と思った。
 続いて「声明」(しょうみょう)。
 仏前で節をつけて唱えるお経のことらしく、
 大勢の僧侶が朗々とした声でお経をとなえる。
 厳かで迫力があり、見入ってしまった。
 (しかし、かなり寒い〜)
 この後の幕間(20分)で、近くの席のおじさま方が、
 いやあ素晴らしい声明だった。心が洗われるようだったね。身が引き締まるね。
 などと、口々に感動していた。うんうん。
 
 いよいよ「勧進帳」
 今日はちょうどセンターに近くて、富樫がよく見える席なので、
 海老蔵富樫中心に観劇するつもり。
 (明日はもう少し上手よりなので、富樫は横顔か、へたすると後ろ姿になりそうだったので)
 富樫左衛門にて候〜の出を見るなり、
 ちょうど一年前の富樫を思いだし、お、富樫っぷりがちょっとあがったなと思う。
 あの若々しくひたむきな富樫と比べると、
 重みや渋み、骨太さなどが、加わった気がする。
 多分私は、男性像として弁慶と富樫をみると、富樫の方が好きなのだ。
 ああいう切ない生き方、たまらん。
 今は疑い晴れ申した〜からの泣きあげ、そして引っ込み、
 舞台中央の階段から金堂の仏前へ横顔を見せてひっこむのが、眼福であった。
 弁慶の飛び六方は、花道から揚げ幕がないため、
 勢いよく飛んでいくというわけにはいかなかったが、
 近くの席の女性達が、京都の言葉で
 「弁慶はん、森の中へ消えて行かはったなあ〜」と溜息をついていて、
 そんな感じだったなあと思う。

 ああ、薪歌舞伎、来られて幸せだった。
 
 さて、今日はこの後も予定があるのだ。
 臨時バスで地下鉄醍醐駅へ出て、先斗町へ直行。
 お世話になりっぱなしのお姐さんに、ご挨拶したかったのだ。
 12月に一度来て以来だったが、迷わず辿り着くことができて、ホッとする。
 お姐さんは藤の綺麗な帯をしめていらして、ああ京都〜とうっとり。
 今日の薪歌舞伎の事やら、
 こないだの4月のカンザブ祭りのこと、
 5月の船弁慶や7月の比叡山歌舞伎まで、
 色々楽しい話をうかがう。

 ああ、長い一日だった。
 っていうか、私まだホテルにチェックインしてないよ。
 遅くなるとは連絡いれておいたものの、京都駅に荷物をとりに戻り、
 日付がかわる直前にチェックイン。
 ああ、もうフラフラだ。

 翌日の京都めぐりやお土産買い物や、美味しかったものは、また別の機会に。
 暑かったので、夜に備えて午後三時にはホテルにもどり、
 シャワーと、仮眠。
 さあて今日も醍醐寺へ、行くよ。

 慣れた道のりを、迷うことなくさっくり移動。
 祝日のためか、昨日以上に熱気が凄い。

 普段歌舞伎座などでも思うのだけれど、
 平日観劇は、なんとなく空気がまったりしてるのに比べて、
 土日の観劇は、熱気が濃いように思っているのは私だけだろうか?
 客席も、土日しか来られないのよ!みたいな熱い気持ちが満ちていて、
 その分チケットだってとりにくかろうし、
 必死だったのよ、みたいな、楽しみだったのよ!みたいな空気があって、
 舞台も、それに応えてなのか、熱いように感じることが多い。

 今日の醍醐寺も、まさにそんな感じ。
 昨日もそうだったけれど、それ以上に綺麗に着飾った人が多い。
 歌舞伎座でも着物姿はよく見かけるけれど、
 今日は、さらにびしっと粋に着てる人が多いぞ。
 スキがないというか。
 うなじあたりまでが美しいのだ。
 
 着物ブームは良いことだと思うのだけど、
 「こんな風に着こなせるようになりたい」みたいなはっきりしたイメージが、
 頭の中にないのかな?というような、
 グズグズな着方の人も東京の街だと多く見かける。
 慣れも大事なのだろうし、
 誰でも最初からビシッと着られるわけではないんだろうけど。

 そういう意味では、どの人もびしーっと美しく極まってて、見とれてしまうよ。
 別に着物だけではなくて、
 この日は、スーツやドレスやアクセサリや靴が、きちっとしていて、
 美しいマダムを多く見かけた。
 (カンザブ姉の波野久里子さんも、スーツ姿がきれいだった
  さすが團パパの大ファンなだけのことはある)
 このままパーティーにも行けそうな、ハレ!な空気を身にまとった
 大人なマダムや紳士を見てると、こちらまで晴れがましい気持ちになる。
 私も少しは綺麗にしてと思ってはいても、
 旅先の事とて、省略バージョンだ。
 
 成田屋さんの行事に一年にわたって参加して思うのは、
 パーティーなどは勿論だったけど、
 成田山のお練りだろうが、パリだろうが、醍醐寺だろうが、
 案内に「お足元が悪いので、歩きやすい履き物で」とあろうが、
 雨の心配があろうが、
 いつもびしーっとオシャレして、綺麗にしてらっしゃるマダムが大勢いて
 これは凄いことだなと思う。
 母に「あなたも、もう若くないんだから、
 ちゃんとしたいいものをちゃんと身につけるように、そろそろ気をつけなさい」などと、
 注意されてる私としては、
 そうか、ちゃんとするって、こんな風にビシッとすることも出来るって事なのかと思う。
 遠い道のりだわ、これは。

 醍醐寺のお天気は曇りだったが、昨日より風がない。
 野外の事とて、マイクを使っていたけれど、
 昨日はマイクが風のゴーゴーいう音を沢山拾ってしまって、聞きづらい場面もあった。
 今日は、それがないので、とても舞台がクリアに感じられた。
 それ以外に、熱気が濃いし、冷え込みも昨日ほどひどくなかったので、
 今日は数段、舞台がよく感じた。
 寒さも集中力を奪うんだなあと実感。

 ただ声明は、昨日の方が一糸乱れぬ感じがよかったか。
 今日は声がばらつく場面が残念。

 勧進帳は、今日は弁慶中心に観劇。
 そうすると團パパの弁慶は、厚みや深みが増しているようで、
 じーんと感じてしまう。
 パパに「もう病気したらあきませんよ」と関西弁で声がかかったり、
 成田屋さん贔屓の熱さも、じんわり。
 結局、昨日も今日も、勧進帳では泣けてしまう。

 帰り道、現地で会った友達とははぐれてしまったが、
 明日の始発の新幹線を考えると、このまま大人しくホテルに帰ることに。

 1人部屋でビールでカンパイ!
 醍醐寺遠征お疲れさま。
 5時に目覚ましをセットして、就寝。
 寝たと思ったら、朝だった。
 無事に新幹線に乗り、途端にまた眠る。
 起きると東京。
 定刻通りでホッとする。
 このまま職場へ直行。
 最初のアポイントを一枠ずらして9:30からにしてもらってる。
 間に合ってよかった〜。
 連休前とて、仕事は忙しかったが、気力は充分。
 これが終わると、GWに突入だし。

 家に帰ると、6月の博多座のチケットが届いてた。
 行くのかオレ。行くともオレ。
 襲名もこれで一区切りだしなあ。
 申し込んではみたものの、こうして切符を手にすると、
 なんか凄いなあ、行くのか?と我ながら思ってしまう。
 疲れてはいるものの、興奮冷めやらぬまま、
 ネットで福岡2泊3日のツアーを探す。
 すると、ちょうどおあつらえ向きの、仕事は休まず行けるお手頃パックを発見!
 早速申し込む。

 博多のウマイ物ガイド眺めつつ、おやすみなさい。
 
 明日から五連休!
 5月歌舞伎座の初日と、
 御殿場アウトレットお買い物ツアーに行く予定。うひひ。


 






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2005年04月27日(水) これです。

 明日から行くのはこれです!これ。

 旅の時にはいつもお世話になってるここで調べてみると、
 思っていた以上に、時間がやばやばであった。
 仕事が10分おしても、新幹線に乗り遅れるし、
 新幹線が15分遅れると、開演に間に合わない。
 ひい〜。まいった。

 すでに今日観劇した友人からは
 昼は暑くてヘトヘト。
 トイレはきれいだったよ。
 オペラグラスはあった方がいい。
 などと、現地の画像つき第一報が入る。
 厚着の準備も、薄着の準備も、もうどうしたものかわからん。

 夕方6時は、まだ明るい。
 随分日が長くなった。
 暮れてゆく中で、海老蔵は「由縁の春醍醐桜」を踊るのだという。

 6時起きなのに、まだ荷造り出来てない。
 おやすみなさい。


 あ、この薪歌舞伎の模様は、
 5月7日の午後にNHK BS2で放送されるらしい。
 嬉しいねえ。
 NHK ぐっじょぶ!


2005年04月26日(火) そして、京都へ。

 日曜の観劇の余韻にひたりつつ、
 昨日は千秋楽だったか・・・などと思っていたら、
 気が付けば、もうGWは目の前なのだった!

 明後日、早番で午前中だけ仕事して、
 そのまま午後の新幹線で、いよいよ京都へ。
 海老蔵のにらみは、襲名披露で観ることができたが、
 團パパのにらみははじめて!
 親子の勧進帳も、昨年五月の休演から一年ぶりの仕切直しだ。
 ああ、どんなことになるのだろう?

 でも全然仕度してなかった。
 慌てて、観劇切符、新幹線切符、ホテルの予約だけは、
 ともかく確認。
 「境内は世界文化遺産の為、会場内でのご飲食・ご喫煙は出来ませんので
  ご了承ください」とある。
 ふうむ。
 ともあれ、時間的にばたばたしそうな事だけは確実か。

 夜の醍醐寺はどのくらい冷え込むのだろう?
 奥にしまい込んだ、タイツとストールとカイロだけは、出しておくか。

 土曜の始発で東京へ戻り、そのまま仕事へ直行。
 なにもそこまでして遊ばなくても・・・と思わないでもないが、
 目一杯働いて、目一杯遊ぶのも、今だけしか出来ない事かとも思う。

 どうか晴れますように。
 あまり寒くありませんように。
 このなんだか風邪っぽいのが、治りますように。
 
 じゃ!行ってまいります。


 






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2005年04月24日(日) 胸がいっぱい・・・。

 昨夜から母が、「一足早い母の日プレゼント」計画実行のために上京。
 実は、このひとつきの間に3度も上京している母だが、
 一度は父と一緒、一度は名古屋へ行く途中でちょっと立ち寄っただけだったため、
 このようにゆったり母娘2人して過ごしたのは久々だった。
 母のお土産は先の名古屋旅行で見つけたという海老の絵のマグカップ
 嬉しかったなあ。

 近所の居心地の良いカウンター割烹(?)みたいな店で、
 初鰹や岩牡蠣をいただき、冷酒をくいっと。
 早めに帰宅し、早寝しかけた母だが、
 ちょうどそこへ留守番父より電話。
 旅行に来させてくれてありがとね〜などと言っているうちに、目が冴えてしまったようで、
 一応用意しておいたタコのマリネやチーズとシングルモルトで二次会突入。
 明日の歌舞伎の話は勿論、最近の悩みあれこれや、高校時代の懐かしい話まで、
 かなりぺちゃくちゃと、おしゃべり。
 
 7時半起床。
 日の出と共に目覚めることの多い母にしては、ゆっくりなスタート。
 色とりどりのLUSHのバスボムから、好きなのを選んでもらい、
 朝風呂。
 キッシュとサラダと果物とコーヒーで朝ご飯。
 ここまでで既に「極楽〜」を連発してる母。

 少し早めに家を出て、いざ歌舞伎座へ!
 その前に、三越でお弁当選びも忘れない。
 目移りしちゃって大変だったが、何とか二つのお弁当を購入。
 (美濃吉のお弁当と、寿司岩のにぎり)

 スッキリ晴れた銀座を歌舞伎座へ向かって歩いていると、
 「なんか緊張してきちゃったわ」と興奮気味の母。
 今日のお席は、色々な方にお世話になっていただいた花道の近く!
 センターの席もいいけど、花横の嬉しさもまた格別。

 若々しい勘太郎と海老蔵に、にっこりしたりウルっとしたり。
 美濃吉の筍ご飯が美味しくて、寿司岩のにぎりも、ちゃーんと美味しいにぎりで、
 2人で半分こにして大満足!
 寿司岩は、今後もちょくちょくお弁当買いに行こうかと思った。
 
 道成寺の道行の花子の出、
 花横で観ると、もう目が離せない乙女ぶり。はああ〜。
 多分ぽかーんと口を開けて見ていたと思われる。
 そうして道成寺という曲は、聞けば聞くほど名曲だよなあ。
 よく知りもしないくせに「鐘に恨みは数々ござる〜」とか聞くと
 おお〜と嬉しくなってくる。
 さらに奇跡は起こってしまい、本日またもや手ぬぐいをゲット。
 前回の内野フライとは違い、ぼてぼてのバントを
 ピッチャーが一塁にポイと投げる位の速さ(と思うだけで実際はそうでもないと思うが)で、
 スパンと手の中にキャッチ。
 これは速やかに母にプレゼント。
 縁起がいいね!と嬉しそうだった。
 團パパ、復活してから、なんか一皮むけたというか大きく色っぽくなったよね〜と、
 2人で喜ぶ。

 与情浮名横櫛で、とっぷりと首まで世話の空気につかって、
 いや〜観た見た。大満足。
 外に出ても、歌舞伎の香りが抜けず、気持ちが現世に戻れないわ〜と母。
 
 歩行者天国を銀ブラ。
 7丁目のライオンビアホールで、く〜っとビール。
 綺麗に飾られたウインドウをひやかし、ぶらぶら歩く。

 晴れた空のひこうき雲や、歩行者天国ではじゃぐ犬や、写真を撮る外人さん。
 頭の中は江戸。
 ビールでふんわり酔って、なんて幸せ。
 なんて楽しい。

 それでも時間は来てしまい、
 新幹線のホームへ見送りに。
 楽しかっただけに、わかれるのは、いつも以上に寂しくて、
 このところ、実はちょっと老けて元気のない母の背中をさする。
 握手すると、手がちっちゃい。
 楽しかったね、ありがとうね、また来てね、また来るねと口々に言いあい、
 あぁ、今日も終わってしまうわ。
 
 たまにでいいから、ずーっとこんな日が過ごせるように、
 お互い元気で頑張ろうね!と言いあう。

 そんなわけで、なんだか胸がいっぱいな一日だった。

 






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2005年04月17日(日) 生還?

 なんとか生きて週末を迎えられた。
 あまりにも疲れすぎてると、神経がギザギザ波打ってよく眠れないらしい。
 土曜の仕事が終わり、直帰→パジャマ→さあ寝るぞ〜と思うものの、
 そう簡単には寝付けなかった。

 水曜から急遽お休みしていたボスは、
 なんとか来週から復帰できるらしい。
 ともあれ、2人分の仕事をするのは、もう限界だったと思われるので、
 ホッとした。
 しかし状況は予断を許さない。
 ボスは所謂「デキル人」なので、
 私が何故、こんなにいっぱいいっぱいなのか、
 もう限界っす〜!と泣きたくなる気持ちは、
 本当のところはわかってもらえないかもしれぬ。
 今度ボスの代打をするときは、
 仕事の分量はこちらで調整させてもらおうと心に誓った。

 そうしたら、嬉しいお知らせもひとつ、ふたつ。
 来週末に母と卯月カンザブ祭りに行こうぜ!ということになっていたのだが、
 お頼みしていたチケットが、どうなるかわからず、
 やはり無理だったのかも?と半分諦めかけていたところへ、
 「とれてるよ〜」とのご連絡!
 「駄目だったら仕方ないよ。無理しないでいいから」とは言っていた母も、
 さすがに嬉しそうで、良かったよかった。
 前夜祭にどこで何を食べるかから始まって、
 細々とプランを練るのも、また楽し。

 他にも皐月カンザブ祭りのお切符も全て手許に届き、
 一階最前列から、三階B席まで、色々な角度から祭りに参加できそうで
 ワクワクする。

 みどりの窓口で、京都行きの新幹線も発券。
 新緑の醍醐寺に想いをはせる。

 カレンダー眺めていたら、楽しみな事が盛りだくさんじゃないか!
 どんより、ぐったり、している場合ではないざます!
 明日から、また気持ちを新たに頑張るざます。







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2005年04月13日(水) 泣きっ面にごほうび?


 聖徳太子のように、一度に何人もの人の話を聞き分ける力と、
 天才ドラマーのように、別々に自由に動かせる手足、
 精密機械のように、間違えることのない判断力
 が、
 切実に欲しくなった。

 昼休み前、あまりの忙しさに、
 低血糖や寝不足や、てんてこまいのためか、
 めまいがして、気が遠くなった。
 その後、一時完全に思考能力がフリーズしてしまい、
 仕事仲間に笑われるくらい。
 どうにも、限界を超える忙しさだった。

 明日もピンチヒッターのてんてこ舞いシフトは続くので、
 昼休みには、その手配をしつつ、
 味もわからないようなお弁当を流し込む。

 昼食後に歯みがきしつつ、瞳孔開き気味で、固まってしまった私を見かねて、
 仕事仲間も随分頑張ってくれた。
 夕方まで、プチてんてこ舞いしつつ、長い長い一日が終わった。

 控え室で、夜、同僚とかじった、仕事後のチョコレートが、 
 実に身にしみて美味しかった。
 明日も明後日も、こんな具合にヘビーなシフトになるため、
 開放感もなく、帰路につく。

 一日降り続いた雨は上がっていたが、
 歩道は塗れていた。
 ふと見ると千円札が一枚落ちてた。
 泣きっ面にご褒美か?と思い、ちょうだいすることにする。
 というか、思考能力が停止してるので、そのままポケットへ。
 お金を拾うことなんて、久しぶりだ。
 千円というのが、また微妙な。
 あんなに頑張ったのに、ご褒美千円かよ、とぼやいてみたり。

 最近のヒット「働きマン」が、
 4人の友の手を経て、戻ってきたので、
 ビタミンチャージ!のつもりでパラパラ眺める。

 凄く好きな本なのだが、
 久々に文緒さんがフラウでこの本について語っていて、
 嬉しかったなあ。
 
 コトリと眠ってしまったらしく、 
 夜中に一度目が覚めたので、
 明日のお弁当を作っておくことに。
 ああ、どうか無事に今週が終わりますように。
 
 多分、どの時点で私がバッタリ倒れても、
 行く予定のコンサートやお芝居の切符は一ダースくらいはあると思われ、
 それを、親しい友人1人1人に一枚づつ行ってもらえたら
 こんなに嬉しいことはないなと、
 遊びや仕事が、許容範囲を超えたときに、いつも頭に浮かぶ
 今後の行く末を考えてしまう。

 友人モヘジが、博多座の光源氏を見たら、どんな顔するだろう、とか、
 その後飲みに行っちゃって、大変だろうなあとか、
 醍醐寺は、Mちゃんに行ってもらう?とか、
 五月の歌舞伎座は、是非、今外国へ行ってしまってる彼に、とか、
 立川は家が近いからYちゃんに、とか、
 じゃあ父にはどの切符を?とか、
 そんな組み合わせを考えると、1人で笑ってしまう。
 自虐気味。

 朝までもう少し寝る。

 
 






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2005年04月12日(火) 苦あれば楽あり。

 その後、バタバタと過ごし、
 母が泊まりに来たり、
 ネイルサロンに行ったり、髪を切ったり、友達の結婚式に出席したり。
 さすがに忙しなかったせいか、久々に腰痛がひどくて、
 日曜月曜とヤバイ状態だった。
 痛み止めを飲みバンテリンを塗り、仕事。
 今日は、今月最も良い席での観劇予定であったので、
 少しはマシになった腰をなだめつつ出かける。

 一等席ゆえ、私なりに、ちょっとおめかしもし、
 時間に余裕があったので、三越でお弁当購入。
 売り子のお兄さんの笑顔と、試食の卵焼きが美味しかったので、
 升本の「すみだ川」にする。
 (こだわりの「南蛮漬け」が辛くて美味しかった)
 昼の部は、かなり前の席だったので、
 道成寺の手ぬぐい撒きはいかに?だったが、
 ぽーんと放られた手ぬぐいが、内野フライのようにスッポリと
 私の手の中に収まっており、嬉しかった。
 手ぬぐいの柄はこんな

 雨なので、銀座の街にくり出すこともやめて、
 そのまま居続けで夜の部。
 これまたかぶりつきで堪能。
 
 豪華な充実した一日だった。


 夢心地のまま、外に出て、
 携帯をチェックすると、職場から緊急のメールが入ってる。
 ああ〜。
 明日からピンチヒッターで仕事せねばならず、
 急遽、怒濤の無休シフトに突入することに・・・。
 
 あんなにゴージャスで濃い休日だったというのに。
 明日からひたすら仕事だわん。
 とほほほ。
 しかし、これを乗り切れば、月末には京都醍醐寺。

 明日からの激務に備えて、
 結婚式から今日までの短い命だった、ツヤツヤネイルを落とす。
 ああ、せっかく綺麗にお花のラインを描いてもらったのにな。
 長さも整えて、さあ寝なくちゃと思うものの、
 今日の舞台の、あの場面この場面、次々浮かんで、
 興奮して眠れず。



 






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2005年04月05日(火) 花魁八ツ橋にめろめろにされた。

 ようやく昼夜通しで、観てきた。
 午前10:40には歌舞伎座入りし、午後9:30までみっちり。
 居眠りもせず、もの凄く引きこまれて集中して見たせいか、
 もうぐったり。
 (いつもは、どこかで気を失ってた。)

 今日、一番心わしづかみにされたのは、
 夜の部最後の演目「籠釣瓶花街酔醒」(かごつるべさとのえいざめ)の
 八ツ橋花魁の玉三郎さんだった。
 す、す、すごいいいい。玉さん凄いっすううう。
 助六の揚巻で、玉さんの花魁姿は見たことあったのだけれど、
 八ツ橋は、やっぱ特別なんだなあ。
 見染めの場、光り輝くオーラに包まれて登場した八ツ橋は、
 私が今まで出会ったことのある、美しいモノのベスト3以内に入ると思う。
 息をのむ美しさだった。
 それは衣装や鬘や、表面的な美しさももちろんだけれど、
 玉さんが、本気の本気で存在感全開で、江戸吉原仲之町一の花魁をやってるという、
 溢れ出る輝きというか、そんな美しさ。
 八ツ橋には、あまりにも有名な花道での見せ場、
 七三で立ち止まり艶然と微笑む場面があるのだけれど、
 それがまた格別!
 私は過去に伝説の大成駒・歌右衛門さんのをテレビで、
 それから福助さんのを歌舞伎座で見た記憶があったのだが、
 どちらも「ニーーッ」と笑うので、
 なんだかアレレ?これが有名なシーンなの?くらいの感想だった気がする。
 今日の八ツ橋は、フッと微笑むのだけれど、そのフッが素晴らしかった。
 あの素晴らしさを上手く書きたくてもかけないのが、もどかしい。
 色っぽくて儚げで、そりゃあもう何とも言えない美しさ。
 そこから傾城独特の八の字を踏みながらの道中・・・。
 カンザ演ずる次郎左衛門門同様、私もすっかり魂抜かれてしまう。

 今日の八ツ橋は、とびきり綺麗で美人で、でも狡くて弱い、悲しい女性だと思った。
 粋に遊んで贔屓にしてくれる田舎のお金持ち、
 大の御得意さんの次郎左衛門には、義理も情も感じていたのだろう。
 だからこそ身請けの話もすすんでしまい、
 愛しい間夫(ニザさん演ずる色男)と身請け話の板挟み。
 八ツ橋は八方美人したあげく、手ひどく次郎左衛門に愛想尽かしをする羽目になってしまう。
 悪い女、嫌な女に見えてしまいそうなこの役だが、
 その八ツ橋とて、しょせん売り物買い物ということで、思うにまかせず、
 切なく弱い女性の立場ではあるわけだ。
 
 縁切りの場。
 次郎左衛門に、話すのも嫌、身請けも嫌、もうこれきりにしてくれと、
 突然の愛想尽かしを固い表情でする場面。
 決して次郎左衛門の方を見ようとせず、きつい表情のままの八ツ橋なのだけれど、
 あ、八ツ橋さん泣いてはる・・・と思った。(なぜかここだけ関西弁)
 泣き顔も涙も勿論見せない。
 ましては歌舞伎のお約束「ああああ〜〜〜〜」と泣き崩れるわけでもなく、
 ひたすら「嫌でありんす」の一点張りなのだけれど、
 八ツ橋が心で泣いてるのが感じられた。
 だから「つくづく嫌になりんした」と次郎左衛門の事を言ってる、その台詞が、
 つくづく自分が嫌になりんした、と言いたいように見えた。
 いっそ、わちきが悪うござんした、許しておくんなんし〜とでも泣いてみせれば、
 楽になるのに・・・。
 それだけはしないのが、八ツ橋の女の意地なのか。

 それを受けて立つ、新勘三郎の次郎左衛門。
 冒頭の、まるっきりの田舎モノで、しかも顔はあばただらけから、
 八ツ橋に心底惚れ込んで、誠意の限りを尽くして、
 ひたすら粋に通い詰める様子、
 そして、突然の縁切りで「花魁、そりゃああんまりそでなかろうぜ」と打ちひしがれる場面。
 玉さんカンザ、がっぷり組んで、それは迫力の舞台であった。

 ともかく圧倒された。

 
 それ以外にも、團パパの荒事「毛抜」や、
 久々の歌舞伎座海老蔵も、今日の勘太郎のマイマイづくしも、
 まだまだいっぱい書きたいけれど、
 もうヘロヘロ。
 座ってるだけとはいえ、エネルギー使うみたいだ。

 そうそう、昼の部で津川雅彦さんを見かけた。
 実はこの方と同じ日に観劇するのは、これで三度目。
 昨年6月の助六では、両親の席の前に、
 8月大阪松竹座では、私の後ろに座ってたのだ。
 (津川さん海老蔵えびぞうと、海老蔵のことばかり話していて、
  海老の出ていないところでは、居眠りなさってた。うはは)
 今日も、オーラを消して、さっくり観劇。
 きっと好きなんだろうなあ。


 






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2005年04月03日(日) 華のお江戸の歌舞伎座の・・・。

 いよいよ4月。
 当初の観劇予定日(明後日だ)まで、指折り数えて待っていたのだが、
 待ち遠しすぎて辛抱たまらず、本日昼の部のみ三階にて観劇。

 いや〜楽しかった!
 先月、何故か今ひとつ盛り上がれなかった私には、
 ようやくカンザブ祭りが始まったような気分。

 一番印象深かった、娘道成寺。
 勘三郎の踊りは凄かった。
 なんというか、空間を支配してしまう生々しさが強烈で、
 踊りを見ていると言う気分ではなく、
 私まで鐘の披露の境内にいるような、不思議な錯覚。
 ぐいーっと引きこまれて、見入ってしまった。

 大竹しのぶさんと仲良しなのがうなずけるかんじというか、
 似たような空気の作りかた、リアルさ、魅力かなと思う。
 存在感のある女っぷりだ。

 所化のきいたか坊主には、海老蔵も登場。
 芝翫さんはじめ、大勢の先輩達と並んでじっと座る海老坊主。
 お隣には勘太郎坊主。
 花道を登場する勘三郎白拍子花子。
 ここで所化は、目線はじっと動かさず、見ているけれど見ていない、
 あの独特の行儀の良さが必要とされるのだろうけれど、
 海老も勘太郎も、じいーーーっと花道の花子に見入っていた。
 2人だけ見ちゃってるから三階からは(花道もあまり見えないし)、
 とても目立つのだが、
 何か学ぼう掴もうとしてるのかなあ、見ずにはいられないんだろうなあ、
 と思うと微笑ましい。

 普段の道成寺では、花子は蛇の化身である正体をあらわし、
 釣り鐘にのぼって、見得で幕〜となるのだが、
 今回は珍しい「押し戻し」というのが付く。
 ここでいよいよ團パパの登場!
 揚げ幕の内から、パパの声が聞こえたとき、
 私、思いがけずパラパラと涙がこぼれて、ビックリ焦った。
 もう復帰してからパリ・京都・新橋と何度もパパの舞台は見てたから、
 そんな気持ちになろうとは予想していなかったのに。。。
 なんかねえ、嬉しかったなあ。
 華のお江戸の歌舞伎座には、やっぱり團十郎がいてくれなくちゃ!
 こうでなくっちゃ!という気分。

 忘れもしない昨年の5月9日夜の部、
 割れんばかりの拍手と、そこここで響いてる大向こうさんの「成田屋〜!」の声、
 大盛り上がりの劇場で、
 観客に押されるように花道を六方で消えたパパの背中。
 いつもより小さく見えた背中を見送って、
 あれから休演、病気の知らせを聞いて、不安で悲しかった期間のこと思い出した。
 あの時のパパが消えた揚げ幕の向こうと、
 今日の揚げ幕の向こうがつながってるみたいで、
 そこから、待ち遠しかった強いでっかいヒーローが帰ってきてくれたみたいで、
 本当に嬉しかった。
 ミーハー海老ファンのつもりが、成田屋オババに一歩進化したのか、オレ。


 そんなこんなで、いやあ満足。
 取り急ぎ、熱い気持ちがホカホカしてるうちに、これだけ書きたかった。

 これから、花は咲いてないけど花見〜!
 花より団子になりそうだけど、花見に行って来る。

 残りの感想は、また!



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