川底を流れる小石のように。  〜番外編〜  海老蔵への道!
もくじを見てみるひとつ前現在に近づいてプチ画像日記


2005年03月27日(日) ほとんど月刊川底状態ですな。「弥生カンザブ祭り」

 ざざーっと今月の舞台感想など、書き留めておく。

 ☆三月大歌舞伎勘三郎襲名興行

 月初めに三階席で鑑賞。
 朝一番の出し物「猿若江戸の初櫓」がとても印象深い。
 中村座の創始者、初世中村(猿若)勘三郎を主人公とした舞踊で、
 江戸時代の初め、出雲の阿国とともに道化役の猿若が江戸へやってくる。
 その若い猿若青年の役を、新勘三郎の長男勘太郎が演じたのだが、
 これが素晴らしかった。
 父の晴れ舞台への応援の気持ちや、
 謹慎中の弟七之助の分まで頑張らなくちゃという勘太郎の気持ちが、
 三階の私にまで、充分に届くような、
 きっちり折り目正しく、清々しく、気持ちよい踊りで、
 楽しい演目なのだけれど、わけもなく涙してしまう。
 国宝級の役者さん達の、じっくりした舞台も好きだが、
 こういう、若い人の、気迫やオーラや心根がそのまま現れるような、
 キラキラした瞬間に出会えるというのも、幸せな観劇だ。

 一方主役の勘三郎さんは、ちょっとお疲れ気味なのかな?と心配になるような感じ。
 今月、色々な役で、それぞれ違った声を使うので、
 こういうときはノドが心配だとインタビューで言っていた気がするが、
 確かに少し声がかすれてる。
 長い長い(三年がかり)の襲名興行は、始まったばかり。
 どうか元気で、つとめあげてください。

 余談だが、夜の部「盛綱陣屋」で、
 橋之助・三田寛子夫妻の次男の宗生ちゃん(H9年生)が、りりしい戦の出で立ちで登場。
 白塗りのはえる顔立ちで可愛らしいのだけれど、
 舞台が進行しているうちに眠くなってしまうのか、うとうと・・・。
 後ろにひかえている黒子さんが、がっしり宗生ちゃんを支えているのであった。
 本当にご苦労様です。
 三階だったせいもあるのだろうけど、
 私の回りのおばちゃん達、宗生ちゃんが気になって仕方ないらしく、
 あら、寝ちゃったわよ、ああ、起きたわ起きたわ!とささやきっぱなし。
 うへへ。
 その5日後に観劇した友達に聞いたら、
 宗生ちゃんの長い登場シーンは無くなってたらしい。
 やはり、おチビちゃんには難しかったか。

 
 ☆スーパー歌舞伎 ヤマトタケル

 座長の猿之助さんが、長く病で休演中のスーパー歌舞伎。
 以前、友達が観劇帰りの銀座の寿司屋さんで、
 ここの若手の星・段治郎さんを見かけた事があるそうなのだが、
 その時の話を聞いたり、
 別の友達が12月の「梅ごよみ」の段治郎さんが格好良かった〜と言うのを聞いて、
 なんだか気になり、久々にスーパー歌舞伎に行ってみることに。

 最後にスーパー歌舞伎を観たのは、10年以上前だったか。
 ギラギラした舞台装置や衣装、説教くさい台詞にげんなりして、
 もういいかな・・・と思っていたのだ。

 久々に見てみると、あらま、思った以上にいいんじゃない?
 若い役者さん達が、師匠の不在を埋めようと、キビキビハキハキ頑張っていて、
 見ていて熱いものが伝わってきた。
 これを「歌舞伎」と呼ぶのは抵抗があるものの、
 エンターテインメントとして充実してるなあと思う。


 ☆「蛇よ!」

 松尾スズキと大竹しのぶの2人芝居。
 松尾っぽい大人のじっとりした笑いを堪能。
 いや〜笑った。
 くつくつ、くすくす、うへうへ笑った。
 松尾スズキの「キモ素敵」ぶりは健在で、大好き。
 だけど、一番すげえ!と思ったのは、大竹しのぶの「あっけらかん魔性」ぶり。
 あんなのって反則じゃないかというくらい、魅力的だ。
 同性の私でも、めろめろにされてしまうぜ、しのぶ!

 
 ☆映画「ビフォア・サンセット」

 大好きな映画の一つに「恋人までのディスタンス」がある。
 旅先の列車で出会ったフランス人女性とアメリカ人男性。
 若い2人の短い、出会いの物語。
 これがなんとも不思議な映画で、この空気感って独特で特別。
 イーサン・ホークが好きなので、見たのだけれど、ストライク!
 (イーサンの映画は、リアリティ・バイツとかガタカとか、大好きな一本になることが多い)
 
 あのドラマチックな出会いから9年。
 あの2人がパリで再会!というのが、この「ビフォア・サンセット」。
 恵比寿ガーデンシネマで、ひっそり上映されてた。
 最近映画もあまり見てなくて、疎くなっていたのだけれど、
 発見できて、映画館で見られて、ありがたいぜ。神様ありがとう。

 切なくほろ苦く嬉しい再会のお話だった。
 舞台はパリ。
 10月のパリ旅行以来、ずっとパリの旅は私の中では続いていて、
 テレビで見たり、雑誌で出会う、ちょっとしたパリが、
 「どこかの遠い国」ではなくて
 「こないだのあの場所」として、ジンジン感じられる。
 映画の中でも、フランソワーズと歩いた石畳を、2人も歩いてた。
 バスから見かけた教会、乗れなかったけどバトームーシュ。
 こういう建物が、パリの典型的な造りになってるのよと、
 フランソワーズが教えてくれた、中庭のあるアパルトマンに
 映画の主人公も住んでいて、
 二重にも三重にも、ぐっとくる映画鑑賞となった。
 
 

 
 ☆再度勘三郎襲名歌舞伎 昼の部
 
 これは、はずみで買ってしまった一等席最前列で。
 口上の時、目の前が又五郎先生で、
 きっちり美しい可愛らしいお年寄りぶりを目の当たりにし、
 あまりの有り難さに、感激しまくってしまう。
 涙が出ましたよ。
 
 この日、最前列の並びに、とてもオシャレをした小さな男の子がいた。
 3歳か、もうすぐ4歳くらいか。
 半ズボンにジャケットを着て、いっぱしの小さな紳士だ。
 それにしてもあまりにも小さいので、長い歌舞伎のこと、
 途中で飽きたり嫌になったりしないのか?と思い、ついつい注目してしまう。
 けど、この子は大したもので、本当に舞台が好きなのか、
 終始行儀良く、ちゃあんと観劇していて、偉かった。
 なんだか、いいなあと思う。
 

 そんなこんなで、私の三月の観劇はこんなだったけれど、
 カンザブ祭りは、もっと色々大変だった。
 月末に父が仕事で上京するのだが、時間に余裕があるとのこと。
 うーむ月末の週末かあ・・・。
 なんとか盛り上がっているらしい父の希望に応えて、
 カンザブ祭りを見せてあげたいものだ。
 この日からひたすらチケットweb松竹で、戻りのチェック。
 やはりチケットを頼まれているという友達が、がっちり協力してくれて、
 無事に一等席の戻りをゲット。
 せめて父1人分だけでも、と思っていたのだが、
 同行する母も、さらにこの日、昼を一緒に食べる予定だった叔父叔母の分まで、
 バタバタっと6人分の一等席のチケットを手に入れることが出来た。
 昨年海老蔵襲名では、チケットがとれず三階席にご招待となってしまった叔母達に
 思いがけず、ちゃんと約束が果たせて、嬉しかった。
 歌舞伎ははじめてだという叔父は玉三郎さんの美しさに驚き、
 二度目だわ〜という叔母は、楽しかった楽しかったとヨロコビ、
 父も、満足してくれた様子。
 仕事で自分が一緒に行けなかったのが、とてもとても残念無念。
 
 お礼にといって、ミキモトのダイヤとパールのピアスをプレゼントされて、
 やほほだった。
 これが可愛くて、ダイヤとパールは取り外しが出来て、別に着けられる。
 こういうのがずっと欲しかったので、とても嬉しい。
 さらに久々に久兵衛でお寿司をゴチになり、
 柔らかく味わい深く炊いたアワビや、炙りトロにうっとり。
 思いの外ゴージャスな弥生カンザブ祭りとなったのであった。
 
 ご協力くださった友達、本当にありがとう!


 そんな中、着々と準備が完了し、4月の末の京都醍醐寺薪歌舞伎にも
 行けることになった!
 嬉しい!


 いやはや溜まった日記、ずらずら書くと長いのう。。。


 






↑エンピツ投票ボタン

My追加


 


2005年03月05日(土) こうして人は中村屋にひかれていくのか。

 今年の母の日のプレゼントは、4月歌舞伎座の勘三郎襲名のチケット。
 なので、このところいくつかあったテレビの勘三郎襲名特番をリストにして、
 母にメールで知らせておいた。

 昨日はフジでの2時間特番。
 一時、フジといえばムツゴロウと中村屋の特番を楽しみにしていたっけ。
 付き合いの長い中村屋さんとフジテレビならではの、
 豊富な過去映像と、しっかり密着で、濃い2時間であった。

 中でも最古参のお弟子さん小山三さん(大正9年生・84歳)が大好き。
 先代の勘三郎さんが「私が死んだら、柩には小山三を入れとくれ」と言ったというのは
 あまりにも有名なエピソードであるが、
 それくらい中村屋にとって、無くてはならない人なのだろう。

 次男の七之助の事件の時、ああ〜小山三さん泣いてるだろうなあ・・・と思った。

 今回も小山三さんは健在。
 「みんな襲名までは頑張ってくれっていうけど、襲名が終わったら死んじまえっていうのかい」と笑顔。
 それを見て、私も笑い泣いた。

 昨日に続き、今夜も長老・又五郎先生は素晴らしく、
 あの神々しい笑顔をを見られて、幸せ。
 「立派な役者になると思います。
  こっちもそれを見て、
  おとっつあん(亡くなった先代)のところへ行って報告しなくちゃならんと思ってます」
 などど、優しく言うのを聞いて、また泣き笑い。

 昨日も思ったのだが、新勘三郎さんという人は、
 ともかく、こうと思ったら突き進む、周囲の人を動かさずにはおかない、
 凄いエネルギーを持ってる。
 昨日の口上には、
 他の俳優さんからの、それに対しての「よくここまできたね」という気持ちが溢れていた。
 あったかかった。

 海老蔵の襲名の時、凄いなあ〜と色々な事に驚いたり感激したけど、
 あれは「これから」の若い役者へのはなむけだったのだなと、今は思う。
 当然かもしれないけれど、今回の勘三郎襲名には、
 彼の勘九郎としての47年分の重みがある。
 (海老蔵も20年後には、大きな役者になってるといいなあ)

 放送終了し、そんなことをぼ〜っと考えていたら父から電話。
 母と2人、襲名特番を見ていたのだが、
 4月の予習と張り切っていた母は、
 張り切りすぎて、録画してるからと安心して途中で寝てしまい、
 父だけが最後まで見て、そしてとても感激したらしい。
 普段はわりと冷静・客観の人なので、驚いた。
 なんかとってもテンションが高くなっていて、心動かされたらしい。

 だーかーら、4月のチケット、オカンを誘うときに、ちゃんとオトンにも声かけたじゃん。
 その時は、オレはいいや、なんて言ってくせに。
 (と、思うも、口に出しては言わない)
 残念ながら、今は3月・4月とも、殆ど売り切れ状態だよ。

 確かに、なかなか濃い番組だったし、
 あのエネルギーと人柄で、
 きっと大勢、歌舞伎や中村屋に興味を持った人がいたのじゃないだろうか。
 そういう人が、じゃあ行ってみるか!と思ったときに、
 チケットがとれないというのは、つらいだろうな。

 そう思って、私は三階席をとってあるから、
 お宝の三月昼の部一等席最前列、オトン、予定が合うならプレゼントするよ、
 でも一枚だから、一人で行くんだよ。
 私は終演後に迎えに行くから、美味しいものでも食べようか。
 と言うと、とても喜んで、
 でも結局手帳を見て、その日はやっぱり無理だとのこと。
 それでも、嬉しそうにしてた。

 せめてもと今日早速、口上生中継を録画したDVDを、宅急便で送った。
 他には2003年12月の「狐狸狐狸ばなし」も、楽しいから同封。
 ついでに海老蔵の地方巡業は、実家の方へも行くので、その演目「実盛物語」も。
 そっと10枚組DVD「勘九郎箱」のパンフレットもしのばせておく。
 うひひ。
 もし買ったら見せてもらおうというつもり。
 


 






↑エンピツ投票ボタン

My追加


 


2005年03月04日(金) ありがたい。(お家で観劇)

 年度末だけあって、世の中は移動等が多いらしく、
 「三月一杯までに終わらせて欲しい」みたいな仕事が山ほどあり、
 毎日がぎっちりしてる。
 忙しいのはつらいけど、ありがたいことではある。

 脳みそがぼぅ〜っとして、体もぐ〜ったりして、
 それでも今夜は、帰宅後に大きなイベントが待っている。
 スカパーで生中継された、18代目勘三郎襲名口上初日のもようを、
 我が家のテレビ前一等席にて観劇。

 中村屋の紋の祝幕があくと、ズラリと居並ぶ豪華な顔ぶれ。
 壮観だ。
 人となりのしのばれる、俳優さんそれぞれの言葉。
 なかでも、大正3年生まれの長老、91歳の又五郎先生の姿と言葉で、
 私は完全にスイッチが入ってしまい、涙とまらず。
 感無量といった玉三郎さん、胸一杯の仁左右衛門さん、
 気持ちがあふれ出てしまいそうな勘太郎、
 そしてキリリとした新勘三郎さんご本人・・・。
 襲名って重いことなのだなあと、しみじみ。
 私のような、歌舞伎シロウトにでさえも、
 勘九郎時代に、積み上げてきたあれこれが、並大抵ではないことはわかる。
 そんな一歩一歩の積み重ねが、18代も続いて今日があるんだろうなあ。

 口上中継の後に放送された襲名披露パーティーのもよう。
 豪華で派手な顔ぶれだった。
 お家によって、雰囲気やカラーも違うものなんだなあと楽しかった。

 そんなわけで、気分はすっかり襲名モードに。
 三月・四月に、歌舞伎座に着てゆく服を考えてみたり、
 カレンダーとチケットを確認しなおしてみたり。

 明日の朝は本当に雪になってるのだろうか?


 






↑エンピツ投票ボタン

My追加


 


2005年03月03日(木) 白いつぼみ。

 その後、お陰様でパソコンも復活。
 思っていた以上に、多くの事をネットで処理する暮らしをしたいたのだなーと再認識。
 使えない間の、なんと不便で心もとないことか。
 良くも悪くも、欠かせないモノになっている。

 もう三月だわ〜と思っていたら、
 近所で一番日当たりの良い場所の沈丁花のつぼみが、
 ちょんぼりと白く開きはじめていた。
 朝晩は寒くても、確実に春はやって来てる。

 今年に入って、職場ではボスと一緒に本を読む勉強会をはじめた。
 きっかけは、なかなか優れものの新刊専門書を一冊、ボスがプレゼントしてくれたこと。
 お互い一人だとなかなか専門書読書タイムを確保出来ないということで、
 一週間に一度、章を決めて各々読み込み、ディスカッションすることに。
 これが、かなり有意義な時間で、ありがたいことではあるのだけれど、
 しんどいことでもある。
 なんだか久方ぶりに、試験中の学生みたいに、
 ペンを片手に、ガッツリ集中して通勤時間に勉強する羽目に。
 ほえ〜っと富士山なぞ探しつつ、ぼんやりと通勤していたので、
 まだ慣れない。
 通勤の荷物もずっしり重くなったし。

 そんなわけで、今朝は早起きして、早朝自主学習を試みてみたのだけれど、
 思わず日記編集ページを開いたりして、
 全然ダメダメだわい。
 逃避してる。


 そして、今日はいよいよ初日。
 新勘三郎誕生の日。
 大の中村屋贔屓ではなくても、歌舞伎好きには、やはり心躍るお祭り。

 普段通り仕事だし、勉強会もあるし、きっと帰りは遅くなるし、
 しかも夜には雨から雪にかわるという予報だけれど、
 テレビの歌舞伎チャンネルの「口上生中継」は録画予約完了。
 仕事中、ニヤついたりしないようにしなくちゃ。

 初日おめでとうございます。

 いってまいります。

 
 






↑エンピツ投票ボタン

My追加


しま |てがみもくじを見てみるひとつ前

いわゆる投票ボタンです。ぽちっ?

My追加
「エンピツ」な方々用、新鮮お届け。