馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2002年07月01日(月) 『のんびり日報』〜素晴らしきのんびりやたち・5

稽古最終週、第43回。

はあいよいよ最終週かあ。
これまで何度も稽古最終週は迎えてきたわけだけど、今回はいつにも増してこそばゆい。
演出だから? 企画長だから? 卒業だから?
この1週間、晴れが続きますように。

   ◆

通しの稽古をべディック正・副両会長が見てくれた。
ご両所は撮影部隊として今回の芝居を撮ってくれる。
豪華にも5カメ体制。
全体固定とか上手サイドとか役者アップとか、サッカーのカメラ配置みたい。

感想を求めたらおおむね誉めてくれた。
でもやっぱり彼らは身内だ。
戒めのためにも誉め言葉は3割(いやいやもっと)控えめに受け取ろう。

   ◆

本番間近、現場の声��

関口健役・中澤匡智

「本番30日前をむかえて」からはや20日。
つまりは本番10日前でございます。
この日に至るまで個人的に色々ありました。
久しく大熱だして、薬をもらいに病院行ったら点滴と注射を打つことになったり、養成所の発表会の練習と被ってマネージャーと話し合ったり、うんたらかんたら……。
まあ、ホントにもう10日前ですし、肝を据えて望みます。

「精一杯にのんびりと」は普通の話です。
でも、本当におもしろいです。
見て下さいね。

中澤匡智


   ◆

「高校の友人に今回の役のこと話したら、『自分そのままじゃん』と言われましたよぉ」と彼は稲葉に言ってきた。
彼の演じる健はごく普通の男の子。
ただしどこか間が抜けているというか情けないというか頼りないというか……。
ねえ。
彼は前にも似た役をもらったことがあるようで。

初めて通しを観た物井殿が「みんなキャラが立ってる」と言っていました。
これは演出家へも役者へも通じる嬉しい言葉だ。
そして6役者の中でもっともキャラを創りやすかったのが健というか中澤だった。
天性のお茶目さというか、母性本能をくすぐるというか…。
彼の場合、それが決してうるさくないのだ。
得だなあ。

彼の強みは自分の役割を認識していることだ。
ストーリーの中で、自分が前に出るところでは大いにはしゃぐ。
これはまあどの役者もできること…てゆーかできなきゃ話にならん。

ただ、脇に回ったときの対処、これがなかなか難しい。
何かしなくちゃという義務感からか、目立っちゃいけないところで変に騒いで芝居を壊してしまうことがよくある。
が、中澤にはこれがない。
自分の出番が済んだらサッと身を引いて脇に徹し、次のメインに場を明け渡す。
これが芝居をスムーズに見せてくれる。

芝居のテンポを小気味良く創りあげるには、出て行くタイミングより退くタイミングの方が鍵を握っているのだなあ。
今回演出していて、中澤を観ていて気づいたことだ。

   ◆

池島ひろみ役・持木絵理子

殻。 殻。 から。 カラカラカラカラ……。(「池島くん、しっかりなさいませ」)
そうなのよ。
なんなのかしらね…。
うーん、何かに怯えて巣立てないコトリのようじゃ。
でも、なんだか昨日の練習で正式に巣立ちの準備が整いました。

〔連休、申し訳ないです。ごめんなさい。〕

さあ、飛べ。


   ◆

持木は稽古前半は足・ものもらいの通院で、終盤は家の事情で欠席回数がもっとも多かった。
当然稽古回数も他の5人と比べて少ないわけで、稲葉はこれが怖かった。
たとえ素晴らしい役者が10人いても11人目の役者が下手だったら芝居は崩れる。
観客はイヤラシイことに上手いのには鈍感で下手なのに敏感なのだ。

ただ、彼女の場合はちょっと異質。
確かに芝居を観ていて共演者との差を感じることはある。
だが、彼女が他の役者を引っ張っていくことが多いのもまた事実だ。
うーん不思議なヤツ。

普通、芝居は1度リズムが乱れはじめたら立て直すのは尋常でなく難しい。
しかし今回の芝居、立ち直ることがある。
1場が目も当てられないありさまだったのが、2、3場と進むにつれて良くなっていったりする。
調子が上向きになるきっかけはさまざまだが、彼女の奮闘がそれになることが多々ある。

ただしその一方で、やはり稽古不足が出ていい調子に水をさすこともしばしば。
良いときとダメなときのギャップがものすごい。
ハラハラするが演出としては面白い素材を持ったものだと思う。

波に乗れさえすれば、もともと華がある、彼女は強い。

   ◆

稽古後、コムギコ副会長・板倉参謀・由梨制作と大番ラーメン。
さらに物井会長も加わってミスタードーナッツでコーヒーをガバガバ飲みまくり。
芝居の話はほとんど出なかった。
家に着いたのは1時半だった。

今の時期、睡眠時間はとても貴重なものだが、稲葉にとってはこういう時間もまた貴重なのだ。
頭のキャパシティを超えることを抱え込んで、方々(特にともき舞台監督)に迷惑をかけてしまっている。
2時間くらい、芝居のことをまったく忘れて他愛のない会話に没頭するのもよかろう。
頭をリフレッシュして、明日以降はいよいよノンストップだ。

本番まであと4日!


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稲葉 馨

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