日記のような語りのような。

2004年05月31日(月) こんな1日も <ラウ>

思えば、いつからこのようなことになったのだろう。
そう問うてみて、それがいつかわからないわけがないのだけれど。
しかしそれでも、あの虚しい日々がどうしたらこの騒がしい日々に繋がるというのか、皆目見当もつかない。
ただ、それ以上に不思議なのが、この状況を決して嫌だとは思わない自分自身であるということなど、気づきたくはなかった。


「やあ、ラウ。久し振りだね」

覚えのある声に顔を上げると、隣のベランダから顔を覗かせるのは覚えのあるもので。
どうしてこうひとりでいたいときに限ってこちらの存在を嗅ぎつけるのだろう。
なんにしろ、こういったものは気にしないことに限る。

「……相変わらず、か」

楽しげに呟いて、蒼い猫は少し離れたところで丸くなったようだった。
他人の家のベランダに勝手に入っておいてこうも気ままにいられるのは性格ゆえなのだろうか。
外の世界では、だんだんと日が長くなっているようだった。
日々気温が上がっていくが空調に頼るほどの温度ではないからか、この家の主人はよく窓を開け放している。
それゆえに、自分もこうして外の風に身体をさらしているわけなのだけれど。
ふいに視線を感じてその方を一瞥すると、案の定の蒼とかちあうことになる。
一体何が楽しいのか、蒼い猫は気づけばこちらを見ているようで。
大した害にはならないから、大抵はそのまま放っておく。

それからどれほどたったろうか。
穏やかに過ぎゆく時間は、長くもあり短くもあったようだ。
語らぬままに終わるはすだった静寂が、あっさりと破られるのもまたいつものことであった。

「こんなところで日向ぼっこかい?」

仲間に入れろ、と喜々としてこちらにやってくる黒い影も、決してイレギュラーな存在ではなかった。


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紗月 [MAIL]