日記のような語りのような。

2004年05月18日(火) 君のいるとき2 <ランディ&?>

しばらくして、ランディくんが醤油を借りて戻ってくると、部屋の中に見慣れぬ影がひとつありました。
窓のあたりに、セイランがいるのはいつものこととして。
セイランが気にしているらしい窓の向こう、ランディくんの家のベランダに、いつのまにかいる黒い影。
セイランと比べてもさほど大きさは変わらないだろうその影は、部屋の中に入りたがっているのかそれともセイランに対して何か用でもあるのか、かりかりと外から窓をひっかいていて。

「あ、ちょっと待ってください」

思わず窓に駆け寄ったランディくんを、セイランがちらりと見上げました。
窓を開けると、外にいた影――黒い猫は、なぜか我がもの顔で部屋の中に入ってきて。
その堂々っぷりに圧倒されて、ランディくんは何も云うことができませんでした。
元々、猫が部屋に勝手に入ったくらいで文句を云えるような子ではないのですけれど。

「セイランさんのお友達ですか?」

部屋に上がりこんだ黒猫は、ランディくんのことをじっと見つめていました。
セイランの蒼い毛色は珍しいけれど、真っ黒な色も綺麗だなぁとランディくんはなんとなく思いました。

「こんにちは、オレはランディ。いつもセイランさんがお世話になって……るのかな?」

思わず首を傾げたランディくんでしたが、黒猫はランディくんを見上げたままでなんの反応もありませんでした。
困ったように苦笑して、ランディくんは横にいるセイランに視線を向けました。

「今度は黒いお友達なんですね」

けれど、セイランは気づくと横になっていて、全くランディくんの話を聞いていないようで。
見ればセイランに倣って(?)黒猫も窓辺で丸くなっていました。
まあいつものことだからいいか、とランディくんは軽く肩をすくめ、借りてきた醤油を持ち直してキッチンへ向かいました。


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紗月 [MAIL]