日記のような語りのような。

2004年04月28日(水) 君のためなら4 <ランセイ>

オリヴィエ先輩の言葉にランディくんはとても驚きましたが、紅茶の乗ったトレイを手に部屋に戻るとすぐに状況がわかりました。
窓の近くにいるオリヴィエ先輩の足元に見えるのは、蒼い猫と白い猫。
そう、そこにいたのはセイランだけではなかったのです。

「ああ、蒼い猫がセイランさんです」
「ふーん、じゃあこっちの白いのは?」
「その子はラウさんです。隣の隣に住むフラガさんの家の猫で、ときどきうちに遊びにくるんですよ」

最初にセイラン以外の猫を見たときは驚いていたランディくんでしたが、今では猫たちが互いの家に遊びにいくのは日常茶飯事なので、家の中に他の猫がいても驚くことはなくなったのです。

「そうなんだ」

なるほどと頷いて、オリヴィエ先輩はセイランの方に手を伸ばしました。
けれど、セイランはふいっとそっぽを向いてしまいます。

「わ、生意気ね〜この子。可愛い顔して」
「すみません、セイランさんもラウさんもあんまり人に懐かないので……」

ランディくんが困ったように笑うと、オリヴィエ先輩はからかうような目を向けて首を傾げました。

「あんたにも、でしょ?」
「ははは……そうなんです」
「だってプライド高そうだもん、この子たち。実はどっかの血統書つきとかそんなんじゃないでしょうね?」
「ええっ、そんなことはないと思いますけど……」
「ま、どうでもいいけどね」

軽く肩をすくめて、オリヴィエ先輩は今度はラウの方を向きました。

「ほらラウ、こっちおいで」

すると、どうしたことでしょう。
初対面にもかかわらず、ラウは伸ばされた手に自分から寄っていったのです。


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紗月 [MAIL]