日記のような語りのような。

2004年04月25日(日) 君のためなら2 <ランセイ>

「やっほー。久し振りだね、ランディ?」
「お久し振りです。わざわざすいませんでした」
「ま、気にしないでよ。ちょうどこの辺に用があったから、そのついでに寄っただけだし」

電話をしてから数日後、ランディくんの部屋を訪れたのは、オリヴィエ先輩でした。
そう、セイランの元の飼い主であるオスカー先輩の悪友で、セイランを預かった際、何かあったら頼るようにと云われていたのがこのオリヴィエ先輩だったのです。
オリヴィエ先輩はいつも派手な格好をしていて、高校時代は何度も先生に呼びだしを食らっていたほどです。
大学生になってもそれは変わらないようで――いえ、むしろ自由になった分だけさらに派手になったようにも見え、ランディくんは驚きながらも懐かしさでいっぱいになっていました。
それと同時に、呼びだした理由が理由であることに少し罪悪感を感じていたりもして。

「オリヴィエ先輩……すいません、俺……」

笑っているオリヴィエ先輩に、思わず謝ってしまうランディくんでしたが、オリヴィエ先輩は苦笑いをしてそのうなだれた頭をぽんぽんと叩きました。

「いいっていいって。元はといえば、オスカーの奴が全部悪いんだからさ」

軽く笑ったオリヴィエ先輩は、早速お財布を取り出しました。
お財布は革製で、どこかのブランドのものでしょう、とても高そうでしたがそれ以上にランディくんはオリヴィエ先輩の爪の派手さにびっくりしていました。

「で、いくらくらいかかったの?」
「あ、はい、ちょっと待っててください」

ランディくんは一旦部屋の中に戻ると、猫用トイレやエサの代金を書きだした紙を持ってきました。
受け取った紙をざっと眺め、オリヴィエ先輩はお財布の中からお札を何枚か抜き出しました。

「じゃあ、これくらでいいかな?」
「え、でもオリヴィエ先輩……!」
「なに、足りない?」
「そうじゃなくて、オレこんなにもらえせんよ!」

ランディくんの手の中には、代金をはるかに越えたお金がありました。
少しの援助のみを期待していたランディくんからすると、とんでもない金額であるほどの。


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紗月 [MAIL]