日記のような語りのような。

2004年04月24日(土) 君のためなら <ランセイ>

ランディくんは悩んでいました。
それはもう、ランディくんにしては珍しく真剣に(といっては失礼ですが、事実なので仕方ありません)悩んでいました。
その悩みの種は、ランディくんの目の前に広がっていました。
テーブルの上にある、貯金通帳とお財布、お財布から出されたお札が何枚かと、小銭がいくつか。

「うーん、やっぱり少ないなぁ」

そこにあるお金と、通帳の残高を見比べ、ランディくんは唸ってしまいます。
ランディくんの目の前にあるもの、それは今月の生活費の残りだったのです。

「けっこうセイランさんのエサ代にかかっちゃったからかな……」

ランディくんは学校から奨学金をもらっていて、さらに家からの仕送りもあり日々のバイトまでこなしているうえに無駄遣いはしないタイプなので、そんなにお金には不自由をしていませんでした。
それでもお金が少ないのにはいくつか理由があるようです。
先日の部活の大会に出場したとき、交通費などの諸経費が少なからずかかりました。
けれど、それよりも使ったのはセイランのためのお金でした。
金額はそれほどではなかったのですが、予定外の出費は当然家計を圧迫します。

「ないってわけじゃないけど……少し不安かな」

何かと出費の多いこの時期、来週にはバイトのお給料が入るとはいえやはり不安が残ります。

「えぇっと、確かこの辺に……」

おもむろに立ち上がったランディくんは、机の中をあさりだしました。
突然の行動にそれまで寝ていたセイランが驚いたように顔を上げました。

「あ、すいませんセイランさん」

セイランは顔を上げたままランディくんをじっと見つめていました。
しばらく何かを探していたランディくんでしたが、目的のものを見つけたのか、ふいにその動きが止まります。

「あった、これだ……!」

机の中から取り出した1枚の紙を手に、ランディくんは電話に手を伸ばしました。


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紗月 [MAIL]