日記のような語りのような。

2004年04月11日(日) 君に会いたい4 <続・君がいるから>

「あれ? 何やってんだ、お前たち。来てたなら声かけてくれりゃ良かったのに」

家の前で話していた声が聞こえていたのでしょうか、ランディくんが去ってすぐ、ムウさんが玄関から顔を覗かせました。

「すいません。さっきまで、ランディさんって方と話してたんです」
「ああ、ランディか。なるほどな。――ま、立ち話もなんだから入れよ」

ムウさんの後についてキラくんとアスランくんは部屋に上がりました。
玄関から中の様子をまじまじと眺めるキラくんに、ムウさんは不思議そうな顔をします。

「どうした、坊主?」
「いえ……案外綺麗なんだなぁって」
「お前、なんか変なこと期待してたんじゃないだろうな?」
「き、期待なんてしてませんよ! ただ、男の人の1人暮らしってどうなのかなって思ってただけで……っ」
「ま、わからないではないがな。あいにくと俺は綺麗好きでな、ほんの少し整理するだけで人が招けるほどにはちゃんとしてるぜ?」

茶化しあうような会話をしながら部屋に足を踏み入れたキラくんが、真っ先に見たものは白く小さなものでした。
突然の来訪者に驚いた様子もなく、じっとこちらを見つめてくる青い瞳。
真っ直ぐなそれに思わず言葉を途切れさせてしまったキラくんに、ムウさんは満足げに微笑みました。

「ムウさん、この子が……」
「ああ、ラウだ。可愛いだろ?」

すると、それまで黙っていたアスランくんが、急に一歩踏み出しました。
ラウの姿をみとめ、足を止めるとラウから視線を外さないままぽつりと呟きました。

「本当に、『ラウ』、なんですか……?」

予想外の言葉に、ムウさんは眉をひそめながらも近くの棚に置いてあったから赤い首輪を取り上げました。

「ああ、これがついてたからな。わかりにくいけど、読めるだろ? 『RAWW』って」

ラウの名が彫ってあるプレートを見せながらアスランくんに首輪を渡すと、アスランくんはそれをじっと見つめてからまたラウを見ました。

「本当だ……本当に……」

アスランくんは胸元で首輪をぎゅっと握りしめました。
相変わらず静かなままのラウの尻尾がぱたりと揺れました。

「ラウ――やっと会えた」


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紗月 [MAIL]