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| 2006年04月04日(火) 二月の終わりの出来事 |
| 私が舞城王太郎の本を手に家に帰りついた頃、私の恋人はわざと私の誕生日に気づかない振りをしながら、どんな風に驚かせてプレゼントを渡してやろうかと画策していた頃だった。 やがて、27歳になり私は誕生日を恋人と過ごし、だけど恋人とケンカをしたり、忙しく仕事に追われたりしながら私は過ごしていた。 自分が今まで生きたことを思い返していると、自分を苦しめたくなることがある。 うまく言えないけれど、自分に罰を与えたくなることがある。 それはきっと、今まで自分が犯した罪深いことを、わざと自分の傷をえぐるようにして私自身を苦しめそしてどこかで私は安心しているのだ。 痛い傷にさらに塩をもみこんで、苦しむ自分を客観的に見ているという作業を、私は自分に強いることがある。 すべて、わざと。 馬鹿馬鹿しいと思いつつもわざと自分を苦しめて、悲嘆にくれる自分に酔っているのかもしれない。 ある晩、私は本を貸してくれた人の車に乗っていた。 送ってもらうのは家のそばまでと思っていたけれど、結局、雨が降っているから家の前まで送るよといわれ、私は黙って座っていた。 私はセキをした。ずっとセキが続いていて頭も痛かった。 大丈夫? とその人が私の顔をのぞきこんだ。 私はひとりで車をおりた。 家に上がりたいとも言わず、誘って欲しそうにも見えなかった。 家に帰って、きっと相手も自分の家に帰った頃、携帯電話にメールが来て、「今度誕生日プレゼントを渡すから」と書いてあった。 私が恋人とケンカをしたこととこのことはまったく別のものだ。 たまたま重なってしまっただけだ。 私はベッドに寝転がってずっと恋人のことを考えている。 恋人の悲しそうな顔を思い返して、自分を苦しめようとしている。 もっと恋人が喚いて怒鳴って私に怒ればいいのにと思う。 もっと恋人が悲しそうな顔をして涙を流してくれればいいのにと思う。 だけど、恋人は耐えようとしている。何かにじっと耐えている。 恋人は何も知らない。私のことなど何も知らない。 恋人とこのことは何も関係のないはずなのに、何も知らない恋人に私はさらに罪悪感を感じようと、自ら自分を苦しめるようなことばかりしたがっている。傲慢な女だと思う。 |
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