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| 2006年03月12日(日) cantabile |
| 私は大学時代、管楽器を専攻していたんだけど、オーケストラの授業で、あまり管楽器の出番がない曲(もしくは楽章)を練習するときは、その授業の間ずっと椅子に座って楽器を吹かずに終わるときもあった。 同じ管楽器の専攻だった友だちが「音楽の練習をしていると精神的に強くなれるよね」と言ったのが忘れられない。 指揮者が弦楽器のメロディーだけを取り出して、同じフレーズをしつこく何回も弾かせ「それは違う、もっとこうだ」、「違う、もっと情熱的に!」「もっと表情をつけるんだよ!」なんてやらせているのを、ずっと私たちは聞いて待っているのだ。30分だって1時間だってずっと。同じフレーズを聞かされると頭がどうにかなってくる。だけど、誰かと喋って気を紛らせることもなくただぼんやりと静かに指揮者が私たちに注目してくれ「じゃあ、管楽器も一緒に」と言ってくれるまで待ち続ける。 精神的に強くなれる。 音楽用語の中にカンタービレという言葉がある。 カンタービレとは歌うように、という意味だ。 指揮者が「もっとカンタービレだ!」と大声を張り上げ棒をふる。 弦楽器の弓がそれにあわせて大きくうねっている。 ビオラのあの子も、ヴァイオリンのあの先輩も、体を揺らし指揮者に応えるように弓を揺らせている。それに呼応するように指揮者は情熱的に棒をふる。 カンタービレ カンタンド カンターレ 私たち管楽器が歌えるのはまだまだ先のようだと思った。 |
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