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2005年12月20日(火)  気まずかった
電車の中でうとうとしていて、ふと気づいて顔をあげたら、真正面に座っている女の子が、知ってる人に似ているような気がした。
「あ、この人どこかで見た顔だな」ってこと、私、一日一回あるんだけど。
でも、たぶん一日一回って多すぎだから、たぶん他人の空似か記憶違いだということですませている。
だから、たぶん正面の女の子も他人の空似だとそのときは思った。
だけど、彼女の、たとえばバッグからペットボトルを出してお茶を飲む仕草とか、ぱちぱちと瞬きをする仕草とか、やけに似過ぎてるなぁと思った瞬間、彼女と目が合った。

んんん、彼女は知り合いだ。
たぶんきっとそうだ。
知り合いだったので、なぜか目をそらしてしまった。
だって、だって、気まずいんだもの。

大学時代の同じ専攻の女の子なんだけど、私たちトランペット専攻の同級生達はかなり仲が悪く、なので今は全然親交もない。
私たちは、ブラスやアンサンブルの練習を、いろんな楽器の組み合わせでグループごとにわかれてしていた。彼女たちのグループは、「楽しくわきあいあいと」みたいなモットーで、女の子ばかりでキャピキャピ練習をしているグループだった。そんでもって、私はどちらかというと「真剣に!遊びじゃないんだ!」みたいなちょっと熱血漢というか熱くるしいグループだったんだけど、そうするとこのふたつのグループというのは相対するわね、必然的に。
なんなの?あんなにキャピキャピ練習しちゃって、ちっとも上手くなってないじゃないの!
なんなの?あんなに熱くなっちゃって、うざいったらないよね!
というふうに、まあ相対するわね。

卒業式前に、卒業生で学内のアンサンブルコンテストをして、私たち熱血漢グループが優勝したとき、そのいがみ合いは頂点に達し、私たちが打ち上げをしているところに彼女らが乗り込んできて、飲み屋でケンカをしたことがある。
それが今になると、気まずいというか恥ずかしい思い出というか、子供っぽかったねというか、なんというか。

真正面の彼女に気づかれないように、こそこそと電車を降りる。
実は、彼女の名前を思い出せない。「ま」がついていたような、そうでないような。なんだっけー?なんだっけ?名前を思い出せないまま彼女に気づかれて声をかけられたらたまらない。なので、こそこそ人の陰に隠れてホームに降りたその瞬間、
ポンポンと肩をたたかれ、総毛だった。
「あ、やっぱり、あいちゃんだー」

んんんー、全然彼女の名前を思い出せないまま、ホームで立ち話を2,3分ほどして、彼女は来た電車に乗って颯爽と立ち去っていった。

名前を失念していると悟られないように会話を続けるのは、至難の業です。
しかも、彼女は私と話をするためにわざわざ降りる駅でもなかった駅でおり、立ち話をしてまた電車に乗って立ち去るという、なんていうかなんか、んー、久しぶりの再会に興奮していた彼女のはしゃぎっぷりというか、そういうのになんかヒイた。
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