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2005年06月05日(日)  大雨
いつのことだったか忘れてしまった。
それが夜だったか、昼だったかさえも。

雷が地響きのように鳴り、雲が何かから逃げるように素早く流れていった。
窓をあけ、遠くを見上げると、不吉な予感を漂わせるカラスの羽根が一枚ひらひらと散っていった。

目の奥をつくような光が、空を一瞬照らし、私はそっと窓を閉めた。

私はいつも眠りからさめる瞬間を味わいたいと思っているのに、気がつけばその一瞬はいつも過ぎ去ってしまっている。

誰かに恋をすることは、雷が鳴ることに似ている。
嵐が訪れることに似ている。
大雨が地面を叩きつけるのに似ていて、空が眩しく光ることに似ている。

迷路のような恋人の浮き出た血管を、私は潜り抜けるように指先でなぞる。
出口のないその迷路を、私は出口などないとわかっているはずなのに
行ったり来たり、私は指でなぞり続ける。

暗闇に光るのは、煙草の火だけで、それは時々強くなったり弱くなったりする。

誰かが私の耳元で「時間は止まってはくれないんだ」と、囁いた。
私は一度目を開いたけれど、誰が囁いたかはもう知ろうとも思わない。
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