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| 2005年01月28日(金) 見上げる窓 |
| 寒くて暗い帰り道を、片方の手はバッグを提げて、もう片方の手をコートの中に突っ込み、首をすくませて歩く。ヒールの踵が減ったのかやけに大きな靴音がカツカツとアスファルトに響く。 道沿いでマンションを見上げれば、灯りのついた窓からゆらりゆらりと人影が揺れるのが見える。 そのシルエットは右に行って消えたかと思うと、返ってきては左に通り過ぎる。 もう少し目線を左に向けると、今度はそちらの小さな窓に電気がついて、また人影がゆらりゆらりと揺れている。コートの中の手をさすって寒さに耐えながら、私は道の真ん中に立ち止まってそれを見ていたい気がした。 あそこには、誰かが生活をしていて、誰かが誰かの帰りを待っているのだろうか。 暖かい電気がついて、今か今かとその帰りを待っていることだろう。 見回せば、どこの窓にもそんな灯りがともっていて、それは黄色だったり白だったり、カーテンの色だったり、いろんな窓がたくさんある。 後ろから歩いてきた女の子が、向かいのマンションに入っていった。 エレベーターに乗り込んで家へと帰る。 見上げていた部屋の小さな窓の明かりはいつの間にか消えていて、またもとの窓に人影が映っていた。そして、窓の中央で立ち止まり、すとんと影が消えたのは、きっと彼がベッドに腰掛けたからだと思う。 ドアを開けただいまと言ったら、誰かが迎えてくれる。 ベッドから立ち上がった恋人が、おかえりと私に答えてくれた。 私は、さっきまで自分が見上げていた窓から、外を見下ろしてみた。さっきまで自分が立っていたあの位置を見下ろしている。誰かが暗い夜道を俯いて歩いていた。 誰かが待つ部屋に帰ることは、少し幸せな気分になる。 窓を閉め鍵をかけたら、カーテンをひいた。 |
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