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| 2005年01月29日(土) 言葉 |
| 価値観が人それぞれであるように、言葉の使い方も人それぞれであると思う。 言葉とは、その人の世界、たとえば趣味とか交際関係、仕事、家族、育ち方、読む本、見るテレビ、休日の過ごし方、それを総合したその人の世界の中で生まれやすい言葉で、その人がもっとも理解しやすい、しっくりきやすい言葉が、その人個人の使う言葉そのものであると思う。 こういう話しを聞いた。 Aくんという新入社員はBさんという先輩営業マンにある仕事の相談をしました。 その内容をAくんは必死にBさんに伝えようとするけれど、BさんはなぜそんなことでAくんが困り果てているのか、なにが今問題になっていて、Aくんが何をどうしたくてBさんに相談をしているのかさっぱりわかりません。 Aくんの説明不足もあるでしょうし、Bさんの理解意識も薄いのかもしれません。 けれどそんなこと以外に、いまここで一番重要なことは、Aくんの使う言葉とBさんの使う言葉が異なるため、相手の理解に苦しんでいるということです。Aくんは一生懸命、「カメ語」でしゃべっているけれど、「うさぎ語」を使うBさんには何を言っているのかさっぱりわからないのです。 この話の中でいう言葉の使い方の差は、きっとキャリアや年齢の違いで言い表せるものであり、Aくんがカメのようにのろまだから、BさんがAくんを馬鹿にしているといいたいわけではない。 そして、「言葉の使い方が違う」と言いたい私が、幼稚な言葉を使う馬鹿な人たちとは話しが通じないと言っているわけではない。 個々人が使う言葉を上・下という差別や区別をしているのではなく、価値観が違うように言葉の使い方が違う、と私が言いたいのはあらかじめ言っておきたい。 人と話しているとき、「この人の話はつまらないなあ」と思うことがある。 話題そのものがつまらないのかもしれないけれど、使う言葉がたぶん私に刺さっていないのだろうと思う。私がピンと反応する言葉を、もしその人も持っていれば私は興味を示すことがあったかもしれない。 「この人とは気があうなあ」と思う人は、たいてい同じ言葉を使っているのかもしれないし、よく「少しの言葉でも通じ合える、分かり合える」というのは、それも多分同じ言葉を使うもの同士だからかもしれない。 営業の仕事をしていると、いろんな人と出会って話しが出来る。 そんなとき、私の中にあらゆる種類の「言葉」があれば、きっともっと深い人間関係が築けるのではないだろうかと、最近思う。この人にはこういう言い方をすれば興味を持ってもらえそうだとか、この人にはこんな言い方をすればきっと納得してくれるはずだとか、そんな「言葉」の引き出しがあればもっと仕事は楽しいのにと思う。 そういう「言葉の選び方・接し方」という営業研修を受けたことがあるけれど、その方法はとても大きなカテゴリーでしか括られておらず、その研修の中では4つから8つくらいのパターンしかない。 けれど、世の中には何億という人間がいて、私が価値観と同じように言葉の使い方が人それぞれ違うんだと思い始めた今、4つほどのカテゴライズでは相手とのコミュニケーションには間に合わなくなっている。それを最近、仕事だけでないシーンでもとても多く日常的に感じることがある。 (もちろん、その研修で学んだことは営業スキルを養うためにあり、日常の人と人のコミュニケーションには一概には当てはまらない) 言葉の引き出しをたくさん持つ人を、たまに見かける。 けれどその引き出しは先天的なものではなく、理解しようとする意志が働いて多くもてるものだと思う。 私の恋人は、その引き出しを私よりは多く持っている人のように思える。 私が上手く言葉を見つけられない場合、恋人は「〜〜ってことかな?」「〜〜っていう意味?」「〜〜なこと?」と、一生懸命お互いの共通言語で共有してくれる。 だからたぶん、彼は私の恋人なのだろうと思う。 私はいま、中途入社した人の教育担当という仕事をしている。 彼が話してくれていることを、私は理解したいと思う。一方的に指示を出すのではなく、一方的に話しを聞くだけではなく、私は理解したいと思う。彼がどう思ってどう感じているのか、どんな感想を持ってどうしたいのか。彼の世界を壊さずに彼らしい仕事が出来るように、そしてもしそのとき私が必要だと彼にいわれれば、私は彼を理解しようと思うだろう。 同僚で、私とは使う言葉が違う人がいる。 私と彼が同じ主張をしているようでも、言葉が違いすぎるあまり、お互いの意見が異なるものなのではないかと錯覚するほどだ。彼と話すとき、とてもイライラする。まどろっこしくて話し合いをするにも苦労する。彼からすれば私は「理解力の劣る」人間に見られているかもしれない。 社会に出たら、言葉の違う人はいくらでもいて、けれどそんな中でも交渉をしたり話し合いをしたり、お互いを共有しなければいけないときがたくさんある。 そんなとき、どれだけ私が引き出しを持っていられるか、なのかもしれない。 |
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