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2004年11月27日(土)  匂い
力を込めてカーテンを一気に開けたら、夜の街の灯りが部屋をともした。
こちらは暗がりで、あちらはまだ明るい。
ベッドに向かい合って座った私たちは、厳かな儀式を行うように私たちは息をひそめた。
彼の目は影になって一体どこを見ているのかわからない。

電気を消した部屋に、私と恋人の影が壁に映る。
私が彼の胸に顔を押し付けたら、影も真似した。
彼の顔を覗き込んだら、瞳が光って見えた。
うるうると光は揺れている。
ゆっくりと体を寄せると、ゆっくりと腕に包まれて、私は落ちていく。
この匂いがたまらなく好きで、この温かさがどうしようもなく好きで、この人が泣きたくなるほど好きなのだと思う。

秘密めいた言葉を彼は囁いて、その瞳をまた揺らした。
私は声にならない言葉でそれに頷き返す。

人はどうして誰かを好きになってしまうんだろう。
どうしようも出来ない。
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