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2004年10月03日(日)  大人になる悲劇、大人になりたくない喜劇
「ウルルン滞在記」を見てウルルンどころか大号泣してしまいました。
逆ウルルンのヘンリーさんに大号泣。あんなお年を召したおじいちゃんが遠いところから日本にやってきたというだけで、もう号泣。VTRなんか何も始まっていないのに、「ヘンリーさんが遠路はるばる日本にやってきた」という事実だけで大号泣。ヘンリーさんが泣いたらもっと号泣。

私もすっかり涙腺が弱くなりすぎてしまいました。

今日は朝から雨。
雨の日は、家に篭ってCDを聞くか、ドライブに出かけることにしています。
最近、ふとテレビから聞こえる曲をいいなぁと思っていたら、それはいつもいつも「アジアンカンフージェネレーション」の曲です。なので、次のアルバムが出たら即買い決定です。ちょっと前から「Maroon5」のサイトに行ってよくthis loveのPVを見ています。あのCDも欲しいのだけど、なかなか買いに行く暇がなくて、サイトでPVを見るばかり。忙しくてCDを買いにいけない。買いたいと思いついても買いに行く暇がない、買いに行く気力がない。そういう物欲さえ諦めてしまいたくなるほど、どこかちょっと最近私は、切羽詰っている。
気分転換に、恋人の車に乗ってどこに行くという当てもないくせに、ドライブをしました。
最近、彼が好きだというアーティストの曲が車の中で流れていて、もうそのアーティストの名前は忘れてしまったけれど、やけに雨に似合ったボサノバの曲でした。

やらなければいけないことは沢山あります。
それとは別に、やりたいことも沢山ある。
もっと一緒に恋人といたいと思うのと同じくらい、ひとりで過ごしたいと思う気持ちもある。やっつけてしまいたい仕事もあれば、臨んでみたい仕事もある。
よく、大人になればしがらみが多くなると、聞かされ続けたけれど、ああ、それってこういうことなのかなと、身をもって実感する。その瞬間、ああ、私、大人になったのだなあと思う。
ずっと以前、好きだった男の人が「僕はもうすっかり大人になってしまったから、自分と異なるものを受け止め難くなってきた。自分が柔軟でなくなったと最近思い始める。」
私はその言葉を聞いたとき、自分のそのときの年齢がまだ子供だったことを幸運に思ったし、大人になりたくないと言葉にしてはっきりと思った。好きだった人のそんな姿を見て、私は彼のようになりたくはないと思ったのです。
そして彼は、「だからもし、君が僕を変えようと頑張ったとしてもそれは無駄なことだから、こんな僕に愛想が尽きたとしたなら、君はすぐに別れたほうがいいよ」と言った。
大人になることって悲劇だなと思ったし、別れようと言われているのかと思った。
辻仁成の本の1ページに「喜劇と悲劇」という節がある。
子供でいつづけることは喜劇で、大人になってしまうことは悲劇だ。
もし、誰かに鼻で笑われたとしても、私はあまり大人になることを嬉しくは思わない。しがらみが嫌いだからだ。身動きがとれないことが嫌だからだ。あのときの彼の言葉は、そのしがらみもその身動きの取れなさも、自分の力ではどうしようもないと言っていたのと等しいと私は感じた。
私は、あのときから何年もたった今でも、あの彼の言葉にずっと締め付けられている。あの言葉に追いかけられ追い詰められ、催眠術をかけられたように逃れられない威圧感を感じてしまっている。

私の恋人は、あと2、3年もすれば、あのときあの言葉を言ったあの彼と同じ年齢になります。その年齢になったとき、私の恋人は果たして同じことを言うでしょうか。もし言ったら、私は彼の頭を撫でてあげようと思います。きっと言葉が出てこないので、ただ優しくしてあげるだけだけにします。それは慰めでもなく、同情でもなく、少し離れた位置からそっと彼に優しくしてあげるだけです。

私の方はといえば、まだ未だに大人になりたくないと思っています。なので、きっとあのときのあの彼のあの言葉を吐くのは、到底先になりそうです。意地を張ってでもその言葉から逃げ出したくて、私は言わないかもしれない。ただ、「まだ子供でいたい、子供でいたい」とぶつぶつ言っているだけなのかもしれない。ただの甘えん坊なだけなのです。

やらなければいけないことは沢山ある。
それとは別に、やりたいことも沢山ある。
やっつけなければいけないことも沢山ある。
立ち臨みたいことも沢山ある。

大人になるって忙しいね、と恋人に言ったら、大人になるって可能性が広がることだよね、と恋人は言った。この人はきっと、「大人になるとしがらみが多い」なんて言わないタイプの人なのかもなと思った。この人が恋人で良かったなぁと思った。

彼の言葉と車の中で流れるボサノバが気持ち良かったので、私はこれからもこれまでと同じように自由でいられるだろうなと、どこからか自信がわいてきて、自分が自分で良かったなぁと思った。
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